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ラウンドアップ除草剤の安全性に新たな疑問:グリホサート「安全神話」を支えた論文に何が起きたのか

ラウンドアップ除草剤の安全性に新たな疑問:グリホサート「安全神話」を支えた論文に何が起きたのか

2026年01月04日 00:04

「“農業の背骨”が、論文撤回で揺れている」──。米紙が報じたのは、除草剤ラウンドアップをめぐる議論の再燃だ。きっかけは、2000年に発表され、長年“安全”側の論拠として引用されてきたレビュー論文が、25年を経て撤回されたこと。撤回は単なる学術上の出来事に留まらず、規制、訴訟、食の不安、そして科学への信頼を巻き込む「連鎖反応」を起こしている。 GV Wire


1) 何が撤回されたのか──「安全評価」の中核だった2000年論文

問題となったのは、ラウンドアップとグリホサートについて「人への健康リスクは大きくない」といった趣旨で結論づけ、長く参照されてきたレビュー論文だ。米国では大豆・トウモロコシ・小麦などの基幹作物から、家庭菜園まで広く使われてきた経緯があり、記事はラウンドアップを「米国の食料生産の背骨(backbone)」級の存在として描く。 GV Wire


撤回を行った学術誌は Regulatory Toxicology and Pharmacology。編集長(Editor-in-Chief)のMartin van den Berg氏は、著者の独立性と説明責任、研究の学術的完全性に関する「深刻な倫理上の懸念」を理由として挙げた。さらに、結論が主として(あるいは大きく)企業側の未公開研究に依拠していた点、利益相反の開示が不十分だった点などが問題視され、「この論文の結果と結論への信頼を失った」とされる。 GV Wire


企業側(バイエルの広報)は、企業の関与は謝辞で適切に示され、著者が原稿を管理・承認したという立場を取る。一方で、訴訟で明らかになった社内メールは、研究の「構想」や「執筆・レビュー」に企業研究者が深く関わった可能性を示唆し、ここが撤回判断の核心になった。 GV Wire


2) なぜ今、撤回が効くのか──「引用の連鎖」と規制の根っこ

この撤回が痛いのは、2000年論文が「単独の一報」ではなく、その後の研究・報告・評価文書の“入口”として機能してきた点だ。引用され続けるレビューは、研究者にとっては先行研究の地図、規制当局にとっては評価の索引になりやすい。ワシントン・ポストは、EPAが「この撤回は判断に影響しない」としつつも、過去の評価で当該論文を参照していたこと、そしてEPAが何千もの研究をレビューしているという説明を報じた。 The Washington Post


また、そもそもEPAの評価は「一度出したら終わり」ではない。連邦裁判所がEPAに対し、グリホサートの健康・環境影響について再検討を求めた経緯もあり(ロイター)、再評価プロセスは政治や訴訟とも連動してきた。 Reuters


記事が強調するのは、2026年に「安全性の再検証期限」があることだ。環境団体や食の安全、農業労働者団体の法的措置を背景に、再評価の圧力が高まっているという。 GV Wire


3) 健康リスクの評価はどう割れているのか

グリホサートをめぐっては、世界保健機関(WHO)関連機関のIARCが2015年に「おそらく発がん性がある(probably carcinogenic)」と分類した一方、米欧の規制当局は概して「発がん性と断定しない」立場を取ってきた、という“ねじれ”が続く。 GV Wire


さらに今回の記事では、食品中の残留や人体からの検出にも触れている。パン、シリアル、スナックなどから微量が検出され、成人・子どもの尿からも検出例があるという。一方で、収穫前散布(作物を枯らして収穫しやすくする用途)をやめる企業が出たことで、食品中濃度が低下した兆候も示されている。つまり「検出=直ちに危険」ではないが、「生活に入り込んでいる物質」であることが不安と議論を増幅させる。 GV Wire


4) SNSの反応──「当然だ」vs「単一論文で騒ぐな」vs「代替策は?」

今回のニュースがSNSで拡散すると、反応は大きく3つに割れた。ここでは、Reddit、LinkedIn、園芸系フォーラムなど公開投稿の“典型例”をもとに全体傾向を整理する(※サンプルであり、世論全体を代表するものではない)。


(A) 撤回を“科学の記録訂正”として歓迎する声
LinkedInでは「ついに公式に撤回された」「安全ではない」と断定的に受け止める投稿が目立つ。ある投稿は、論文が未公開の企業研究に大きく依存した点や、透明性の欠如を列挙し「規制の虜(regulatory capture)」だと批判する。 LinkedIn


Redditでも「企業は嘘をつく」「責任を取らせるべき」と、企業不信を軸に怒りを表明するコメントが見られる。 Reddit


(B) “撤回=危険確定”にブレーキをかける慎重論
一方でRedditでは、「撤回は重要だが、単一の論文が撤回されたことだけで結論を飛躍させるべきではない」「長年のデータや他研究もある」という趣旨の反論も強い。 Reddit


この立場は、科学コミュニケーション上の典型的な論点──「研究不正(透明性欠如)は重大だが、物質の毒性評価は“総体”で行うべき」──を突いている。


(C) 農業現場のリアリズム:「じゃあ代替は?」
園芸・果樹系のフォーラムでは、より生活者目線の議論が出る。「表示上“安全基準内”“用法用量どおり”と言われても、現実に守られない」「道路脇や鉄道、農地周辺など“至る所で散布されている”」といった体感に基づく不信が語られる一方、切り株処理など限定用途で「最小限に使う」という折衷案も示される。 Growing Fruit


ここには、化学農薬を巡る議論が「科学」だけでなく「運用(誰がどう使うか)」の問題でもある、という本質が表れている。


5) これからの焦点──“結論”より先に問われる「透明性」

今回の撤回が突きつけたのは、「グリホサートが最終的に安全か危険か」という二択以前に、社会が依拠する科学的根拠が、誰の資金で、誰が書き、どこまで開示されていたのかという一点だ。撤回理由が“データの完全な捏造”ではなく、独立性・利益相反・未公開データ依存といった「科学の信頼設計」に関わる問題だったことは象徴的だ。 GV Wire


そして2026年、EPAが再評価期限を迎える。議論の中心はおそらく、

  • 再評価で「どの研究を重く見るのか(公開データか/企業提出データか)」

  • 用途別(収穫前散布、家庭用、業務用など)にリスク管理をどう切るのか

  • 代替技術(機械除草、輪作、低農薬・再生型農業など)を誰が負担するのか
    に移っていく。


撤回はゴールではない。むしろ、“信頼できる根拠で”議論し直すためのスタートラインだ。



参考記事

「ラウンドアップ除草剤に関する研究が撤回され、新たな懸念が浮上」
出典: https://www.nytimes.com/2026/01/02/climate/glyphosate-roundup-retracted-study.html

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