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猫は縦、羊は横 — 羊とヤギの“四角い瞳”は、草食動物の最適解だった

猫は縦、羊は横 — 羊とヤギの“四角い瞳”は、草食動物の最適解だった

2025年12月15日 10:53

「その目、怖っ!」から始まる進化の話

羊やヤギの目を真正面からのぞき込んだことがある人は、たいてい一度はギョッとする。黒目が“丸”ではなく、横に伸びた長方形——まるでスキャナーのバーコード読取部みたいに見えるからだ。けれど、あの形はホラー演出でも都市伝説でもなく、牧草地で生き残るために研ぎ澄まされた「逃げる側のデザイン」だ。 IFLScience


横長の瞳孔が得意なこと:地平線のパノラマを“明るく”見る

羊・ヤギのような反芻動物(ルーメンで食べ物を反すうする仲間)は、捕食者に狙われやすい。そこで重要になるのが「早期発見」。目が頭の横についているだけでも視野はぐっと広がるが、横長の瞳孔はその“広い視野”をさらに実用的にする。


UCバークレーの視覚研究者マーティン・バンクスらは、横に伸びた瞳孔が、前後左右方向からの光を取り込みやすくし、パノラマ視界を助けると説明している。IFLScienceでも、頭の側面の目と相まって「ほぼ360度」周囲を見回せること、そして横長であるほど左右方向の見えが良くなる趣旨が紹介されている。 IFLScience


ただ“広い”だけじゃない:上からのまぶしさを抑え、地面を見やすくする

横長の瞳孔のポイントは「横に長い=縦に薄い」こと。縦方向に細い開口は、上からの強い光(太陽光)による“まぶしさ”を抑え、地面の見えを保つのに役立つ、という考え方が示されている。草食動物にとっては、捕食者を見つけるだけでなく、“逃走ルートの地面”を見失わないことも死活問題だ。 Phys.org


「逃げるときに足元が見える」問題を解く:水平輪郭をシャープに

IFLScienceで紹介されているバンクスのコメントでは、瞳孔が縦に細いことが“水平の輪郭”をシャープにし得る点にも触れている。つまり、地面の起伏や障害物のエッジを把握しやすくなり、全力疾走や急旋回のときに脚を置く場所を選びやすい、というわけだ。 IFLScience


草を食べるとき、目が回る:瞳孔を「地面と水平」に保つ眼球回旋

ここが面白いところで、もし瞳孔が“ただ横長なだけ”なら、草を食べるために頭を下げた瞬間、瞳孔の向きも一緒に傾いてしまう。すると“地面と平行な横長”というメリットが薄れる。


ところが観察では、ヤギやレイヨウなどの放牧性の被食動物が頭を下げると、眼球が回転して瞳孔の水平を保つ。さらに別観察では、こうした草食動物は片目あたり50度以上回旋でき、人間よりずっと大きい可動域だとされる。 Phys.org


猫は“縦長”、羊は“横長”:瞳孔の形は職業(生態)で決まる?

なぜ「縦」か「横」か。研究紹介では、陸上動物214種の分析で、瞳孔の形が生態的地位(捕食者か被食者か、狩りの仕方など)と強く結びつくことが示された。縦長のスリットは昼夜活動する待ち伏せ型の捕食者に多く、横長は草食の被食動物に多い。丸い瞳孔は“追いかけて狩る”タイプ(active foragers)に関連づけられている。 Phys.org


縦長スリットには、暗所〜日中までの明るさの差に対応しつつ、距離推定(立体視やボケなどの手がかり)を稼ぐ面がある、という説明も紹介されている。また「小型で地面に近い捕食者ほど縦長が多い」傾向も述べられている。 Phys.org


例外もある:ルール破りの“マングース”

ただし自然はいつも整然としていない。IFLScience記事では、一般則(捕食者=縦、被食者=横)から外れる存在として、捕食性が強いのに“羊っぽい瞳孔”を持つマングースが挙げられている。「この動物は説明に合わない」という研究者コメントも紹介され、瞳孔形状の進化にはまだ“余白”があることを匂わせる。 IFLScience



SNSの反応:怖い、かわいい、合理的…コメントが割れる理由

羊やヤギの四角い瞳孔は、SNSで定期的にバズる「知ったら誰かに言いたくなる系」ネタだ。反応は大きく分けて3タイプに分かれる。


1) 「悪魔みたい」「ちょっと怖い」派

形が人間の常識から外れているぶん、直感的には“異質”に映る。特に寄りの写真はインパクトが強く、「ホラー」「ファンタジーの魔物感」という言い回しが出やすい。


2) 「合理的すぎて好き」派(機能美に沼る)

一方で理由を知ると掌返しが起きる。「怖い」→「むしろ賢い」へ。Redditの科学系スレでも、横長は周辺視野を稼ぐため、頭を下げても瞳孔が水平になる、といった説明がカジュアルに共有されている。たとえば次のようなやり取りがある。 Reddit


“In combination with their eyes being on the sides of their head, this gives them almost 360° vision.” Reddit
“Their eyes will also rotate in their sockets… so the pupils will always remain level to the ground.” Reddit


3) 「じゃあ猫は?人間は?」と比較が始まる派

拡散の勢いがつくと必ず起こるのが“比較の連鎖”だ。「猫の縦長は距離感のため?」「大型ネコは丸いの?」「人間の丸い瞳孔は何に向く?」と話題が広がり、瞳孔=生態の名刺、みたいな理解に進む。研究紹介でも、縦長が小型の待ち伏せ捕食者に多いこと、大型の捕食者では丸いことがある、という指摘が出てくるため、「サイズで変わるの面白い」という方向に伸びやすい。 Phys.org



まとめ:四角い瞳は“牧草地のサバイバル装置”

羊やヤギの瞳孔が横長なのは、見た目の奇抜さとは裏腹に、かなり現実的な最適化の結果だ。広い視界で危険をいち早く察知し、上からのまぶしさを抑え、地面の輪郭を見失わず、草を食べる姿勢でも瞳孔の向きを維持する。
次に牧場や動物園で羊やヤギを見かけたら、ぜひ“目の形”から彼らの暮らしを想像してみてほしい。怖さはたぶん、機能美に変わる。 IFLScience


参考記事

羊とヤギの瞳孔が四角いのはなぜ? - IFLScience
出典: https://www.iflscience.com/why-do-sheep-and-goats-have-rectangular-pupils-81877

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