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不公平を知った瞬間、人は税を拒み始める — 「富裕層優遇」が壊す財政の土台

不公平を知った瞬間、人は税を拒み始める — 「富裕層優遇」が壊す財政の土台

2026年01月10日 00:03

「不公平」を知るほど、税への支持が“壊れていく”——富裕層の優遇が生む“静かな税離れ”

「金持ちからもっと取れ」。格差が話題になるたびに、世論はそう叫ぶ。ところが最新の研究が示したのは、もう一段厄介な現象だった。


超富裕層が“普通の人より低い税率で済んでいる”と知った市民は、富裕層増税を支持する一方で、なぜか“中間層への課税”には急に冷めてしまう——。つまり、政府財政を支える“広く薄い税”への同意(fiscal consent)が、不公平の露呈によって崩れかねないというのだ。



実験の中身:4,000人に「税率の事実」を見せたら何が起きたか

研究チーム(キングス・カレッジ・ロンドン、ジュネーブ大学)は、米国の約4,000人を対象に、オンライン調査実験を行った。参加者をランダムに2群へ分ける。


  • コントロール群:所得5分位(下位20%〜上位20%)の「総合的な税率」情報を提示

  • 処置群(トリートメント):上の情報に加えて、“米国で最も裕福な上位400人の税率”が、他の所得層より低いことが分かる情報を提示


提示されたデータは、Saez & Zucman(2019)の推計に基づくとされる。
そして結果はこうだ。


  • 超富裕層の優遇を知ると、富裕層への増税支持は高まる(直感通り)

  • しかし同時に、中間層(中央値付近)への課税支持は下がる

  • さらに、公共サービス財源のための増税に対して、支払い意思が弱まる兆しも示された(統計的には限定的という注意も本文にある)


論文はこの現象を、いわば“上だけ抜ける税”がもたらす隠れたコスト(hidden cost)と位置付ける。トップが抜け道で軽く済むほど、「じゃあ自分は払いたくない」という感情が広がり、結果的に国の徴税能力(fiscal capacity)そのものを傷つける——という警告だ。



カギは「損得」ではなく「フェアかどうか」

ここが重要だ。反応の中心は「自分が得するか損するか」だけではない。研究は、効果の主要な経路として税制の“公平感”が損なわれることを挙げる。


税が“みんなの会費”として成立するには、「負担のルールが筋が通っている」という納得が必要だ。ところが、最上位が実質的に軽い負担で済むと知った瞬間、その納得が崩れる。すると人々は、

  • 「上から取れ」には賛成する(懲罰・是正の感情)

  • でも「自分たち(中間層)も払おう」には賛成しにくくなる(協力の感情が壊れる)

という二段階の反応を起こす。論文中では、バフェットが「自分より秘書の方が高い税率だ」と語った逸話が象徴例として触れられている。



政治的に何が怖いのか:「怒り」は増税を後押ししないことがある

一見すると「富裕層増税の支持が増えるなら良い話」にも見える。だが、政府の歳入は富裕層課税だけで完結しない国が多い。現実には、所得税・消費税・社会保険料など、中間層を含む幅広い層の負担で公共サービスは回っている。


だからこそ研究は、「超富裕層の逆進性(トップほど税率が下がる状態)を放置すると、広範な課税への支持が削れ、財政基盤が揺らぐ」と言う。


これが示唆するのは、左派・改革派にとっても“二枚刃”になりうる点だ。不公平の告発は、富裕層増税の追い風になる一方で、中間層の納税意欲を冷やす可能性がある。論文は、政治コミュニケーションの含意としてこの点を問題提起している。



SNS・ネットの反応:拡散は小さくても、論点は“いつもの火種”に刺さる

まず前提として、このPhys.org掲載記事は、閲覧時点(2026年1月9日取得表示)でシェア数が0、コメントも0と表示されており、記事自体の拡散は大きくない。


一方で、テーマそのもの(「超富裕層の実効税率」「トップの逆進性」)は、SNSで繰り返し燃えやすい論点だ。公開されているネット上の議論や投稿を眺めると、反応は概ね次のタイプに割れる。


1)「だから払いたくなくなる」派:協力の前提が壊れている

Mastodon上の投稿では、富裕層・企業への優遇や抜け穴を批判し、「働く側にしわ寄せが来る」とする語りが目立つ。
研究結果の“中間層が冷める”という点に対しても、「そりゃそうだ。不公平なら協力しない」という感情的同意が生まれやすい。


2)「まず上を塞げ」派:税への信頼回復=ルールの是正

「富裕層への課税を強めるべき」「富の集中に対して課税で対応すべき」といった主張は、Mastodonでも繰り返し現れる。
この層は、研究の結論を「だからこそ最上位の逆進性を放置できない」と読む。つまり、**“中間層課税への支持を守るために、最上位の例外扱いを終わらせろ”**という解釈だ。


3)「情報を見せるだけで意見が動くの?」派:実験へのツッコミ

ネットでは、こうした調査実験に対し「提示情報の見せ方で反応が変わるのでは」「現実政治では党派性が強すぎて単純化できない」といった懐疑も出がちだ。今回の研究も、Qualtricsで設計しProlificで参加者を集めた、という“実験の作法”が明記されているため、方法論の議論は起こりうる。


4)「結局、税って何のため?」派:再配分と公共サービスのストーリー不足

ブログ圏では以前から、「超富裕層の税負担が下がるほど、社会として必要な支出ができなくなる」という問題意識が語られてきた。


研究が示した“公共サービスへの支払い意思の低下”は、まさにここに刺さる。税の使途への信頼が薄いところに“不公平”が加わると、納税の正当化が崩れやすい。



まとめ:不公平を暴くなら、同時に「直す道筋」も示せ

この研究が突きつけるのは、単なる「金持ち増税」ではなく、もっと根っこにある問題だ。


税は制度である前に、社会の共同作業の合意だ。トップが別ルールで逃げていると見えた瞬間、人々は「じゃあ自分も払わない」という方向へ傾く。だから政治やメディアが不公平を告発するなら、同時に「どう直すか」を具体で語らないといけない。
不公平の可視化だけでは、財政を支える“広い同意”が先に崩れる——それが、この短い研究ノートの一番重い警告である。 



参考記事

不公平が明らかになると、税金への支持が低下する
出典: https://phys.org/news/2026-01-taxes-falls-unfairness-exposed.html

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