メインコンテンツにスキップ
ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア ロゴ
  • 記事一覧
  • 🗒️ 新規登録
  • 🔑 ログイン
    • English
    • 中文
    • Español
    • Français
    • 한국어
    • Deutsch
    • ภาษาไทย
    • हिंदी
クッキーの使用について

当サイトでは、サービスの向上とユーザー体験の最適化のためにクッキーを使用しています。 プライバシーポリシー および クッキーポリシー をご確認ください。

クッキー設定

クッキーの使用について詳細な設定を行うことができます。

必須クッキー

サイトの基本機能に必要なクッキーです。これらは無効にできません。

分析クッキー

サイトの使用状況を分析し、サービス向上に役立てるためのクッキーです。

マーケティングクッキー

パーソナライズされた広告を表示するためのクッキーです。

機能クッキー

ユーザー設定や言語選択などの機能を提供するクッキーです。

マダニ媒介の新興感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」最新動向と対策

マダニ媒介の新興感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」最新動向と対策

2025年06月14日 13:38

目次

  1. SFTSとは何か

  2. 病原体・感染経路の解明

  3. 症状と臨床経過

  4. 日本国内の最新統計と地域分布

  5. アジア・世界の発生動向

  6. 治療法とワクチン開発の現状

  7. 予防策:個人・社会・飼育動物

  8. 高リスク層と重症化因子

  9. 医療現場・獣医現場での感染対策

  10. 今後の展望とまとめ



1. SFTSとは何か

SFTS(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome)は、フェヌイウイルス科バンダウイルス属のSFTSウイルス(SFTSV)が引き起こす重症熱性出血熱で、2009年に中国で初報告され、2013年に日本でも確認された新興感染症である。主な特徴は高熱、血小板減少、白血球減少、多臓器障害で、致死率が高い点が最大の脅威だ。mhlw.go.jpwwwnc.cdc.gov


ウイルスの分類と特性

  • 三分節マイナス鎖RNAゲノムをもつ。

  • 六つの主要遺伝子型(A〜F)に分かれ、地域ごとに優勢型が異なる。wwwnc.cdc.gov

  • 潜伏期は6〜14日。



2. 病原体・感染経路の解明

マダニ媒介

日本ではフタトゲチマダニ、タカサゴキララマダニなど複数種が媒介し、近年は非在来種H. aborensisによる人感染も報告された。wwwnc.cdc.gov


その他のルート

  • ヒト-ヒト感染:血液・体液との直接接触による院内感染が国内で初確認(2024年)。niid.go.jp

  • 動物-ヒト感染:発症した猫・犬から飼い主へ感染する事例。



3. 症状と臨床経過

発熱、消化器症状(嘔吐・下痢)、頭痛、筋肉痛に始まり、進行すると出血傾向、意識障害、DICを伴い致死的となる。国内致命率は約27%と報告され、高齢者・基礎疾患保有者が重症化しやすい。niid.go.jp



4. 日本国内の最新統計と地域分布

指標数値(2025/1/31時点)出典
累計報告数1,058例niid.go.jp
男女比1:1niid.go.jp
年齢中央値75歳niid.go.jp
致命率27%niid.go.jp



最も報告が多い都道府県は鹿児島、宮崎、愛媛、高知など西日本が中心。一方、関東以北でも散発例がある。2024年には北海道で非SFTSウイルスのダニ媒介脳炎複数症例も報告され、ダニ媒介感染症全体のリスクが議論された。niid.go.jp



5. アジア・世界の発生動向

  • 韓国・中国:毎年数百件規模の届出が続く。

  • 東南アジア:タイでは急性熱性疾患患者の1.6%でSFTSV RNAが検出され、げっ歯類・チグリダニでも感染が確認。wwwnc.cdc.gov

  • WHOの位置づけ:SFTSはワクチン未整備で致死率が高いため、優先度の高い新興感染症として研究が推進されている。iris.who.int



6. 治療法とワクチン開発の現状

  • 支持療法が基本:輸液、血小板輸血、臓器サポート。

  • 抗ウイルス薬候補:リバビリンは効果不十分。2024年に条件付き承認されたファビピラビルの有効性は症例報告段階。mhlw.go.jp

  • ワクチン研究:DNAワクチン、VLPワクチンが前臨床段階。



7. 予防策:個人・社会・飼育動物

個人ができる対策

  1. アウトドア時の肌露出防止:長袖長ズボン、足首を覆う靴下。

  2. 忌避剤(ディート・イカリジン)使用。

  3. 帰宅後のマダニチェック:入浴時に全身を確認。

  4. 野良猫・犬への不用意な接触回避。

  5. 症状出現時は早期受診。

飼育動物

ペットは動物病院でダニ駆除薬を定期処方し、散歩帰宅時のブラッシングを習慣化。

社会インフラ

地方自治体は草刈り・看板設置で啓発を強化。在来種以外のマダニ監視も急務。




8. 高リスク層と重症化因子

高齢者、糖尿病・心血管疾患・免疫抑制状態の人は致死率が高い。農林業従事者やアウトドア愛好家は曝露リスクが高いため、地域医療は啓発と早期診断体制を整える必要がある。mhlw.go.jp




9. 医療現場・獣医現場での感染対策

SFTS疑い患者の血液・体液を扱う際は標準予防策に加え、接触・飛沫対策を徹底する。ネコから獣医師への感染報告もあり、獣医現場でもPPEが必須。mhlw.go.jp




10. 今後の展望とまとめ

  • 気候変動と野生動物生息域拡大により、非在来マダニ種も含めたSFTSリスクが全国化する可能性。

  • 医薬品開発は国際連携が進むものの、臨床エビデンス確立には時間を要する。

  • 市民レベルのダニ回避行動と早期医療介入が現実的かつ即効性のある対策。


SFTSは局地的流行から全国的懸念へとフェーズが移行しつつある。国内外の最新情報を共有し、行政・医療・市民が一体となってダニ媒介感染症対策を推進することが重要だ。




参考記事一覧

  • 厚生労働省『重症熱性血小板減少症候群(SFTS)診療の手引き 2024年版』mhlw.go.jp

  • 国立感染症研究所『感染症発生動向調査で届出られたSFTS症例の概要(2025年1月31日現在)』niid.go.jp

  • CDC Emerging Infectious Diseases『Comprehensive Surveillance of SFTS Virus, Thailand 2015-2021』wwwnc.cdc.gov

  • CDC Emerging Infectious Diseases『Transmission of SFTS Virus to Human from Non-indigenous Tick Host, Japan (2024)』wwwnc.cdc.gov

  • NIID『日本で初めて確認されたSFTSのヒト-ヒト感染症例』niid.go.jp

  • WHO R&D Blueprint『Priority Emerging Diseases List(SFTS項目)』iris.who.int

← 記事一覧に戻る

お問い合わせ |  利用規約 |  プライバシーポリシー |  クッキーポリシー |  クッキー設定

© Copyright ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア All rights reserved.