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オンラインでの罵り言葉が示す世界のリアルとは?201通りの Fワードが飛び交う世界 ― 17億語を解析した“罵り言葉”最新地図

オンラインでの罵り言葉が示す世界のリアルとは?201通りの Fワードが飛び交う世界 ― 17億語を解析した“罵り言葉”最新地図

2025年06月13日 12:41

「悪態(スウェアリング)は、ただの“汚い言葉”ではなく、社会と個人を映す文化的鏡である」——豪クイーンズランド大学の応用言語学者マーティン・シュヴァインベルガー博士は、17億語に及ぶオンライン英語コーパスに潜む罵り言葉を掘り返し、そう結論づけた。オンライン世界に散らばる“毒舌”を読み解くと、国民性、宗教観、メディア環境までもがくっきりと浮かび上がる。日本人にとっては縁遠いようで無視できない“Fワード文化”の実態を、研究結果とSNSの生の声を交差させつつ徹底解剖しよう。


1. 研究のスケール――17億語・約60年分の生テキスト

今回の分析対象は、ニュース・政府声明・企業サイト・ブログなどソーシャルメディアを除く公開ウェブ文書。計20地域の英語から17億語を抽出した「GloWbE(Global Web-Based English)」コーパスだ。英語学の世界で標準的に用いられる巨大データベースで、言語変異を比較する目的で精査されている。phys.org

  • 検出された罵り語:597語形(略語・ミススペル含む)

  • “fuck”の派生形:201種類

  • サンプル期間:1990年代後半〜2024年


2. 罵倒王者はアメリカ――「信仰深さ」と「個人主義」のねじれ

全体頻度では罵り語は1万語あたり3〜4語程度と希少だが、使用ユーザー比率を見ると米国13.3%、英国約10%、豪州9.4%。意外にも宗教観が比較的保守的とされる米国が最多となった。シュヴァインベルガー博士は「公共の場での罵倒は非難されても、ネットという匿名空間では“自己主張”として爆発する」と分析する。phys.org


米国特有の現象として、他地域が躊躇なく使う“bloody”を回避し、“damn”を多用する点も注目だ。「宗教ベースの冒涜」は依然として忌避されがちで、同じ罵倒でも「神を巻き込むか否か」で境界が引かれる。


3. 英国と豪州――「悪態の本家」と「創造的スペリング」

英国は“cunt”の頻度で他を圧倒。放送コードでも最凶レベルとされる語だが、親密な友人同士の愛称にも転用されるなど、文脈依存性が高い。一方、豪州は頻度こそ低いものの、“no wuckers”“no wucking furries”のようなFワード派生を量産し、「創造性」でトップに立つ。これは対面コミュニケーションでのラフな悪態文化が、書き言葉へ移植されている証左と言える。


4. Reddit と X が沸いた――「豪州が3位?」「アメリカは自由の代償」

米英豪のニュースメディアが研究を配信すると、SNSは即座に反応した。

  • Reddit「r/AskReddit」:「結局“自由の国”は言葉も自由だ」「スラヴ圏の方がえげつない印象だけど?」など千件超のコメントが伸びる。reddit.com

  • 豪州掲示板「r/straya」:「ネットで控えめとか、リアルで言えってことかよw」と自虐ギャグが多数。reddit.com

  • 日本Twitter(引用記事:Karapaia)では、「米国は“asshole”文化、英国は“cunt”文化、なら日本は何文化?」と、自国の罵語欠如を逆に誇る声が散見。karapaia.com

  • The Guardian読者コメント欄では、「アングロ圏の罵倒語は植民地時代の階級制度の名残」という歴史的考察も登場。theguardian.com


5. 日本視点――“悪態リテラシー”の空白

英語教育では taboo words を体系的に扱わないことが多い。だが国際ビジネスやSNSでは、相手の感情温度を測るセンサーとして不可欠だ。例えば米国の会議チャットで“WTF”が飛び交っても慌てる必要はないが、英国で“bloody”が出たら軽い謝罪を求められる可能性がある——こうした「温度差の把握」は日本人のグローバルコミュ力向上に直結する。


6. 罵り言葉は社会の潤滑油か、それともヘイトの火種か

研究者は「罵語=悪」一辺倒の道徳論を戒める。適切な場面での罵倒はストレス軽減、仲間意識醸成、痛覚緩和(実験で確認)など複数の心理的利得をもたらすからだ。とはいえ、差別語やジェンダー攻撃語は依然として重大な社会課題である。


7. 今後の展望――AI時代の“毒舌”は誰が監視する?

生成AIがテキスト大量生産する現在、「罵語フィルタリング」「感情分析」はコンテンツモデレーションの最前線テーマだ。英語圏の罵倒語に400〜600のバリエーションがあるなら、多言語・マルチモーダル化すれば指数関数的に複雑化する。日本語の「くそ」「死ね」から絵文字変形、フィネスや半角カナまで、今後は“隠語の暗号化”が進むだろう。


8. まとめ:数字で読み解く「怒りとユーモアのグローバリゼーション」

  • 最多罵倒語:fuck(201変形)

  • 最も口が悪い国:米国(0.036%)

  • 創造性トップ:豪州(スペリング変種数)

  • 宗教語が最も残る国:米国(damn)

罵り言葉は怒りの爆発であり、同時にユーモアの潤滑油でもある。世界がネットでつながるほど「他者の怒り方」を知ることは、異文化理解の第一歩になる。日本のネット空間も“優しい日本語”だけでなく、世界の“悪態リテラシー”を学ぶ時期に来ているのかもしれない。


参考記事

オンライン上の17億語のテキストが示す、世界の「悪口」の実態
出典: https://phys.org/news/2025-06-billion-words-online-text-world.html

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