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そのレインコート、“永遠の化学物質”が染み出す? PFASと防水ウェアのいま

そのレインコート、“永遠の化学物質”が染み出す? PFASと防水ウェアのいま

2026年01月14日 00:06

「雨をはじく服」に潜む“永遠の化学物質”——レインコートとPFASの話

雨の日に頼れるレインコート。水滴がコロコロ転がり落ちる様子を見て、「よくできてるな」と感心したことがある人は多いはずだ。だがBBCの見出しは挑発的だ——「あなたのレインコートに“forever chemicals(永遠の化学物質)”は入っている?」。リード文として広く引用されているのは、「PFASがレインコートを通じて皮膚から吸収されている可能性は?」という問題提起である。


ここで言うPFAS(Per- and polyfluoroalkyl substances)は、分解されにくく環境中に残留しやすいことから“forever chemicals”と呼ばれる化学物質群だ。用途は驚くほど広いが、衣類に関しては特に「撥水」「防汚」「油を弾く」性能を実現するために長年使われてきた。



なぜレインコートにPFASが使われてきたのか:撥水(DWR)と防水膜

アウトドアウェアの防水は、だいたい二段構えだ。

  • 表地の「撥水(DWR:Durable Water Repellent)」で水滴を弾く

  • それでも入り込む水に対して、内側の防水膜(メンブレン)や構造で止める


PFASはこのうち、DWRや一部の防水技術で“理想的な素材”として扱われてきた。なぜなら、少量でも水や汚れを強力に弾き、性能が長持ちしやすいからだ。アウトドアブランド自身も、PFASが撥水・耐候性能に寄与してきた事実を説明している。


ただし、その「長持ち」は別の意味では厄介でもある。環境に出ると分解されにくく、回収も難しい。そこで欧州を中心に規制強化が進み、英国でも政府がPFAS対策計画を2026年に公表する方針を明記した。



いちばんの不安:「着ているだけ」で体に入るの?

BBCの見出しが刺さるのはここだ。
「レインコートのPFASが、皮膚から吸収されるのか?」


関連番組として言及されるPanorama特集では、子ども向けの防水コートなど身近な製品にもPFASが残っている可能性、そして専門家コメントとして「長時間の皮膚接触によって吸収が起き得る」点が語られたとまとめられている。


皮膚吸収そのものについては、研究報道も出ている。たとえば英紙は、PFASが皮膚から吸収され得る可能性を示した研究(大学研究者による皮膚モデル実験)を紹介し、これまで主流だった「水や食事が主」とされる暴露経路に、別の視点が加わったことを報じた。


とはいえ重要なのは、「何がどれくらい吸収され、健康影響としてどの程度意味があるのか」は、化学物質の種類・量・接触条件で大きく変わる点だ。PFASは“ひとまとめ”で語られがちだが、毒性や挙動は一様ではない。この点がSNSで大論争を生む土台になる。



健康影響の現在地:EFSAが示す「食事が主」+「免疫への影響」

では、公的機関はどう整理しているのか。欧州食品安全機関EFSAは、PFASについてFAQで情報をまとめ、食事由来の暴露が主要で、特に魚や卵が寄与しやすいと説明している。また健康影響としては、評価の中で「ワクチン接種への免疫応答低下」を重要な影響として扱い、耐容摂取量(TWI)を設定している。


つまり「レインコート=最大の原因」と短絡するのは危険だ。多くの人にとって大きいのは食事など別経路である可能性が高い。ただし、衣類からの暴露が“ゼロ”とは言い切れない以上、特に子どもや長時間着用など条件次第で議論が起きる余地はある。



SNSの反応:「啓発になる」vs「不安を煽りすぎ」——真っ二つに割れる理由

このテーマがSNSで燃えやすいのは、「毎日触れるもの」だからだ。鍋や水よりも、レインコートは“自分の肌に近い”感覚がある。実際、PanoramaのPFAS回では、各所で拡散と議論が起きている。


  • 啓発・危機感の共有
    研究者団体の投稿は、番組を「重要な回」として視聴を促し、PFASの健康・環境影響への関心喚起を行っている。

  • 「不安を煽るな」批判(科学コミュニケーションの不満)
    一方、バイオ系ネットワークのコメントでは、番組が“恐怖の演出は強いが重要な詳細が不足し、不必要な不安を招きかねない”という趣旨の批判も出ている。PFASを一括りに語ることへの違和感が、ここでは明確に表明されている。

  • コメント欄での論戦(専門性・バランス・実用アドバイス)
    LinkedIn上でも、番組を「科学的に雑」「BBCは信用できない」と切る投稿に対し、「それでも注意喚起は必要」「実用的助言は意味がある」と反論が重なり、当事者(番組出演者)が“自分の専門背景”を説明する流れまで起きている。SNSが“討論の場”になっている典型例だ。


この対立は、どちらかが完全に間違いというより、焦点が違う。
「リスクを広く知らせたい」側と、「不確実性や濃淡を丁寧に伝えたい」側。PFASはまさに、科学と生活の接点でその衝突が起きやすいテーマだ。



企業はどう動いている? “PFASフリー化”の現実

規制や世論が強まるなか、アウトドア業界は「PFASを意図的に使わない」方向へ舵を切り始めている。

たとえばPatagoniaは、2025年春以降の新製品で、意図的にPFASを添加しない素材・撥水へ移行する方針を明示している。


RabやHaglöfs、Deuterなども、PFASの用途(撥水加工・膜など)と段階的な削減方針を説明している。


ただし“PFASフリー”は魔法のラベルではない。性能・耐久・コスト・供給網が絡む。企業側の資料でも、フッ素なし撥水は「再撥水などメンテナンスが必要」「油汚れ耐性は落ちやすい」といったトレードオフが語られている。



消費者は何ができる?(過度に怖がらず、現実的に)

最後に、日常の選択肢を整理しておく。ポイントは「ゼロリスク幻想」ではなく、「納得できる減らし方」だ。

  • “PFASフリー/PFCフリー”表記のある製品を優先する(ただし表記の根拠や範囲はブランドごとに差がある)

  • 用途で分ける:豪雨の登山や作業用途など“性能が命”の場面と、通勤・街用で十分な場面を分け、必要以上の高機能を買わない

  • 長く使う/手入れする:フッ素なし撥水は再撥水が必要になりやすい、という企業側説明もあるため、ケア前提で選ぶ

  • 情報源を複数持つ:番組やSNSの強い言い回しだけで判断せず、公的機関(EFSA等)の整理も参照する



まとめ:レインコートは“入口”——PFAS問題は生活の設計図を問い直す

「雨をはじく服」は、便利さの象徴だ。だがその裏に、環境に残り続ける化学物質の連鎖があるかもしれない。BBCの問いは、レインコートという身近な製品を入口にして、私たちにこう迫っている——快適さを、どんな材料で、どんな負担と引き換えに作っているのか。


SNSは賛否で割れる。けれど割れていること自体が、テーマの“生活密着度”を示している。規制は進み、企業も動き、消費者の選び方も変わり始めた。次に必要なのは、「怖がらせる」でも「無視する」でもない、透明性と納得感だ。 



参考記事

あなたのレインコートに「永久化学物質」は含まれていますか?
出典: https://www.bbc.com/videos/cp3zq8nzwl8o?at_medium=RSS&at_campaign=rss

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