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なぜAIを愛する人と憎む人が生まれるのか:脳科学とSNSが示す分断 - 透明性・選択権・説明責任の設計論

なぜAIを愛する人と憎む人が生まれるのか:脳科学とSNSが示す分断 - 透明性・選択権・説明責任の設計論

2025年11月05日 00:15

1. きのう読んだ1本が、今日のもやもやを言語化した

2025年11月3日(現地)にPhys.orgへ再掲された記事は、AIを「好き」な人と「嫌い」な人がなぜ生まれるのかを、脳のリスク・信頼の知覚から解きほぐした。論点は平明だが鋭い——人は理解できるものを信頼する。逆に、入力と出力のあいだの道筋が見えない「ブラックボックス」は不安の温床になる、というわけだ。記事は、アルゴリズムの失敗に対し人が抱きがちな厳しさ(いわゆる「アルゴリズム嫌悪」)や、AIに人間的意図を読み込んでしまう傾向(擬人化)、そしてアンカニー・バレーの違和感まで、心理学の論点を一気通貫で整理する。要するに「AIの問題」というより、しばしば「人間の心の問題」なのだ。 phys.org


2. 「期待違反」はなぜ痛いのか——アルゴリズム嫌悪の根っこ

人は人間のミスには寛容だが、機械のミスには厳しくなる。期待違反理論から見れば当然で、私たちは機械に「論理的で公正で、ほぼ誤らない」という暗黙の期待を置きがちだ。いざ外すと「それなら人間の方がまだ問い返せる」と感じてしまう。アルゴリズム嫌悪(algorithm aversion)は、この心理を定式化した概念で、同等の誤りでも、機械の方が信頼を失いやすいと説明する。百科事典的な整理でも同趣旨が確認でき、現場の体感に妙に合う。 ウィキペディア


3. 「心がない」ものに、私たちは“心”を投影する

記事が強調するのは、合理性だけでは人は安心しないという事実だ。声色や表情、視線や間合い——人は言葉の外にある情緒の手がかりを読み取って信頼を築く。ところがAIはそこが苦手だ。怒らず、疲れず、ためらわないことは、時に「冷たい」と見なされる。似て非なる存在が生む違和感、すなわちアンカニー・バレーも背景にある。こうした“感情の空白”が、AIに対する不気味さの感情を助長する。 phys.org


4. アイデンティティの脅威——「仕事が奪われる」以上の痛み

職種によっては「置き換えられる」感覚が、単なる効率化以上の反発を呼ぶ。教師、ライター、弁護士、デザイナー——時間をかけて磨いた技能に「等価品」が現れた、と感じる瞬間、自己像が揺らぐ。社会心理学が言うアイデンティティ脅威だ。ここでは合理的な技術評価と、存在論的な不安が絡みあう。記事は、反発が単なる保守性ではなく心理的防衛でもあることを示唆する。 phys.org


5. SNSは何を増幅しているか——歓迎も反発も“本音”が可視化

では、SNSでの空気はどうか。XやReddit、ニュースコメント欄を眺めると、効率・創造性を評価する「歓迎派」と、雇用やバイアス、ガバナンス不信を強調する「懸念派」が同居し、言及の焦点が異なることが分かる。


  • 歓迎派の典型:
    「リサーチや文案の初速が桁違い」「“相棒”としてのAIで孤独が緩和された」という使用感の共有。制作・開発の“素振り”に使い、最終判断は人がするという線引きを評価する声も多い。

  • 懸念派の典型:
    「AIの失敗は説明不能で怖い」「誤情報や著作権の境界が曖昧」「企業・規制当局を信用できない」。とくにRedditでは「テック企業も規制も頼れない」という一般的な不信がたびたび露呈する。 Reddit

さらに報道ベースの世論も、**“期待と不安のせめぎ合い”**を裏づける。米国では2025年秋、AIへの懸念が2022年比で増加したとの報道が続いた。ジョブリスクや“要らぬ自動化”への嫌悪、AI要約への懐疑——「便利」と「怖い」の同居である。英国でも、AIを機会より経済リスクとみる層が上回るとの調査が話題になった。新しさより「腑に落ちること」を人は重視する。 The Washington Post


6. 反AIだけどAIも使う——2025年の“抵抗”のリアル

興味深いのは、AIに抵抗的だと自己規定する人々の多くが、実際には部分的にAIを使っている点だ。学生や開発者、クリエイターの一部には、倫理・正確性・雇用不安を理由に距離を置くムーブメントがある一方、完全回避は難しく「限定用途で併用」する現実がある。テクノロジーの受容は二値ではない。心理学的には、選択権の喪失感こそが不信の燃料になっている、と解釈できる。 Axios


7. メディア拡散の足どり:記事はどう読まれたか

今回のPhys.orgの再掲は、The Conversationの原稿を基にしている。同趣旨の記事は他メディアにも配信・転載され、露出は広がった。SNS上の直接リンク数自体は爆発的ではないが、コメント欄や転載先での議論が「賛否両輪」で回っているのは、ここまで見た通りだ。 phys.org uk.news.yahoo.com


8. “仕組みを見せる”だけでは足りない——信頼設計の3原則

記事は「ブラックボックスから会話へ」という比喩を用いる。ここから、製品・サービス設計の原則を3つに絞ってみよう。 phys.org

  1. 透明性(Transparency)
    「何を・どのデータで・どう扱い・どんな限界があるか」を初期接触で明確に。専門用語の羅列ではなく、結果が揺れる条件や“苦手パターン”を前置きする。

  2. 可問性(Interrogability)
    結果に“問い返せる”余地を。根拠の要約、代替案、エラーの自己申告。ユーザーが「なぜ?」を投げられるUIは、期待違反の痛みを和らげる。

  3. 選択権(Agency)
    既定値の自動化ではなく、オプトイン/粒度の設定/撤回の容易さを確保。ユーザーが「自分のペースで」委ねられることが、受容の最大の鍵になる。


9. 現場実装のメモ——プロダクト/政策の両輪

  • プロダクト側

    • 重要タスクでは“二段ロック”:AI案→人間の最終承認。

    • モデルの自信度と不確実性の可視化を標準装備。

    • 監査ログと説明の再現性を残す(「同じ入力なら同じ説明」が原則)。

    • 「やらない自由」を残す:常時オンのAI要約や“サジェストの押し付け”は避ける。

  • 組織・教育側

    • 従業員・学習者に**“AI依存の副作用”**(思考停止、誤学習)を含むデジタル・コンピテンシーを教える。

    • 生成物の出所表示(AI関与の開示)と、重要判断への対人責任の所在を制度化。

    • 公共部門は説明可能性と救済手段を必須要件に(クレジット・採用・医療の自動判断など)。


10. 二極化の先へ——“合意できる最低限”を探す

AIを礼賛する必要も、全面否定する必要もない。私たちに必要なのは、「どんな条件なら任せられるか」という合意可能な閾値だ。

  • データの出所が示されること

  • エラー時の救済が用意されていること

  • 重要判断は人間に戻せること

  • 「使わない」選択が尊重されること

この最低限が満たされるとき、AIは**“見えないブラックボックス”から“納得できる相棒”へ**近づく。最新報道やSNSの温度感は、まさにそこを求めている。便利さと不安が同居する現実を直視し、問い返せる関係を設計する。それが、好悪の分断を越える唯一の処方箋だ。 The Washington Post



参考・出典(本文で参照)

  • Phys.org再掲(2025年11月3日):AIへの好悪を左右する心理(ブラックボックス、擬人化、期待違反など)。 phys.org

  • アルゴリズム嫌悪の概念整理。 ウィキペディア

  • SNS世論の一端(RedditのAI不信スレッド)。 Reddit

  • 世論動向(米国の懐疑拡大)。 The Washington Post

  • 英国の「機会よりリスク」傾向。 The Guardian

  • 同主旨記事の転載状況(Yahooなど)。 uk.news.yahoo.com


参考記事

なぜAIを愛する人もいれば、嫌う人もいるのでしょうか?その答えは、私たちの脳がリスクと信頼をどのように認識するかにあります。
出典: https://phys.org/news/2025-11-ai-brains.html

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