「好き」の先に何がある? 恋人・夫婦の関係を読み解く“愛の4段階”

「好き」の先に何がある? 恋人・夫婦の関係を読み解く“愛の4段階”

「一緒にいるだけで幸せ」
「どうして、この人は分かってくれないの?」
「私も、いつも同じ反応をしているかもしれない」
「違うところも含めて、もっと相手を知りたい」

この四つの言葉は、パートナーに向けるまなざしの違いを表している。

恋が始まったときの高揚感。暮らすうちに見えてくる不満。ぶつかり合う自分たちへの気づき。そして、違いを抱えたまま相手を理解していこうとする姿勢。あなたたちの今の関係には、どの言葉が近いだろうか。

オランダの心理専門家アンネ・デ・ヨングは、著書『Diepe liefde(深い愛)』で、パートナー関係を四つの段階から説明している。オランダのMetroによるインタビューをもとに、ドイツのFOCUS Onlineも2026年9月23日、この考え方を紹介した。

特に目を引くのが、第2段階に30年間とどまるカップルもいる、という指摘だ。一緒にいる年月と、互いへの理解の深まりは、必ずしも同じではないという。

ただし、この4段階は、すべてのカップルが順番に進むと実証された法則ではない。「30年」も調査に基づく平均値ではなく、専門家による説明だ。関係を採点するテストではなく、二人を見つめ直すためのモデルとして読んでほしい。


パートナー関係の「4段階」を一目で見る

段階中心になる気持ち・姿勢関係を振り返るポイント
第1段階:恋に落ちる相手が魅力的で、一緒にいたい理想のイメージが先行していないか
第2段階:違いに直面する相手への不満や失望が生まれる一つの行動から人格を決めつけていないか
第3段階:自分の反応を振り返る二人のやり取りを理解しようとする自分は何に傷つき、どう反応しているか
第4段階:好奇心を持って受け入れる違いを理解し、関心を持ち続ける今の相手を知ろうとしているか


第1段階「恋に落ちる」——相手のすべてが魅力的に見える

最初の段階を象徴するのは、「この人と一緒にいたい」という強い気持ちだ。

メッセージが来るだけでうれしい。次に会う日を何度も確認する。普段なら気になるような小さな癖も、その人らしさとして好ましく映る。

例えば、予定を細かく決めない相手に「自由でおおらか」と感じ、自分にはない魅力を見いだすかもしれない。慎重に物事を考える相手なら、「落ち着いていて頼れる人」と思うだろう。

この時期には、相手についてまだ知らない部分も多い。期待や想像が、その空白を埋めていることもある。

だからこそ、ときめきが落ち着いてから「こんな人だと思わなかった」と感じても、それだけで相手が別人になったとは限らない。知る機会が増え、最初には見えていなかった面が現れた可能性もある。

第1段階を振り返る問いは、「私はこの人の何にひかれ、まだ何を知らないのだろう」だ。


第2段階「違いに直面する」——魅力だった部分が、不満に変わる

次の段階では、生活習慣や価値観の違いが目に入りやすくなる。

「自由でおおらか」は、「予定を決めてくれない」に変わる。
「慎重で頼れる」は、「何をするにも時間がかかる」に変わる。

最初に魅力を感じた特徴が、共同生活では不便さにつながることもある。同じ相手を見ているのに、評価が大きく変わるのだ。

デ・ヨングが注目するのは、このとき相手の行動が、その人の人格そのものとして扱われることだ。

例えば、「今日は話を最後まで聞いてくれなかった」が、「この人は私に関心がない」になる。「頼んだことを忘れた」が、「いつも無責任だ」になる。

具体的な出来事について話していたはずが、いつの間にか「あなたはどういう人間か」という争いに変わってしまう。

一方が「どうして変わってくれないの」と迫り、もう一方が「何をしても文句を言う」と身構える。こうしたやり取りが固定すると、けんかの題材が変わっても、結末は似たものになる。

第2段階に30年とどまるカップルもいるという指摘は、このような関係の停滞を説明したものだ。長く付き合えば、自動的に抜け出せるとは限らない。

関連する2024年の研究では、臨床サービスを求めた異性カップル200組を対象に、抑うつ症状、相手への否定的な原因・責任の帰属、関係の状態が検討された。相手に問題の原因を否定的に帰属する傾向と、関係の不調などには関連が示されている。ただし、因果関係や4段階モデルを証明した研究ではない。

この段階で考えたいのは、「相手がしたことと、その人について自分が出した結論を、分けて話せるだろうか」という問いだ。


第3段階「自分の反応を振り返る」——二人の間で何が起きているのかを見る

第3段階では、関心が自分自身の反応にも向かう。

「なぜ、あの一言にそこまで腹が立ったのか」
「相手が黙ったとき、私は何を想像したのか」
「自分が声を強めると、相手はどう反応するのか」

例えば、返事がないことに不安を感じた人が、答えを求めて問い詰める。相手は責められたと感じて黙る。その沈黙を「無視された」と受け取り、さらに問い詰める。

それぞれが自分の気持ちを守ろうとした結果、相手の不安や警戒を強めてしまう場合がある。こうしたやり取りの仕組みに気づくことが、この段階の中心になる。

「あなたは冷たい」と決めつける代わりに、「返事がないと、私は拒絶されたように感じる」と伝える。

黙り込む側も、「今は考えがまとまらない。夕食後に続きを話したい」と説明できれば、沈黙の意味が伝わるかもしれない。

ここでいう振り返りは、自分だけが悪いと考えることではない。相手の責任を引き受けることでもない。自分が変えられる反応と、相手に改めてほしい行動を、それぞれ具体的にすることだ。

この段階を考える問いは、「同じやり取りが始まったとき、二人はどこで違う対応を選べるだろう」になる。


第4段階「好奇心を持って受け入れる」——違いがあっても、相手を知り続ける

第4段階では、相手への好奇心と受容が中心になる。

長い付き合いでは、「この人のことは分かっている」と思いやすい。しかし、仕事の負担も、体調も、大切にしたいことも変わっていく。何年も前の理解だけでは、今の相手を捉えきれないことがある。

「前はこう言っていたけれど、今も同じ?」
「最近、どんなことが負担になっている?」
「どうして、それを大切にしたいと思うの?」

こうした問いを持ち続ける姿勢が、第4段階の特徴だ。

受け入れるというのは、相手と同じ好みになることではない。休日に出かけたい人と、家で休みたい人が、互いの希望を理解し、別々に過ごす時間もつくる。違いがあることを前提に、暮らし方を相談することはできる。

一方、家事の負担が一人に偏っているのに、「自分はこういう性格だから」で済ませれば、不公平は残る。性格の違いを理解することと、共同生活の責任を果たすことは分けて考えたい。

暴力や威圧、支配を受け入れる必要もない。安全や尊厳を損なう状況は、愛が深まる途中の普通の段階として扱うべきではない。

関連する米国の縦断研究では、既婚成人2,000人超について、パートナーに理解され、評価され、気にかけてもらっているという感覚と、10年間の幸福の変化が検討された。その感覚は、人生の意味や成長などに関わる幸福の長期的な変化と関連していた。ただし、日々の快・不快に関わる幸福についても同じ結果だったわけではない。

この研究も第4段階の存在を証明するものではないが、相手に理解されていると感じることの意味を考える材料になる。

第4段階を振り返る問いは、「よく知っているはずの相手について、今、何を聞いてみたいだろう」だ。


SNSに見える、第2段階と第3段階を考えるヒント

4段階という視点で読むと、SNSのパートナー相談にも、関係を振り返る手がかりが見えてくる。

 

ここで紹介するのは元記事への直接の反応ではなく、同じような関係の悩みを扱ったRedditの過去の投稿とコメントだ。投稿者を特定の段階に診断する意図はなく、世論全体を示すものでもない。

2024年のある投稿では、親族との関係をめぐる10年以上前の対立が、家族行事への出席をきっかけに再燃したと相談者が訴えた。

コメントには、配偶者にとって過去の出来事が未解決なのではないかと指摘し、二人で整理できなければ仲介者やセラピストの支援を検討するよう促す意見があった。

「なぜ、また同じことで怒るのか」という疑問を、「相手にとって何が終わっていないのか」という問いに変える。この反応は、第3段階の振り返りを考えるうえで示唆的だ。

また、2019年の新婚生活に関する投稿では、小さな家事の問題から激しい衝突や会話の断絶に発展する悩みに対し、コミュニケーションを学ぶためにカウンセリングを活用する意見が寄せられていた。

ただし、いずれも基本的には一方の視点から書かれた相談だ。相手の気持ちや人格を断定することはできない。だからこそ、「自分の見えていることだけで相手を決めつけていないか」という、このモデルの問いにつながる。


あなたたちの関係を、四つの問いで見つめ直す

4段階を自分たちの関係に引き寄せるなら、次の問いを一つずつ考えてみたい。

  • 第1段階の問い:相手のどこにひかれ、どんな期待を持っていたか。

  • 第2段階の問い:今、どんな違いが不満になっているか。

  • 第3段階の問い:その不満に、自分はどう反応しているか。

  • 第4段階の問い:違いを踏まえ、これから相手をどう理解していきたいか。

これは何点なら合格というチェックリストではない。二人の答えが一致しなくても、何をどう感じているかを知るきっかけになる。

ときめきが落ち着いたあとに、違いが見える。違いにぶつかるなかで、自分たちの反応に気づく。そして、理解したつもりの相手に、もう一度関心を向ける。

デ・ヨングの4段階モデルは、そうした視点からパートナー関係を捉え直す提案だ。

あなたたちは今、相手のどの部分を見ているだろう。魅力だろうか、欠点だろうか、それとも、まだ聞いたことのない気持ちだろうか。


出典URL

  1. FOCUS Online(2026年9月23日):デ・ヨングの4段階モデルと、関連する研究の紹介。
    https://www.focus.de/familie/beziehung/beziehungspsychologin-identifiziert-4-phasen-der-liebe-manche-paare-verharren-30-jahre-lang-in-phase-2_e776e6b6-0987-40a9-bb6a-a3d1864779c7.html

  2. Metro:アンネ・デ・ヨングへのインタビュー。『Diepe liefde』、4段階、繰り返す対立、好奇心と受容についての発言の原記事。
    https://www.metronieuws.nl/lifestyle/relaties-seks/2026/09/relatiepsycholoog-anne-de-jong-relatie-diepe-liefde-fases/

  3. Pollardほか(2024年)、Personal Relationships:臨床サービスを求めた異性カップル200組における、抑うつ症状、否定的な帰属、関係の状態の関連を検討した研究。
    https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/pere.12581

  4. “Does Partner Responsiveness Predict Hedonic and Eudaimonic Well-Being? A 10-Year Longitudinal Study”:パートナーから理解・評価・配慮されているという感覚と、長期的な幸福の変化を検討した研究。
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28592909/

  5. Reddit「So tired of having the same fight」(2024年):親族関係をめぐる過去の対立が再燃したという相談と、未解決の感情や第三者の支援に言及したコメント。元記事への直接反応ではない。
    https://www.reddit.com/r/Marriage/comments/1e1gf3k/so_tired_of_having_the_same_fight/

  6. Reddit「Newly married, but, already fighting」(2019年):新婚生活で小さな問題が激しい衝突になるという相談と、コミュニケーションやカウンセリングに関する反応。元記事への直接反応ではない。
    https://www.reddit.com/r/Marriage/comments/dsh5pm/