メインコンテンツにスキップ
ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア ロゴ
  • 記事一覧
  • 🗒️ 新規登録
  • 🔑 ログイン
    • English
    • 中文
    • Español
    • Français
    • 한국어
    • Deutsch
    • ภาษาไทย
    • हिंदी
クッキーの使用について

当サイトでは、サービスの向上とユーザー体験の最適化のためにクッキーを使用しています。 プライバシーポリシー および クッキーポリシー をご確認ください。

クッキー設定

クッキーの使用について詳細な設定を行うことができます。

必須クッキー

サイトの基本機能に必要なクッキーです。これらは無効にできません。

分析クッキー

サイトの使用状況を分析し、サービス向上に役立てるためのクッキーです。

マーケティングクッキー

パーソナライズされた広告を表示するためのクッキーです。

機能クッキー

ユーザー設定や言語選択などの機能を提供するクッキーです。

原油先物曲線が示す“長期化する中東リスク” ――ブレント急騰とホルムズ海峡リスクが映す市場の緊張

原油先物曲線が示す“長期化する中東リスク” ――ブレント急騰とホルムズ海峡リスクが映す市場の緊張

2025年06月13日 15:39

目次

  1. はじめに――「先物曲線」が語る地政学リスク

  2. 何が起きたのか:曲線の“スマイル”崩壊

  3. タイムスプレッド急拡大のメカニズム

  4. オプション市場とボラティリティの異変

  5. ホルムズ海峡と世界供給網――迂回ルートはあるか

  6. シナリオ分析:$90/$105/$120バレルの条件

  7. 日本への直接インパクト

  8. 企業・投資家が取るべき5つのアクション

  9. 今後の注目カレンダー

  10. まとめ――「価格」より「カーブ」を見よ



1. はじめに――「先物曲線」が語る地政学リスク

商品市場では価格だけでなく曲線(カーブ)の形が需給と心理を映す鏡になる。今回、カーブが示した急変は「短命なショック」ではなく「長期化シナリオ」への警戒が市場コンセンサスに組み込まれた兆候だ。ndtvprofit.com



2. 何が起きたのか:曲線の“スマイル”崩壊

  • 前限月ブレント:最大13%高。

  • 12月限2025 vs 2026:+2.3ドルのバックワーデーション(2か月前は–0.9ドルのコンタンゴ)。

  • 3か月/6か月スプレッド:共に急拡大しアジア時間の出来高は平常比2倍超。
    背景には、イスラエルのイラン関連施設への限定攻撃が「限定」で終わらないとの見方がある。ndtvprofit.com



3. タイムスプレッド急拡大のメカニズム

バックワーデーションは「今すぐ欲しい」プレミアムであり、在庫逼迫または供給リスクを示唆する。コンタンゴからの急転は (1)ヘッジファンドのショートカバー、(2)商業在庫の季節的低下、(3)地政学リスクプレミアムの同時発生 が重なった結果だ。reuters.com



4. オプション市場とボラティリティの異変

インプライド・ボラティリティ指数はアジア時間で年初来高値、コール・プットスキューは2011年以来の強いコール偏重。これは市場参加者が「上振れリスク」に保険料を支払った証拠だ。ndtvprofit.com



5. ホルムズ海峡と世界供給網――迂回ルートはあるか

  • 通峡量:世界海上輸送原油の約20%(日量1,400万b/d)。

  • 代替ルート:サウジ東西パイプライン(最大500万b/d)でも全量代替は不可能。

  • 専門家コメント:INGパターソン氏「完全遮断なら120ドル/bbl突破」。ndtvprofit.com
    結果として、海運保険料・運賃の上昇がすでにスポット船舶レートに波及し始めている。



6. シナリオ分析:$90/$105/$120バレルの条件

シナリオ触媒曲線形状タイムスプレッド日本のCIFコスト試算*備考
ベース ($90)軍事行動沈静化・外交再開微弱バックワーデーション$1.5+3円/L3Q25在庫積増し
リスク ($105)局地的報復続く強いバックワーデーション$3.0+9円/LSPR放出協調検討
ショック ($120)ホルムズ一時封鎖超バックワーデーション$5.0+15円/LOPEC+緊急会合


* CIF: Cost, Insurance and Freight(ガソリン換算)



7. 日本への直接インパクト

  1. 精製マージン圧迫:原油高+運賃高がダブルで効く。

  2. ガソリン価格:現在155円/L→ショック時170円台試算。

  3. インフレ加速:エネルギーコストからCPI寄与+0.3pt。

  4. 為替:リスクオフの円買いvs資源高で円売りが綱引き。

  5. 政策対応:国家備蓄(約180日分)の放出弾力化、補助金トリガーの再検討。



8. 企業・投資家が取るべき5つのアクション

  1. ヘッジ強化:単純な価格ヘッジよりコールスプレッドで急騰局面をカバー。

  2. 在庫積み増し:物流企業は夏季需要前に備蓄確保。

  3. 代替燃料転換:発電用LNG比率を高め可搬在庫を確保。

  4. サプライチェーン再評価:ホルムズ依存度の高い原油比率を見直す。

  5. ESGファクター開示:調達リスクを投資家説明資料に反映し信頼度を高める。



9. 今後の注目カレンダー

  • 6月15日 オマーン米・イラン実務者協議

  • 6月19日 OPEC+合同技術委員会(JTC)

  • 7月上旬 米EIA “International Energy Outlook” 発表

  • 随時   イスラエル・イラン間の軍事・外交動向



10. まとめ――「価格」より「カーブ」を見よ

価格高騰は“結果”に過ぎず、“原因”は曲線が先んじて映し出す。今回、長期契約までプレミアムが波及した点が「一過性ショック」との決定的な違いである。カーブを読むことは、リスクの“深さ”と“長さ”を測るバロメーターだ。日本にとってはエネルギー安全保障策の再点検と、企業個々の備えが急務となる。中東の緊張は沈静化しても、供給網の脆弱性は恒常的テーマであり、投資家・政策当局・市民が共有すべき“新常態”といえるだろう。




参考記事一覧

  • NDTV Profit, “Oil Curve Shift Shows Fears Of Protracted Mideast Conflict,” 13 Jun 2025. ndtvprofit.com

  • Reuters, “Oil settles lower as traders gauge Middle East tensions,” 12 Jun 2025. reuters.com



「石油曲線の変化、中東紛争の長期化への懸念を示す」
出典: https://www.ndtvprofit.com/markets/oil-curve-shift-shows-fears-of-protracted-mideast-conflict

← 記事一覧に戻る

お問い合わせ |  利用規約 |  プライバシーポリシー |  クッキーポリシー |  クッキー設定

© Copyright ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア All rights reserved.