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世界が立ち止まらず“立ち飲み”へ──日本発スタンディングバー隆盛の背景とグローバル化

世界が立ち止まらず“立ち飲み”へ──日本発スタンディングバー隆盛の背景とグローバル化

2025年06月29日 14:47

目次

  1. 立ち飲みブーム再燃の背景

  2. 低投資×高回転のビジネスモデル

  3. 若い女性とインバウンドが牽引

  4. 地方創生と空き物件再生

  5. 世界のスタンディングカルチャー

  6. 課題とサステナブル化

  7. 2030年への展望

  8. まとめ



1. 立ち飲みブーム再燃の背景

1-1 令和版「角打ち」復活

角打ち※1をルーツとする立ち飲みは昭和後期に下火となったが、2020年代に入り再燃。特に都市部では2023年の立ち飲み業態開業が飲食全体の中で最も伸び率が高く、前年比15%増だった⁽²⁾。


1-2 三つの社会要因

  1. 短時間幸福ニーズ
    コロナ禍で「滞在時間を短く済ませたい」という行動変容が定着。

  2. コスト高時代の節約志向
    座席料やチャージ不要でドリンク1杯300円台から楽しめる価格は、実質賃金が伸び悩む若年層に刺さった。

  3. 柔軟な店舗設計
    スタンディング=省スペースゆえに家賃を圧縮でき、人件費も最少2名で運営可能⁽³⁾。



2. 低投資×高回転のビジネスモデル

指標立ち飲み着席居酒屋
坪当たり月売上約45万円約32万円
席回転数/日6–8回3–4回
初期投資300万円前後900万円前後
*Omise Craft事例より試算⁽⁴⁾




立ち飲みは初期投資が着席店の3分の1、オペレーションも簡易。キャッシュレス専用レーンやセルフ注ぎ機を導入すると人件費比率を10%台まで下げられるという。空きシャッター街の再生策として自治体が補助金を出すケースも増えている。



3. 若い女性とインバウンドが牽引

  • 女性比率の上昇
    東洋経済オンラインの取材では、とある都内立ち飲みチェーンで女性客割合が25%→38%へ上昇⁽¹⁾。SNSで「映える木樽テーブル」「クラフトジン」が拡散されたことが要因。

  • 外国人観光客
    2024年以降、英語メニューとモバイルオーダーを導入した店舗では客単価が1.2倍に。立ち飲み体験は「ジャパニーズバル」としてTripadvisorで高評価を獲得している。



4. 地方創生と空き物件再生

福岡市・大名エリアの例では、市が空き店舗活用補助(最大200万円)を交付し、クラフトビールの立ち飲み4店が集積。来街者数は前年同期比12%増⁽³⁾。短期滞在型のスタンディングバーは“ハシゴ消費”を生み、周辺飲食店へも波及効果を与えている。



5. 世界のスタンディングカルチャー

国・地域代表的業態特徴
スペインピンチョスバルつまみ1品1–2€、立って皿交換が基本。社交・観光資源として定着⁽⁵⁾
イタリアエスプレッソバー€1でカウンター立ち飲み。物価高で存続危機→文化保護運動が活発⁽⁶⁾
韓国ポチャ屋台型の立ち飲み。ホーチミン市など海外展開も⁽⁷⁾
英国Vertical Drinking立ち飲み客の混雑と治安を巡りライセンス議論が継続⁽⁸⁾



これらの国々では「短時間・低単価・高交流性」が共通項。日本式立ち飲みのシステム(前払い制、フード持ち込み可など)は海外バルの運営にも応用されつつある。



6. 課題とサステナブル化

  1. 混雑とマナー
    立ったまま路上にはみ出す客への苦情が年々増加。店側は通行動線に配慮した導線設計とモバイル呼び出しで待機列を屋内に収めつつある。

  2. スタッフの疲労
    立ち仕事かつ高回転で接客が続くため、シフト短縮や高めの時給で採用競争力を確保。

  3. サステナビリティ
    量り売り日本酒やリユースカップ導入でごみ削減を図る店舗が増加。



7. 2030年への展望

  • デジタルツーリズム連携
    スタンディングバーを巡る「スタンプラリーNFT」が試験導入され、訪日客の再訪を促進。

  • ARメニュー表示
    ビールをかざすとおすすめおつまみが浮かぶAR機能を備えたアプリが主流に。

  • 多国籍化
    在日外国人オーナーが自国の立ち飲み文化を融合させた“ハイブリッド・スタンド”が台頭し、グローバルなコミュニティ拠点となる。



8. まとめ

立ち飲みは「安さと速さ」のみならず、都市のスキマ時間を豊かにするコミュニケーションのプラットフォームへ進化した。日本発の立ち飲み文化は、世界各地のスタンディングカルチャーと交差しながら多様化を続け、2030年にはスマート観光インフラとも融合するだろう。地域経済を支える小さなハブとして、立ち飲みの未来はまだまだ広がっている。




参考記事(リンク付き)

  1. 東洋経済オンライン「コロナ後の立ち飲み屋に若い女性が増えた理由」(2024/3/5) toyokeizai.net

  2. PR TIMES「全国飲食店開業ランキング レポート ver4」(2025/6/5) prtimes.jpre-view.jp

  3. Drum-Company「立ち飲み居酒屋の経営術:繁盛店を作るための成功法則」(2024/5/23) drum-company.net

  4. Omise Craft「今、立ち飲み業態に注目が集まる訳」(2024) column.omise-craft.com

  5. Food & Wine “Meet Pintxos, the Spanish Secret to Effortless Entertaining” (2025/6) foodandwine.com

  6. Coffee Intelligence “Italy's iconic €1 tradition faces a new chapter” (2024/11) intelligence.coffee

  7. OpaqA Coffee「Diverse Coffee Rituals: The Italian Espresso Culture」(2025/1) opaqacoffee.com

  8. PUB CCC紹介記事「韓国ポチャ文化がホーチミンへ」(2025/6) nishivietnam.com

  9. Leisure Studies “Vertical drinking in the night-time economy” (2023) tandfonline.com

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