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“アップル税”は終わるのか? 控訴裁、Appleを侮辱罪相当で支持—ただし“手数料復活”の抜け道も

“アップル税”は終わるのか? 控訴裁、Appleを侮辱罪相当で支持—ただし“手数料復活”の抜け道も

2025年12月12日 20:29

2025年12月11日(米国時間)、iPhoneのApp Storeをめぐる“長い戦争”に、また一つ大きな節目が刻まれた。舞台はEpic Games(フォートナイトの開発元)が仕掛けたAppleへの訴訟。その控訴審で米第9巡回区控訴裁は、Appleが裁判所命令を“形だけ守って実質は潰す”ような運用をした――という地裁の厳しい認定(民事侮辱)をおおむね支持した。一方で、地裁が科した「外部決済の手数料を一切取ってはならない」という“ゼロ手数料”の縛りは強すぎるとして差し戻し、Appleに「合理的な手数料」を主張する“ドア”も開けた。 AP News


何が争点だったのか:リンクを「許可」して、使えなくする

この争いの核心は、App内課金の決済ルートだ。Epicは2020年、AppleがiOS上のアプリ配布と決済を強く統制し、手数料(一般に15〜30%)を得る構造が競争を阻害するとして提訴。2021年の地裁判断では、独占そのものの主張は退けられつつも、開発者が“App外の購入手段”へ誘導するリンク(いわゆるステアリング)を示せるようにする差し止め命令が出た。 AP News


ところが、命令の後にAppleが提示した“新ルール”が火種になった。報道によれば、Appleは外部リンク経由の購入に対して最大27%のコミッションを課す仕組みを導入し、さらにリンクの見せ方(ボタン不可・文言の制約など)や警告表示で、ユーザーが外部決済へ進む心理的ハードルを上げたとされる。地裁(Yvonne Gonzalez Rogers判事)はこれを「実質的に命令を骨抜きにする行為」とみて、2025年4月にAppleを民事侮辱と判断し、外部決済の手数料徴収を禁じる強い是正措置に踏み込んだ。 Reuters


控訴裁の結論:「侮辱は概ね支持」ただし「手数料ゼロはやりすぎ」

控訴裁のメッセージは単純だ。「Appleが“従ったふり”をした」という地裁の見立ては、大筋で正しい。しかし、「だからといって手数料を永遠に0%にするのは、制裁として鈍器すぎる」。

実際、控訴裁は差し戻しにあたり“合理的な手数料”の考え方まで踏み込んで示した。ポイントはざっくり5つある。 cdn.ca9.uscourts.gov

  1. Appleが取れるのは、外部リンク運用に「真に必要で合理的なコスト」に基づく範囲まで(=取り放題ではない) cdn.ca9.uscourts.gov

  2. 外部決済を許すうえで直接使われる知財(iOS等)について「一定の補償」はあり得るが、既にApp内課金でも使っている部分は按分して“二重取り”にならないよう減らす cdn.ca9.uscourts.gov

  3. ただし「外部リンクのセキュリティ/プライバシー機能」を理由にコミッションを上乗せするのは不可(コスト算入を制限) cdn.ca9.uscourts.gov

  4. 手数料を課すのは、地裁が“適切な水準”を承認してから(承認前に勝手に徴収はできない) cdn.ca9.uscourts.gov

  5. 必要なら専門家の証言や技術委員会のような仕組みで、実コストに近い線を探れ cdn.ca9.uscourts.gov


つまり、「Appleの収益モデルを全否定」でも「Appleの好き放題」でもない。控訴裁は、地裁に“手数料をゼロか/ゼロじゃないか”ではなく、“どこからが『禁止されるほどの抑止的手数料』なのか”を技術・コスト面から設計し直せ、と宿題を投げた格好だ。 cdn.ca9.uscourts.gov


「App Storeの金脈」は守られるのか:Appleにとっての現実

Appleがこの論点にこだわる背景には、App Storeを含むサービス事業が巨大な収益源になっている現実がある。報道では、Appleのサービス部門は年1,000億ドル超の売上規模ともされ、手数料はその中核だ。外部決済が“当たり前”になれば、Appleのテイクレート(徴収率)は構造的に下がり得る。だからこそAppleは、リンクアウトを「許すが使いにくい」形に寄せた――という見方が強い。 AP News


一方で今回の控訴裁判断は、Appleに“時間稼ぎ”を許しにくい。手数料を取りたいなら、必要コストと知財補償を「説明可能な数字」に落とし込み、地裁の承認を取りに行く必要がある。極端に高い率で“封鎖”すれば、また争点になる。 cdn.ca9.uscourts.gov



SNS(/オンライン)の反応:祝杯と冷水が同時に飛ぶ

今回の判決は、SNSで典型的な“真っ二つ”を生んだ。理由は簡単で、判決文が「両方に材料」を渡したからだ。


1) 「Apple税の終わりだ!」—勝利宣言モード

 


最も分かりやすいのはEpic側。Reutersによれば、EpicのTim Sweeney CEOは判決を歓迎し、開発者に「巨額のジャンク手数料」を課すことを禁じる趣旨だと語った。 Reuters


さらにX上でも、Sweeney本人が“米国でも(欧州DMAと同様に)15〜30%の手数料は終わった”という趣旨の強い言葉で発信している。 X (formerly Twitter)


開発者コミュニティ側でも、同様のトーン(「Apple Taxが死んだ」「大きな変化が来る」)を拡散する投稿が見られた。たとえばソフトウェア開発者コミュニティで知られるGergely Orosz氏も、インパクトの大きさを強調する趣旨の投稿をしている。 X (formerly Twitter)


2) 「いや、Appleにも“出口”が残った」—冷静派/警戒派

一方、冷静派が注目したのは“reopens a door(扉が再び開いた)”の部分だ。要するに、地裁の「ゼロ手数料」を控訴裁が否定し、Appleが“合理的”と認められる範囲で徴収できる余地を残した点。
アナリストのNeil Cybart氏はX上で「双方にとって材料がある」趣旨で言及し、リンクアウト自体は維持される一方、手数料徴収の可能性が残ることを示唆している。 X (formerly Twitter)


この温度感は、Apple寄りの読者も多いMacRumorsのコメント欄にも現れた。「OSやエコシステムを使うなら対価は必要」という主張と、「端末を買ったのはユーザーで、Appleが後から課金口実にするのはおかしい」という反論が、同じスレッド内でぶつかり合っている。 MacRumors


3) 「結局、実害はどこまで?」—実務派の論点

さらに実務派が気にするのは、“数字がどうなるか”だ。控訴裁は具体的な%を示していない。しかも「承認までは取れない」「必要コスト以上はダメ」「セキュリティ名目の上乗せは不可」と、Appleの“裁量”をかなり絞る方向で線を引いている。 cdn.ca9.uscourts.gov


結果として、外部決済が広がるかどうかは、「最終的に認められる手数料率」「ユーザー体験(警告表示やUI制約)の運用」「開発者側の導線設計」の三つ巴になる。



これから起きること:地裁で“手数料の設計図”づくりへ

次の焦点は、差し戻しを受けた地裁が「合理的で非抑止的な手数料」をどう描くかだ。控訴裁は、専門家の意見や委員会設置まで示唆し、数字の裏付けを求める姿勢を明確にした。 cdn.ca9.uscourts.gov


Appleにとっては「完全敗北ではない」が、「好きな数字で課金して既成事実化」も難しい。Epicにとっては「侮辱認定の維持で優位」を得たが、「手数料ゼロ確定」という最大の果実は一度テーブルに戻った。


App Storeの“壁”は確かに揺れた。ただ、その亀裂が「誰でも通れる新しい門」になるのか、それとも「通行料付きの細い抜け道」に留まるのか。決めるのは、これからの地裁手続きと、そこで積み上がる“コストの証拠”だ。 AP News


参考記事

控訴裁判所、Appleに対する侮辱罪の判決を支持するも、iPhoneアプリの手数料に関する道を再び開く
出典: https://financialpost.com/pmn/appeals-court-backs-contempt-finding-against-apple-but-reopens-a-door-for-iphone-app-fees

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