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インバウンドと猛暑が奪った一杯のご飯──データで読む“コメ不足”

インバウンドと猛暑が奪った一杯のご飯──データで読む“コメ不足”

2025年06月02日 12:15

1. 何が起きているのか —— “コメ不足”の現状

  • 前年比+98.4 %(2025年4月)という伸びは、日本の消費者物価の中でも突出した上昇率です。Al Jazeera

  • スーパー店頭では 5 kg 4,200〜5,000円 が当たり前。政府の物価モニターでも「米だけは別格」という声が相次ぎます。テレ朝news


2. 背景① 異常気象と作柄悪化

  • 2023年夏の記録的猛暑で登熟不良が多発し、約30万tの供給ギャップが発生。品質低下米は外食チェーンも敬遠し、良質米の奪い合いが加速しました。MRI株式会社

  • 産地では玄米の等級落ちが相次ぎ、等外米の比率は東北で平年の3倍に達した県も。


3. 背景② 需要サイドの“想定外”

需要増要因概要インバウンド回復2024年に訪日客がコロナ前を超え、ホテル・飲食で米需要急回復。観光庁資料でも「米・米飯製品の追加仕入れが続く」と報告。国土交通省災害備蓄の買い足し能登半島地震(2024.1)以降、家庭での備蓄米需要が一段増。“海外のほうが安い”逆転現象旧価格で輸出契約した日本米が台北やロンドンで〈5 kg 2,600円〉と拡販され、国内供給をさらに圧迫。テレ朝news


4. 背景③ 制度・流通のねじれ

  1. 減反廃止後も続く「自主的生産調整」 減反補助を背景に「転作→再転作」の揺り戻しが起き、作付面積が年ごとにぶれる。note(ノート)

  2. 在庫はあるのに店頭へ届かない 多層流通で“在庫の壁”。3月の政府オークション21万tは 小売到達率7 % にとどまりました。Reuters

  3. 高関税とSBS輸入 WTO枠外は341円/kgの関税。関税が下がる CPTPP域(英など)へは逆に輸出が伸びるという皮肉。テレ朝news


5. 政府の緊急策

施策内容評価備蓄米30万tを2000円/5kgで放出店頭平均の “半額” を目標に6月上旬までに配送。物流が律速。第1弾は即日申請停止→品薄続く。Reuters買い戻し停止従来は出庫量=翌年買い戻しだったが、今年は“買い戻さない”転換で価格鎮静狙い。市場は歓迎も、生産者は価格急落を懸念。生産拡大奨励金2025年産の作付増を都道府県枠で後押し。農家調査では「26年産は反動安」の声4割。


6. 海外の人が理解すべき3つのポイント

  1. 「不足=絶対量ゼロ」ではない 国内在庫は平年並みだが、“食べたい等級”が足りないため価格が跳ねている。

  2. 食料安全保障と市場原理のせめぎ合い 関税と備蓄が高コスト構造を生み、気候ショックで一気に露呈。

  3. 日本のコメは依然“超高品質” 品質格差が大きく、海外産との単純価格比較では語れない。観光地の和食店は国産米を死守するため苦戦中。


7. 今後のシナリオ

  • 短期(2025年度):備蓄米放出で夏場に一服しても 4,000円台後半 が下値メド。

  • 中期(2026年度):作付増+輸入圧力で“価格反落”が3〜4割の農家調査結果。需給が逆ざやになるリスクも。Nippon

  • 長期(気候変動リスク):猛暑年の再来で再び“乱高下”の可能性。水利・品種改良と合わせ国際分散調達が課題。



まとめ

日本の米価高騰は「作柄の一時的失敗」だけでなく、観光復活・輸出契約・流通制度の歪みと複合的ショックが引き金になりました。政府は備蓄米の半値放出で急場をしのぎますが、食料安全保障 vs 国内農家保護 という構造問題が解決しない限り、価格は高止まりと乱高下を繰り返すでしょう。


海外の読者の皆さんにとっては、

  • 日本米のブランド価値とサプライチェーンの脆弱性

  • 為替・関税がもたらす“価格逆転”

  • 気候変動が主食バリューチェーンに与える破壊力


――これらが自国の食料政策を考える鏡になるはずです。

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