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コロナ後に増える「心不全死」 ─ 静かに進む“慢性疾患の余波”

コロナ後に増える「心不全死」 ─ 静かに進む“慢性疾患の余波”

2026年01月14日 00:08

「パンデミックの死者数」は、しばしば感染症そのものの致死率や医療逼迫の記憶と結びつく。だが、コロナ禍の“本当の後遺症”は、もっと静かで、もっと長期にわたる形で社会を侵食しているのかもしれない。その代表例として、米国で心不全死が加速している――そんな警鐘を鳴らす報告が伝えられた。


心不全死は「突然の発作」ではなく、積み重なったダメージの終点

心不全は心筋梗塞や脳卒中のように“ある日突然”起きる出来事というより、長い時間をかけて心臓が弱り、全身に十分な血液を送れなくなっていく状態だ。だからこそ、日々の血圧管理、糖尿病治療、体重管理、薬の継続、定期受診といった「ルーティン」が崩れると、じわじわと悪化が進む。


記事が示すのは、まさにその“じわじわ”が、コロナ禍を境に一気に表面化した可能性だ。米国全体では、年齢調整した心不全死亡率は1999年から2011年頃まで低下していたが、その後は反転。さらに2020年以降、増加がより速いペースになり、その傾向が続いているという。


2024年、心不全が「基礎死因」92,000人超──“関連死”は423,000人超

数字はさらに重い。2024年、心不全は米国で「基礎死因(underlying cause)」として9.2万人超の死亡に記載され、さらに「寄与死因(contributing cause)」としては42.3万人超に関わっていたとされる。高齢者で死亡率が高いのは当然としても、増加の勢いが強いのは若年〜中年層という“逆転現象”が、臨床の現場を不安にさせている。


ここで重要なのは、「コロナに感染したから心不全で亡くなった」という単純な因果だけでは説明できない点だ。共同著者のHarlan Krumholz氏(イェール大)は、背景には単一原因ではなく、①糖尿病・肥満・高血圧など心血管リスクの悪化、②医療システムや構造的な問題、③パンデミック期の受診中断や診断遅れ・フォロー断絶といった“混合要因”が重なった可能性を指摘している。


「増えているのは、若い世代/黒人/農村部/南部・中西部」

増加が目立つ集団も示されている。65歳未満、男性、黒人、農村部、そして南部・中西部の住民で上昇が急だという。これは“ウイルスの新しい毒性”というより、もともと存在していた健康格差やアクセス格差が、危機によって拡大・固定化した構図にも見える。


実際、米国の循環器領域では、若年層の心不全死亡増加や人種格差を問題視する発信が以前からある。たとえばデューク大学の紹介では、若年層での心不全死増加に加え、予防啓発、早期診断、そして遠隔医療などを含むアクセス改善の重要性が語られている。


背景にある“リスク因子の高止まり”:高血圧・糖尿病・肥満

このニュースは「心不全」単体の話に見えて、実は米国の心血管リスク全体のトレンドと地続きだ。米国心臓病学会(ACC)が紹介するJACCの統計レポートでは、(現行ガイドライン基準で)高血圧が成人の約2人に1人規模で、治療・コントロール率が長年停滞していること、肥満が成人の約40%に達していること、糖尿病が増加していることなど、複数の“土台の危うさ”が示されている。


心不全は、こうしたリスク因子が長期間にわたり心臓に負荷をかけた結果として現れやすい。つまり、パンデミック期の生活変化(運動量低下、体重増、ストレス増)や受診中断が、もともと進行していたリスク上昇をさらに押し上げた――そう考えると、報告の「加速」という表現が腑に落ちる。


SNSの反応:共感、怒り、そして“論争”が同時に起きる

この種のニュースがSNSで広がると、反応はだいたい3つの方向に割れる。


1)「コロナは終わってない」型:慢性疾患の影にハッとする
「感染者数の話題が減ったのに、結局ツケが来る」「医療から遠ざかった期間が怖い」という受け止め。心不全が“生活と医療の継続”に敏感な疾患であることを考えると、直感的に理解しやすい反応だ。


2)「原因は何だ」型:感染の後遺症 vs 生活習慣 vs 医療崩壊
Hacker Newsの議論では、コロナが他疾患(心不全など)を“加速させた”境界ケースに触れつつ、死因カウントの解釈やデータの扱いが論点になっている。
この文脈では、「医療の空白期間」「診断遅れ」「救急受診の忌避」などのシステム要因を重視する声が出やすい。


3)“ワクチン論争”型:根拠の薄い断定が拡散しやすい
循環器イベントとコロナワクチンを安易に結びつける投稿や憶測は、過去にも繰り返し問題になってきた。ACCの解説でも、スポーツ選手の心停止などをめぐって誤情報が拡散した経緯や、専門家が正確な情報発信を担う重要性が指摘されている。


実際、SNSでは「単一要因で説明したい」欲求が強く、複合要因(代謝リスク+医療アクセス+感染後影響)という地味で難しい説明ほど届きにくい。だからこそ、今回の報告が強調するように、“新しい単独原因”ではなく「複数の力が同時に働いた」という見立てが、議論の出発点として重要になる。


じゃあ、何をすればいいのか:個人と社会の“二段構え”

心不全死亡の加速は、個人の努力だけで止められる問題ではない。だが、個人と社会の両方で打てる手はある。

  • 個人側:血圧・体重・血糖の“見える化”を習慣にし、症状(息切れ、むくみ、疲労感)の見過ごしを減らす。

  • 社会側:地域差・人種差・所得差が死亡に結びつくなら、一次医療へのアクセス、薬剤の継続、遠隔医療、予防教育などの基盤整備が不可欠になる。デューク大学の指摘も、治療だけでなく予防・早期診断・遠隔ケアを含む総合策を強調している。


パンデミックは、感染症危機であると同時に、慢性疾患の管理を揺さぶる社会危機でもあった。心不全死の加速が示すのは、「病床が空いたら終わり」ではない現実だ。医療の継続、生活習慣の下支え、そして格差を拡げない仕組み。次の危機に備えるうえでも、いま最も地味で、最も重要なテーマがそこにある。 



参考記事

心不全による死亡が米国で新型コロナウイルスのパンデミック以降増加
出典: https://www.ndtvprofit.com/world/heart-failure-deaths-have-accelerated-in-us-since-covid-pandemic

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