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それ、“ただの老化”じゃないかも — 犬の認知症を見逃さない新ガイドライン

それ、“ただの老化”じゃないかも — 犬の認知症を見逃さない新ガイドライン

2026年01月07日 11:33

「最近、夜になると落ち着かなくて部屋をぐるぐる回る」
「呼んでも反応が鈍い。トイレを失敗する回数が増えた」
「急に不安そうに鳴く。寝ていたと思ったら、夜中に起きて徘徊する」


シニア犬と暮らしていると、こうした“変化”に出会うことがあります。問題は、それが単なる加齢なのか、病気としての認知機能低下なのかが、当事者(飼い主)にも、時に医療側にも、はっきりしづらいことです。


そんなグレーゾーンに、ようやく「共通言語」が整備されました。2026年1月、国際的な犬の認知研究・臨床の専門家グループが、**犬の認知機能障害症候群(Canine Cognitive Dysfunction Syndrome:CCDS)**を診断・モニタリングするためのガイドラインを公表したのです。 Phys.org



CCDS(犬の認知症)とは何か:アルツハイマー病に似た“進行性の変化”

Phys.orgおよびNC Stateのリリースによれば、CCDSは人のアルツハイマー病に似た、慢性・進行性・加齢関連の神経変性として定義されます。特徴は「脳の問題が、日常行動の変化として表に出る」こと。具体的には、活動量の変化、睡眠の乱れ、不安、粗相、学習・記憶の障害などが挙げられています。 Phys.org


ここで大事なのは、「年を取ったから仕方ない」で片づけられやすい症状ほど、実は生活の質(QOL)を大きく揺さぶる点です。夜間の徘徊や夜鳴きは、犬だけでなく家族の睡眠を破壊します。粗相は叱っても改善しないどころか、不安を増幅させることさえある。だからこそ、早期に気づき、継続的に見守る仕組みが必要でした。



これまで何が課題だった?——「診断が人によってブレる」問題

ガイドライン作成の背景として、中心人物のナターシャ・オルビー氏(NC State)は「診断は増えているのに、標準化された方法がない」と指摘しています。 Phys.org


実際、2025年時点の獣医師調査でも「診断・管理に受け入れられたガイドラインがない」ことが課題として語られ、知識や対応のギャップが示唆されていました。 Frontiers


診断が標準化されないと、何が困るのか。

  • 病院ごとに評価方法が違い、同じ犬でも結論が変わる

  • 経過の比較が難しく、治療やケアの効果が**“気のせい”扱い**されやすい

  • 研究でも対象の定義が揃わず、治療開発が進みにくい


今回のガイドラインは、こうした「バラバラ問題」を減らすための“土台”になります。



新ガイドラインのポイント1:症状を7つの領域で捉える「DISHAA」

ガイドライン(PubMed掲載の要旨)では、CCDSの行動変化をDISHAAという枠組みで整理しています。

  • D:見当識障害(迷う、目的なくうろうろ)

  • I:社会的交流の変化(距離感、反応の変化)

  • S:睡眠障害(昼夜逆転、夜間覚醒)

  • H:トイレの失敗

  • A:学習・記憶の低下

  • A:活動性の変化

  • A:不安の増加
    (上記の領域が、日常生活に影響する程度で起こる) PubMed


ポイントは、症状を「なんとなく老化っぽい」ではなく、領域ごとに観察できる形にしたこと。飼い主の“モヤモヤ”を言葉に変換し、獣医師と共有しやすくします。



ポイント2:重症度を「軽度〜重度」へ段階化(ケアの線引きがしやすくなる)

ガイドラインは重症度を3段階(軽度〜重度)として提示します。軽度は「サインが微妙で頻度・強度が低く、機能が保たれる」。進行すると、変化が目立ち、生活上の調整が必要になり、重度では基本的機能に深刻な障害が出る——という整理です。 PubMed


これが効いてくるのは、家庭内の意思決定です。


「今は見守り中心でいいのか」「環境調整を増やすべきか」「夜間対策を優先するか」など、ケアの優先順位が作りやすくなります。



ポイント3:「確度レベル」を2段階に。MRIなど客観情報も位置づける

診断については、確度を2段階で提案しています。


  • レベル1:進行性DISHAAサインの一貫した病歴、身体・整形外科・神経学的診察や検査で他原因を除外、併存疾患の管理後もサインが持続、などに基づく。

  • レベル2:レベル1に加え、脳MRIで皮質萎縮が見られ、髄液(CSF)細胞数が正常範囲など、より客観的所見を含む。 PubMed


全員がMRIを受けられるわけではありません。だからこそ、レベル1(臨床ベース)をしっかり定義しつつ、可能ならレベル2で裏づける——という設計が現実的です。



ポイント4:「いつから、どの頻度で」見守る?——7歳からのスクリーニング推奨

ガイドラインは、7歳頃からシニア犬向けの簡易サーベイで認知変化をモニタリングすることを勧めています。変化が報告された場合は、より詳細なCCDS尺度(質問票)で評価し、6か月ごとに追跡。さらに10歳以降は全犬で6か月ごとの尺度評価を推奨しています。 Phys.org


この「半年ごと」が意味するのは、“症状が出てから慌てて病院へ”ではなく、変化のグラフを作るという発想です。人間の健康診断と同じで、1回の数値よりも、推移が重要になる。



飼い主にできること:診断のための“材料”を増やす

ガイドラインは獣医師向けですが、飼い主にも直結します。家庭でできるのは、難しい検査ではなく、次のような「情報の質を上げる」こと。

  • 夜間の徘徊や鳴きの動画を撮る

  • 「いつ・どこで・どれくらい」をメモする(週単位でOK)

  • 粗相を叱るより、頻度・状況を記録する

  • 目や耳、痛み、内分泌など、似た症状を起こす要因の除外(受診)に協力する


レベル1診断が「病歴と除外」が軸になる以上、日常のログが効いてきます。 PubMed



SNSの反応:飼い主の“あるある”が、ガイドラインの必要性を物語る

今回のニュースは専門家の間だけでなく、シニア犬コミュニティの空気にも刺さりやすいテーマです。SNS(Redditなど)の投稿を眺めると、次のような声が繰り返し出てきます。


1) 「介護で心が削れる」——睡眠不足と孤独感

シニア犬の認知低下に直面した飼い主が、「自分も限界に近い」「精神的にしんどい」と吐露する投稿は少なくありません。夜間の徘徊や粗相対応が続くと、家族の生活も消耗します。 Reddit


2) 「これって病気?しつけ?老化?」——判断がつかない不安

「どうやって“認知症”だと分かった?」「症状が典型的じゃない気がする」など、見極めの難しさを語る相談も多い。 Reddit
だからこそ、DISHAAのように領域を整理し、質問票で追跡する枠組みは、“曖昧さ”を減らす武器になります。 PubMed


3) 「いつ見送るべきか」——“正解のない問い”が続く

進行性の病気である以上、最終的には「どこまで支えるか」という重い判断が避けられないケースもあります。SNSには、急速な悪化や見送りのタイミングで葛藤する投稿が並びます。 Reddit


ガイドライン自体は安楽死判断を規定するものではありませんが、重症度の段階化は、家族会議の共通言語として役立ち得ます。 PubMed


4) 「治療が進んでほしい」——研究を前に進める“定義”

「治療法がほしい」「もっと早く気づけたら」という願いは、飼い主の切実な本音です。そして研究側も、治療開発のために“まず定義が必要”と語っています。 Phys.org



まとめ:このガイドラインは“ゴール”ではなく、犬の老いを支える「共通のスタート地点」

今回の国際ガイドラインがもたらす一番の価値は、犬の認知症を「観察できる形」に整えたことです。


  • DISHAAで症状領域を整理し PubMed

  • 軽度〜重度の段階で重症度を示し PubMed

  • レベル1/2で確度を分け PubMed

  • 7歳からのスクリーニング、10歳以降は半年ごとの評価を推奨する NC State News


これにより、獣医療の現場でも、家庭でも、「同じものを見て、同じ言葉で話す」準備が整います。


シニア犬の変化は、ある日突然ではなく、じわじわ始まります。だからこそ、気づいたその瞬間から“ログを残す”ことが、犬の生活を守り、家族の心を守ることにもつながるはずです。



参考記事

犬の認知機能低下を診断・監視するためのガイドラインが策定される
出典: https://phys.org/news/2026-01-guidelines-canine-cognitive-decline.html

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