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あなたに売りたくない、だから売れる:ダークロースト広告が示した真実

あなたに売りたくない、だから売れる:ダークロースト広告が示した真実

2026年01月08日 00:02

「もしダークローストが苦手なら、これはあなたのためのコーヒーじゃない」。
一見すると、商売としては自殺行為みたいなコピーだ。わざわざ“買うな”と言っているように見える。ところが、Phys.orgに掲載された記事(The Conversationからの転載)は、この“排除する言い回し”が、むしろ本当に相性の良い顧客の心を強くつかむ可能性がある、と報告する。 Phys.org


「買わなくていい」広告が、なぜ効くのか

記事が紹介しているのは、マーケティング研究者たちが提唱する 「dissuasive framing(抑止的フレーミング)」 という発想だ。


普通の広告は「これはあなたにぴったり」と言って背中を押す。でも抑止的フレーミングは逆に、「これは“合わない人”には向いていない」と境界線を引く。 Phys.org


Phys.orgの記事では、例としてコーヒー広告の2パターンが示される。

  • 「ダークローストが好きなら、これはあなたのためのコーヒー」

  • 「ダークローストが嫌いなら、これはあなたのためのコーヒーじゃない」


多くの人は前者のほうが“感じがいい”と思うはずだ。けれど研究では、ダークロースト好きの層に対しては後者(突き放す版)のほうが反応が良かったという。 Phys.org


実験はコーヒーだけじゃない。「サルサ」「マットレス」「歯ブラシ」でも

面白いのは、これがコーヒーの特殊事情ではない点だ。記事によれば、研究チームはコーヒーだけでなく、サルサやマットレスなど複数カテゴリで同様の比較実験を行い、さらに歯ブラシブランドの実際のFacebook広告キャンペーンでも効果を確認したという。画像や本文がほぼ同じでも、見出しの“言い回し”が違うだけでクリックやエンゲージメントに差が出た、とされる。 Phys.org


ここで重要なのは、抑止的フレーミングが「誰にでも効く魔法」ではなく、**“合う人には強く効き、合わない人には効きにくくなる”**という設計思想だということ。広告費を広くばらまいて薄く当てるのではなく、「買いそうな人に濃く当てる」方向へ舵を切る。記事はその戦略的価値を強調している。 Phys.org


逆心理?FOMO?──“効く理由”はそこじゃなかった

「買うなと言われると欲しくなる」
「限定感があるからだ」

こうした説明は直感的で、SNSでも語られがちだ。だが記事では、研究者たちがFOMO(取り残される恐怖)や逆心理といった説明を検証して退けたと述べている。 Phys.org


では何が効いているのか。鍵は、研究者が 「target specificity(ターゲット特異性)」 と呼ぶ知覚だ。


「これは万人向けじゃない」と言い切られると、私たちはその商品を“尖っている=専門性が高い”と感じやすい。すると、ダークローストが好きな人は「このコーヒーは、まさに私の好みに合わせて作られているはずだ」と、**好みと商品属性の一致(フィット感)**をより強く確信する。 Phys.org


言い換えると、抑止的フレーミングは「排除」ではなく、**“ピント合わせ”**に近い。
ピントが合うと、見える景色は急にくっきりする。広告も同じで、対象が明確になるほど「これは自分向けだ」という納得が強まる。


なぜ今この話が刺さるのか:万人受けの限界

記事が突くのは、現代の広告環境だ。SNSやECでは、ほぼ全ブランドが「あなたのため」「あなたに最適」と言う。結果として、受け手からすると“どれも同じに見える”。 Phys.org


その中で「これはあなた向けじゃないかも」と言えるブランドは、逆に自分の商品を理解しているように映る。境界線は冷たさではなく、自信と誠実さとして知覚される場合がある――ここが本稿の核心だ。


とはいえ万能ではない:効きにくい条件もある

Phys.orgの記事は、未解明点(今後の研究課題)にも触れている。抑止的フレーミングが効きやすいのは、味や硬さのように属性が分かりやすく、かつ消費者が自分の好みを把握している状況。逆に、好みが曖昧な人や、購入が自己表現に近い商品ではどうなるかは、今後の検証が必要だという。 Phys.org


つまり「言い切りコピーにすれば全部売れる」ではない。ターゲットの自己理解度、カテゴリの性質、ブランドの立ち位置で、リスクも変わる。



SNSの反応(実際の投稿・コメントから見える“温度感”)

今回の話題は、研究者本人やマーケ界隈の発信を通じてSNS上でも拡散している。とくにLinkedInでは「dissuasive framing」「target specificity」という用語ごと、実務者が噛み砕いて紹介しているのが特徴だ。 linkedin.com


1) 研究者サイド:誇らしさと“仕組み”の説明

共同研究者のKaren Wallach氏は、研究がThe Conversationで紹介されたことを共有しつつ、抑止的フレーミングとターゲット特異性の要点を丁寧に説明している。コメント欄は祝福ムードで、「Woo hoo」「Congrats! fun read」といった短い称賛が並ぶ。 linkedin.com


2) マーケ実務者:数字のインパクトと「使いどころ」議論

ニュースレター系アカウントは、研究を「最大48%」などの数字で要約し、「広告・SNS・商品説明で“誰向けじゃないか”を明示しよう」と実装提案まで踏み込む。 linkedin.com


また別の投稿では「排除は“専門性のシグナル”になる」「ただし非ターゲットには嫌われやすい」というトレードオフもセットで語られ、単なるバズ知識で終わらせない姿勢が見える。 linkedin.com


3) 消費者目線:コーヒー好きの“脳内映像”が止まらない

面白いのは、コメント欄に現れる“感情の動き”だ。あるコメントでは「“Not for you if you don’t like dark roast”なら、もうSOLD!!」と、濃厚なエスプレッソのイメージまで膨らませて反応している。 linkedin.com


これはまさに、研究が説明する「フィット感の増幅」を体現している。境界線を引かれた瞬間、ターゲット側は“自分の好みの輪郭”がくっきりし、欲しい理由を自分で生成してしまう。


4) 直感的な疑問:それって結局、逆心理じゃないの?

一方で、「“not”を使うのはネガティブなのに、なぜ注意を引くのか?」「排他的だから強いのか?」という素朴な問いも多い。 linkedin.com


研究側の主張は「逆心理やFOMOではない」で、焦点は“この商品は誰に最適化されているか”の推論だ。 Phys.org


SNSの疑問は、まさに今後の追加研究や、現場でのA/Bテスト設計(どこまで言い切るか、誰を除外するか)につながる論点でもある。



じゃあ私たちはどう使える?(実務に落とすヒント)

最後に、記事の要点を日常の文脈に翻訳してみる。

  • 「誰でも歓迎」より、「こういう人に刺さる」を明確に
    “全方位に優しい”は埋もれやすい。好みが明確なカテゴリほど、境界線は武器になる。 Phys.org

  • ただし境界線は“ケンカ腰”ではなく、“仕様”として語る
    「嫌いなら来るな」ではなく、「この設計思想だから、合わない人もいる」のトーンが重要。研究の文脈でも、属性と好みの一致を強めるのが肝だ。 Phys.org

  • 非ターゲットを減らす=炎上回避になる場合も、逆もある
    ターゲットが明確なほど強いが、広く好かれたい局面では逆効果もある。ここはテストが必要。 Phys.org


結論:突き放しは“冷たさ”ではなく、精度になりうる

「これはあなた向けじゃない」
その一言が、ターゲットにとっては「ついに私向けが来た」に反転する。


ダークローストの小さな例から見えてくるのは、広告コピーの技巧というより、**“自分の好みを理解している人ほど、境界線に救われる”**という心理だ。 Phys.org


もしあなたが次に何かを売るなら(あるいは自分の発信で誰かに届かせたいなら)、「みんなに向けた言葉」を少しだけ削ってみるといい。代わりに、誰に最適化されているのかを、勇気を持って言い切る。


“万人受け”が飽和した場所では、そのほうが誠実に見えることがあるのだから。 Phys.org


参考記事

「ダークローストが好きでないなら、このコーヒーはあなた向きではありません」:排他的な広告が適切な顧客を引きつける方法
出典: https://phys.org/news/2026-01-dont-dark-roast-isnt-coffee.html

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