毎日卵を食べると長生き？最新研究が示す驚きの健康効果

はじめに

卵は、古くから多くの文化で重要な食品とされてきました。 日本でも、朝食や料理の材料として日常的に消費されています。 しかし、近年ではコレステロール値との関連から、卵の摂取を控えるよう推奨されることもありました。 そんな中、2025年に発表されたオーストラリアの研究が、卵の摂取と健康との関係に新たな視点を提供しています。

研究の概要

この研究は、オーストラリアのモナシュ大学が主導し、70歳以上の8,756人の高齢者を対象に行われました。 参加者は、卵の摂取頻度に基づいて「ほとんど摂取しない（月1〜2回）」「週に1〜6回」「毎日」の3つのグループに分類されました。 約6年間の追跡調査の結果、週に1〜6個の卵を摂取するグループでは、全死亡リスクが17%、心血管疾患による死亡リスクが29%低下していることが明らかになりました 。

卵の栄養価

卵は、以下のような栄養素を豊富に含んでいます：

• 高品質なタンパク質

• ビタミンB群（B2、B6、B12）

• 葉酸

• 不飽和脂肪酸

• 脂溶性ビタミン（E、D、A、K）

• コリン

• ミネラル（鉄、亜鉛、セレンなど）

これらの栄養素は、筋肉の維持、神経機能のサポート、免疫力の強化、心血管の健康維持など、さまざまな健康効果をもたらします。

食事の質との関係

研究では、卵の摂取と食事の質との関係も調査されました。 その結果、食事の質が中程度から高い高齢者が週に1〜6個の卵を摂取すると、心血管疾患による死亡リスクが33%から44%低下することが示されました 。 これは、卵の摂取が健康的な食生活の一部として機能する可能性を示唆しています。

毎日の摂取はどうか？

一方で、毎日卵を摂取するグループでは、全死亡リスクや心血管疾患による死亡リスクの低下は統計的に有意ではありませんでした。 これは、過剰な卵の摂取が必ずしも健康に良いとは限らないことを示しています。 適度な摂取が重要であることが再確認されました。

コレステロールとの関係

卵はコレステロールを多く含む食品として知られていますが、最近の研究では、食事からのコレステロール摂取が血中コレステロール値に与える影響は限定的であることが示されています。 また、卵の摂取が心血管疾患のリスクを必ずしも高めるわけではないことも報告されています。 この研究でも、週に1〜6個の卵の摂取が心血管疾患による死亡リスクの低下と関連していることが確認されました。

日本人への適用

日本人の食生活は、魚や野菜を多く含むバランスの取れたものであり、卵の摂取も一般的です。 この研究の結果は、日本人の高齢者にも適用可能であると考えられます。 特に、筋肉量の維持や栄養不足の予防が重要な高齢者にとって、卵は手軽で栄養価の高い食品として有用です。

結論と今後の展望

この研究は、適度な卵の摂取が高齢者の健康維持に寄与する可能性を示しています。 特に、週に1〜6個の卵を摂取することが、全死亡リスクや心血管疾患による死亡リスクの低下と関連していることが明らかになりました。 今後、日本の食事ガイドラインの見直しや、高齢者の栄養指導において、卵の摂取が再評価されることが期待されます。

この研究の詳細は、以下のリンクからご覧いただけます：

• Nutrients誌に掲載された研究論文

参考記事