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1998年の空気が戻ってきた?AI相場を“信用市場”から読む

1998年の空気が戻ってきた?AI相場を“信用市場”から読む

2025年12月16日 07:57

1) 「AI熱」はドットコムの再来か?まず“似ている”ところ

AI相場を見ていて、多くの人が思い出すのが1999〜2000年のドットコム期だ。WSJの分析(Seeking Alphaが紹介)でも、当時と似た“熱の上がり方”が指摘されている。象徴的な例として、ドットコム期の覇者だったシスコが、2000年3月ピーク当時の水準に「再び到達した」という話が出てくる。ここで言いたいのは、シスコが悪い企業だという話ではない。優良企業であっても、株価が現実から乖離しうるという“相場の教訓”だ。 Motley Fool Community


割高感を示す指標も、連想を後押しする。たとえばCAPE(シラーPER)は40台にあり、歴史的に見ても高水準だ(ドットコム期を想起させる位置づけになりやすい)。 Multpl


さらに、投資の「地殻変動」も似ている。ドットコム期は通信インフラ(光ファイバー)への過剰投資が語り草になったが、WSJ分析の抜粋では、当時“1000億ドル超”が新しい通信網に投じられ、需要が追いつかず「10年近く眠った」部分があったと振り返っている。そして今、その役を演じているのがデータセンターと計算資源(GPU/サーバー)だ──投資額は「兆(trillion)単位」の数字さえ飛び交い、経済学者がGDP成長への寄与を語るほど、という。 Motley Fool Community


2) ただし“今回は違う”のも本当。最大のねじれは「利益がある」こと

ここが、2025年のAI相場を単純に“ドットコム2.0”と断定できない理由だ。FRB議長のパウエルは、記者会見で「当時と違う」と明確に線を引き、(特定社名は避けつつも)AI投資を主導する企業には「収益」「ビジネスモデル」「利益」があると述べた。 Multpl


この発言がSNSで拡散されやすいのは、内容が“市場心理のど真ん中”を突いているからだ。LinkedIn上でも、パウエルのこの趣旨を引用しながら「AI支出はドットコムの投機とは違う」とする投稿が多数見られる。 LinkedIn


言い換えると、AIは“物語だけで買われている局面”ではなく、少なくとも大企業側には現金創出力がある。この一点だけでも、1999年のスタートアップ乱立期とは地盤が違う。


3) それでも不安が消えない理由:ねじれ①「供給主導の膨張」

一方で、バブル警戒論が消えないのも事実だ。たとえば投資家マイケル・バリーは「AIバブルがいつ弾けるかは予測できない」としつつ、データセンター建設やGPU発注が“需要”ではなく“供給サイドの熱”として積み上がっている、という問題意識を示している。 Business Insider


ここで怖いのは、「投資が増えている=需要が強い」という錯覚だ。工事が進む、設備が入る、サプライチェーンが潤う。数字だけ見れば景気が良い。しかし、最終的に“誰が”“いくら払って”使うのかが伴わなければ、設備投資は“先食い”になりうる。


4) ねじれ②「信用(デット)市場」が主役に戻る

今回のもう一つの“ひねり”は、株式よりも債券・クレジット市場の温度が、AI投資の持続性を左右しやすい点だ。

AI投資が膨らむほど、必要な資金調達も増える。ここで、現金で賄える企業は強いが、外部資金への依存が高まると市場の見方が変わる。実際、ブリッジウォーターのグレッグ・ジェンセンは、ビッグテックがAI拡張の資金を「外部資本」に頼る度合いが増すのは危うい、と警鐘を鳴らしている(UBSの数字として資金調達が2024年から2025年にかけて急増したことにも触れている)。 Reuters


また、運用会社SiebertのCIOマーク・マレックは、AIの「兆ドルの約束」が“負債とCAPEX(設備投資)の不都合な算数”にぶつかっている、と表現し、物語よりバランスシートの時代に戻りつつあると論じる。 blog.siebert.com


「株は夢を買えるが、債券は利息と元本を返してもらわないと困る」。この構造上、クレジットの目線が厳しくなるほど、AI投資は“資金の値段”に縛られていく。


参考までに、VC界隈の分析でも、2025年のハイパースケーラーによる社債発行が大きく増えた、という整理がある(※これは一次データではなく、公開情報の集計・解釈として読むのが安全)。 Tomasz Tunguz


5) ねじれ③「個人投機」が、また戻ってきた

ドットコム期の熱狂を“最後に押し上げた燃料”の一つが、個人の投機だった。WSJ分析の抜粋が投資家コミュニティで引用された投稿でも、「個人が取引を支配し、小型の赤字株に賭ける」現象が再び目立つ、とされている。 Motley Fool Community


ここで興味深いのが、小型株指数の違いだ。たとえばS&P SmallCap 600は、組み入れに「直近四半期と直近4四半期合計の黒字」など収益要件(=簡易的な“利益フィルター”)を持つ一方、より広い小型株集合には赤字企業が多い、という整理がある。 Schwab Brokerage


要するに、“儲かっていない方が夢がある”銘柄に資金が集まりやすい地合いが出てくると、相場は一段と不安定になる。


6) SNSの反応:大きく分かれる「今回は違う」vs「コピー&ペースト」

今回おもしろいのは、SNS上の反応が綺麗に割れていることだ(以下は一部投稿の例示)。

  • 「今回は違う」派
    パウエルの「利益がある」「ビジネスモデルがある」という趣旨を引用し、AI投資を“実体経済の設備投資”として肯定的に捉える投稿が多い。 LinkedIn

  • 「歴史は繰り返す」派
    あるLinkedInコメントでは、2000年の「評価はどうでもいい」的な空気と2025年のAI熱を重ねて、「History isn’t repeating. It’s copy-pasting.」(歴史は繰り返さない、コピペしているだけだ)と断じている。言い回しが強いほど、拡散されやすいのもSNSの特徴だ。 LinkedIn

  • 「AIは本物、相場は別物」派(中間)
    バリーのように「崩壊の時期は読めない」としつつ、供給主導の膨張(データセンターやGPUの“積み上げ”)に警戒するトーンも広がる。 Business Insider

  • コミュニティ型SNSでは“個別論点”が深掘りされる
    投資家コミュニティでは、(1) バリュエーション、(2) インフラ過剰投資、(3) 個人投機、(4) 信用収縮時の連鎖(マージンコール等)といった“崩れ方のメカニズム”に話が寄りやすい。 Motley Fool Community


7) 結論:AIは“勝つ”かもしれない。でも相場が“勝つ”とは限らない

ドットコムの教訓はシンプルだ。技術は勝っても、投資家が買った価格は救われないことがある。
そしてAI相場の“ねじれ”は、まさにそこにある。


  • 今回は大企業が利益を持つ(=土台は強い)。 Multpl

  • しかし投資が巨大化し、供給主導の膨張や、信用市場の揺れ、個人投機の再燃が重なると、相場は別の顔を見せる。 Business Insider

  • 最終的に問われるのは、「設備投資が生んだ計算資源」が“実需の支払い”に変換される速度だ。


AIが革命である可能性と、AI相場がバブルである可能性は両立する。だからこそ、SNSの議論が過熱する。結局のところ、2025年のAI熱を読み解く鍵は、「技術の正しさ」よりも、「資金の回り方(キャッシュ・負債・信用)」にある。



参考記事

AIブームはドットコム時代を彷彿とさせるが、いくつかの重要な違いがある:WSJ分析
出典: https://seekingalpha.com/news/4531251-ai-fever-echoes-dot-com-era-but-some-key-twists-wsj-analysis?utm_source=feed_news_all&utm_medium=referral&feed_item_type=news

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