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学校に「アイドル部」ができる時代──応援の楽しさと、未成年が背負うリスク、そして未来

学校に「アイドル部」ができる時代──応援の楽しさと、未成年が背負うリスク、そして未来

2026年01月06日 15:52

1. 「学校のアイドル部」が“ニュース”になる理由

これまで日本の学校の部活動といえば、野球部や吹奏楽部、軽音部、ダンス部などが定番だった。ところが近年、「アイドル」を正面から掲げる部活やコースが登場し、全国的に話題になるケースが出てきた。象徴的なのが、長野県の高校で来年度から“プロのアイドル育成”を掲げた「アイドル部」が創設されるという報道だ。指導に外部のダンススクール講師が関わり、入部後にライブ活動やメディア出演、楽曲制作など、一般的な部活動の枠を超えた活動が想定されている点が注目を集めた。 テレ朝NEWS+2ABEMA TIMES+2


さらに同じ長野県では、学校公認のグループが実際に活動しており、学校側が“夢の受け皿”として環境を整える動きも見えている。高校のサイトでも、在学中にアイドル活動を行い、レッスンだけでは学びにくいスキルを身につける趣旨が明記され、外部のエンタメ企業と連携する形も示されている。 佐久長聖中学・高等学校


この現象がニュースになるのは、単に珍しいからだけではない。学校が「教育の場」として子どもを守る責任を負う一方で、アイドルは本質的に“見られる・評価される・消費される”側面を持つ。そこに未成年が関わるとき、応援の熱量と同じだけ、リスク管理の設計が問われるからだ。



2. 世界に向けて説明する「日本の部活動」と「アイドル文化」

海外の読者にとって、日本の「部活動(クラブ活動)」は独特に映るかもしれない。放課後や休日に、学校単位で継続的に練習し、大会や発表会を目指す。顧問教員が責任者となり、学校の教育活動の一部として位置づくことが多い。


一方、日本の「アイドル」は、歌やダンスの技術だけでなく、ファンとの関係性、物語性、成長過程そのものを魅力として成立する文化だ。応援の仕方(いわゆる“推し活”)も、ライブ参加、グッズ購入、SNS拡散など多層的で、ファンコミュニティの力学も強い。


この二つが学校の中で結びつくと、

  • 教育活動としての安全配慮

  • 人気商売としての露出・収益・評価
    が同時に発生しやすい。ここに「学校アイドル」という新しい難しさがある。



3. なぜ今、学校が“アイドル”を取り込むのか

学校側がアイドル活動を制度化する背景には、いくつもの要因が重なっている。


(1)SNS時代の“発信”が前提になった

活動を動画や写真で発信し、見てもらい、応援してもらう──この流れが当たり前になった。特に地域の学校にとって、活動の可視化は学校の魅力発信にもつながる。


(2)「表現教育」「キャリア教育」との接続

ダンス、歌、MC、企画、広報、映像制作、衣装やメイク、ファンコミュニケーション。アイドル活動には、実は多くの実務スキルが含まれる。学校や関係者が、それを“将来に生きる学び”として整理しやすくなっている。


(3)少子化・学校広報・地域活性の文脈

学校が特色を打ち出す必要性が高まる中で、強化指定の部活(スポーツ特待など)と同じように、表現分野の強化が打ち出されることもある。実際に「強化クラブ」扱いで創部されたという報道もある。 FNNプライムオンライン



4. 現役生徒が感じる「応援される楽しさ」

報道では、活動する生徒が「応援してくれる日々がすごく楽しい」と語る文脈が紹介されている。 テレ朝NEWS+1
この感覚は、部活の達成感とは少し違う。勝ち負けや点数だけではなく、誰かが自分の存在を“見つけてくれる”ことが直接的な喜びになる。


ここには確かな価値がある。

  • 人前で表現する力

  • チームで一つの作品を作る力

  • 継続的な練習・自己管理

  • 失敗を糧にする回復力(レジリエンス)


ただし、この「応援」は、常に温かいものだけではない。注目が集まるほど、批判や揶揄、過剰な接近も増える。だからこそ“楽しさ”を守る仕組みが必要になる。



5. 元アイドルが語る「リスク」は、どこに潜むのか

今回の議論で焦点になったのは、未成年が活動することのリスクだ。 テレ朝NEWS+1
リスクは大きく分けて、次の6領域に整理できる。


リスク①:時間と健康(学業・睡眠・ケガ)

アイドル活動は、練習だけでなく、移動、リハーサル、撮影、SNS更新など“見えない仕事”が多い。学業と両立すると、睡眠不足や慢性的な疲労に直結する。

さらに、イベントが夜に終わりがちな点も課題だ。法制度上、18歳未満の深夜業(午後10時〜午前5時)は原則として禁止される。 都道府県労働局+1
ただし、芸能活動が「労働者」に当たるかどうかはケースで扱いが変わり得る、という指摘もある。だから現場では、事務所・放送局などが自主的に時間制限を設ける例も語られている。 ビジネスと人権課題解決 NPO法人ACE
学校が関与するなら、「法律に触れなければOK」ではなく、“子どもの生活を壊さない”基準が必要だ。


リスク②:SNS・ファンとの距離(誹謗中傷、ストーカー化)

学校アイドルの最大の特徴は、活動拠点が“学校”であることだ。地域名や制服、通学路の情報が断片的に出るだけで、個人の特定リスクが上がる。誹謗中傷も起きやすい。


リスク③:個人情報・肖像の管理(撮影・拡散)

学校行事でも問題になるのが、撮影と公開だ。文部科学省の資料でも、生徒の個人情報を公開する場合は本人・保護者の同意に基づき、必要最小限であるべきことが述べられている。 文部科学省
アイドル活動は“公開が前提”なので、ここを曖昧にするとトラブルが起きる。


リスク④:契約・収益・権利(誰が決め、誰が持つか)

部活動なら通常、収益が絡むことは少ない。だがアイドルでは、チケット、物販、配信、スポンサー、楽曲権利などが発生する。


「教育活動」なのか「興行」なのかが曖昧なまま進むと、

  • 報酬はあるのか(あるなら誰が管理するのか)

  • 収益分配は透明か

  • 楽曲・映像の権利は誰のものか
    が不明確になりやすい。


リスク⑤:心の安全(評価の圧、炎上、自己否定)

数字(再生数、フォロワー、動員)で評価される世界は、自己肯定感を育てることもあれば、壊すこともある。未成年はなおさら影響を受けやすい。学校なら、相談体制と“降りる自由”を制度として持たせる必要がある。


リスク⑥:学校の責任範囲(事故・ハラスメント・外部指導者)

外部講師や企業が関与する場合、指導の質だけでなく、ハラスメント防止、連絡体制、監督責任が問われる。学校側が「外部だから」と丸投げすると、最も守られるべき生徒が宙に浮く。



6. 「学校がバックアップする」ことの意味は何か

報道では「学校が安全面をバックアップするにはどう進めるべきか」という論点が提示されている。 テレ朝NEWS+2ABEMA TIMES+2
ここで重要なのは、学校が関わること自体が“免罪符”にはならない、という点だ。むしろ学校が関わるなら、基準は上がる。


学校のバックアップとは、例えば次のような“仕組みの実装”だ。

  • 保護者同意の取り方を標準化(活動内容・公開範囲・収益の扱いまで説明)

  • 個人情報公開のルール化(撮影可能範囲、制服・校名の扱い、位置情報の禁止など)

  • 出演・移動時間の上限(平日・休日、帰宅時刻、連続稼働の制限)

  • 相談窓口の複線化(顧問だけでなく、養護教諭・スクールカウンセラー・第三者)

  • 外部関係者との契約の透明化(責任範囲、ハラスメント対応、収益と権利)

  • 辞める権利・休む権利の明文化(進路や心身の事情で“降りても不利益なし”)


要するに、人気が出る前に、人気が出た場合の“防波堤”を作っておくことが必須になる。



7. 「教育としてのアイドル部」を成立させる設計図

学校アイドルが未来を持つかどうかは、「教育」として筋が通るかにかかっている。ここでは、教育として成立させるための“設計図”を提案したい。


① 目的を「プロ輩出」ではなく「学びの獲得」に置く

プロ志向を否定する必要はない。ただ、学校が掲げるべき最上位目的は、あくまで生徒の学びと成長である。数字やデビューをKPIにすると、未成年の生活が従属しやすい。


② セーフガーディング(子どもの権利保護)を運営原則にする

海外のスポーツ育成でも常識になりつつあるのが、未成年の活動での権利保護だ。日本でも、出演時間の制限や個人情報管理など、労働・人権の観点が整理されている。深夜業の規制などは行政の情報としても確認できる。 都道府県労働局+1


③ 「公開」と「非公開」を切り分ける

練習のすべてをSNSに載せない。校内で完結する発表回と、外部公開回を分ける。公開範囲の階段を作る。文科省資料が示すように、個人情報公開は同意と必要性の範囲に絞る、という原則を活動設計に組み込む。 文部科学省


④ お金・権利・責任を見える化する

収益が出るなら、学校が関与する以上は透明性が必要だ。保護者説明会で、

  • 収益が出た場合の扱い

  • 物販・配信の管理主体

  • 楽曲・映像の権利

  • 学校と外部企業の責任分界
    を説明し、文書化する。曖昧さは、後から必ず揉める。


⑤ ファンとの距離を「ルール」で守る

接触、DM対応、プレゼント、校内への接近、撮影、SNSのリプライ対応。これらを、学校として“生徒を守るために制限する”のは、自由を奪うことではなく、活動継続の条件になる。



8. それでも「学校アイドル」に可能性がある理由

ここまでリスクを書いたが、可能性も確かにある。

  • 地方の学校が、文化発信のハブになれる

  • 表現の学びが、進路の選択肢を広げる

  • 生徒が「自分の物語」を主体的に作れる

  • 応援される経験が、人生の基礎体力になる


実際に、学校が夢の受け皿としてコースを開設し、外部企業と連携して育成環境を整える例も出ている。 佐久長聖中学・高等学校+1
しかし可能性は、制度が未成年を守ったときにだけ開く。逆にいえば、守れないなら、学校がやるべきではない。



9. 親・学校・ファンに向けた「最低限のチェックリスト」

最後に、関わる人が最低限確認すべき項目をまとめる。


親(保護者)

  • 活動内容・公開範囲・収益の扱いを文書で理解できているか

  • 帰宅時刻・睡眠・学業のラインが守られているか

  • SNSでの対応ルールがあるか(困った時の連絡先含む)

  • 辞める/休む選択をしても不利益がないか


学校

  • 個人情報・肖像の同意と管理が制度化されているか 文部科学省

  • 外部講師・企業の責任範囲と監督体制があるか

  • 相談窓口が複数あり、第三者性が確保されているか

  • 出演・移動時間の基準が、未成年保護の観点で妥当か 都道府県労働局+1


ファン(視聴者)

  • 未成年の情報特定につながる投稿をしない

  • 学校や通学路を連想させる詮索をしない

  • 応援は「安全を壊さない距離」で行う

  • 批判よりも、活動を支えるルールの尊重を優先する



10. 結論:未来を分けるのは「人気」ではなく「設計」

学校の「アイドル部」は、応援される楽しさと、表現の学びを同時に生み出せる。けれど、未成年が“見られる仕事”をする以上、守りの設計が甘ければ、その楽しさは簡単に壊れる。

学校が関与するなら、教育としての筋道を立て、セーフガーディングを運営の中核に置くこと。人気が出てから対策するのでは遅い。
学校アイドルの未来は、「才能」や「話題性」よりも、最初にどれだけ丁寧に“安全と権利の仕組み”を作れるかで決まる。 都道府県労働局+4テレ朝NEWS+4ABEMA TIMES+4

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