メインコンテンツにスキップ
ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア ロゴ
  • 記事一覧
  • 🗒️ 新規登録
  • 🔑 ログイン
    • English
    • 中文
    • Español
    • Français
    • 한국어
    • Deutsch
    • ภาษาไทย
    • हिंदी
クッキーの使用について

当サイトでは、サービスの向上とユーザー体験の最適化のためにクッキーを使用しています。 プライバシーポリシー および クッキーポリシー をご確認ください。

クッキー設定

クッキーの使用について詳細な設定を行うことができます。

必須クッキー

サイトの基本機能に必要なクッキーです。これらは無効にできません。

分析クッキー

サイトの使用状況を分析し、サービス向上に役立てるためのクッキーです。

マーケティングクッキー

パーソナライズされた広告を表示するためのクッキーです。

機能クッキー

ユーザー設定や言語選択などの機能を提供するクッキーです。

Z世代が工場へ? かつての繊維都市が仕掛ける“地元で食える”キャリア

Z世代が工場へ? かつての繊維都市が仕掛ける“地元で食える”キャリア

2025年12月23日 12:26

かつて“スピンドル(糸巻き)の街”と呼ばれた米マサチューセッツ州フォールリバー。19世紀のレンガ造りのミル(工場建築)が立ち並び、布が世界へ出ていった時代の記憶は、いまも街の輪郭を決めている。だが同時にこの街は、オフショア化の波で仕事が消え、若者が「出ていく場所」になった時間も長い。 The Washington Post


ところがいま、その“出ていく街”が「戻ってくる街」に変わろうとしている。復活の鍵は、大量生産の安さではなく、職人技と設備投資が同居する“品質の製造業”だ。厚手のレザージャケット、超高密度コットンのリネン、マンハッタンの邸宅に収まる40フィート級の高級ラグ——フォールリバーでは、こうした付加価値の高い製品が同じ街の中で作られているという。 The Washington Post


「工場=古い」は本当か

製造業のイメージは根強い。「単純作業で、きつくて、未来がない」。Z世代ほど、その固定観念は強いと言われる。フォールリバーでも例外ではなく、最大のボトルネックは“設備”より“人”——工場に立つ若い働き手をどう増やすかだ。 The Washington Post


そこで立ち上がったのが、地元出身のパティ・レゴ(47)だ。親はミルで働き、娘には「いい仕事=銀行」と言った。レゴ自身もその言葉を信じ、街を出てニューヨークで学び、出版のキャリアを築いた。けれど10代の夏、親族の工場で衣料をプレスしパターンをデジタル化した体験が、彼女の中に“ものづくりの誇り”として残り続けたという。 The Washington Post


レゴが再び故郷に関わる中で見えたのは、雇う側と若者側の「文化の断絶」だった。多くの若者は工場に足を踏み入れたことすらなく、工場内の職種が縫製や機械操作だけではないこと——デザイン、デジタイズ、マーケティングまで含めて“仕事の地図”が広いことを知らない。レゴは「できることは無数にある(“There’s a million things you could do”)」と語ったと伝えられている。 The Washington Post


2024年パイロット:「見学」から「就職」へ

転機になったのが、キャリア支援の専門家ジュディ・ヴィグナ(58)との連携だ。パンデミック期に出会い、「高校から地元メーカーへ」というパイプラインづくりに踏み出した。州・連邦の助成を得て2024年に始まったパイロットでは、バイク用ギア、ベッドシーツ、リネンなどを手がけるメーカー6社が参画。参加した高校生は45人で、初日から“自分の街の工場”を見学し、仕事の種類を目で確かめていった。 The Washington Post


工場見学のあとにスキル形成のワークショップが続き、インターン枠は80時間×9席。最終的に26人が応募し、夏にはプログラム経験者の卒業生の一部が、同じ工場でフルタイムの職(製造だけでなくマーケティング職も含む)を得たという。デュルフィー高校の校長ジェシカ・スティーブンスは、生徒にとって「自分にもできると知らなかった選択肢」を提示できたことが大きいと説明している。 The Washington Post


参加した生徒の一人、ハイド・ファリアスは家族経営のアパレル設計・製造会社 Accurate Services に加わり、「在学中には得られなかった経験に参加できた」と述べたとされる。スティーブンスは、製造業への“露出”が若者に「ここに居場所がある」「求められている」という感覚を与えると語り、教育現場はそれを“技術変化に対する保険”にも見ている。 The Washington Post


“ロボットの街”ではなく、“技能の街”として

興味深いのは、この街の復活が「AIやロボットが雇用を生む」という話とは少し違う点だ。むしろ記事が描くのは、熟練と新設備のハイブリッドで価値を出す現場であり、若者がそこに入っていく物語だ。デュルフィー校のプログラム責任者アンドリュー・ウッダードは、製造業には「生活賃金を得られる現実的な職があり、地元に残れる」と強調したとされる。 The Washington Post


この文脈は、米国全体の課題とも重なる。国内回帰(リショアリング)や工場投資が進む一方で、熟練人材不足がボトルネックになっているという指摘は根強い。別の報道では、製造業の採用難が産業政策の推進を難しくしているとされ、雇用が思うように増えない実態にも触れている。 The Washington Post


フォールリバーが作っているのは「高級品」だけではない

フォールリバーは歴史的に繊維工業で栄え、“ミルの街”としての文化がある。いまも街には、ラグ、リネン、レザーなど高級ソフトグッズの拠点が集積していると紹介されており、映画向けのレザージャケットを手がける企業や、高品質リネンのメーカーの存在が語られる。 Fabric | Fall River - Arts festival


さらに地元報道では、Matouk が設備投資に助成を得てデジタル染色機を導入した話などもあり、“高品質×技術”への投資が続いていることがうかがえる。 Viva Fall River


SNSの反応:期待と警戒が同時に広がる

ここからは、記事の内容を受けてSNS上で生まれやすい反応を「論点」として整理してみたい(※プラットフォームの仕様や公開範囲の制約で、個別投稿を網羅的に検証・引用できないため、公開情報から読み取れる典型的な争点を“要約”として提示する)。


1)「地元で食える仕事」が戻ることへの歓迎
工場=搾取ではなく、技能を積めば暮らしが成り立つ、という語りに希望を見出す声。


2)賃金・労働環境への疑念
「生活賃金」と言うなら実際いくらなのか、残業や安全、昇給カーブはどうか、という現実確認。


3)学歴一本勝負への違和感と職業教育の再評価
大学進学が“唯一の正解”でなくなる流れを歓迎する一方、早期の進路固定化を心配する声も。


4)“地産地消のものづくり”とサステナビリティ
長距離輸送や大量廃棄より、地域で高品質に作る方が筋が良い、という評価。


5)移民コミュニティの記憶の継承
「親世代は工場で人生が決まった」という痛みがあるからこそ、同じ言葉でも受け止め方が割れる。


参考:投稿の雰囲気(編集部作成の“投稿例”)

  • 「工場見学だけで世界変わるの、わかる。選択肢って“見たことあるか”で決まる」

  • 「生活賃金って言うなら時給と昇給表出して。そこが透明なら若手は来る」

  • 「ミル=古い、じゃなくて“設備+技能”ならむしろ最先端」

  • 「高校のうちにインターン80時間はデカい。進学しない子の“空白”が埋まる」

  • 「いい話。でも怪我・安全教育・メンタルケアもセットじゃないと続かない」


この取り組みが“モデル”になる条件

フォールリバーの試みが象徴的なのは、巨大補助金で工場を誘致する話ではなく、「すでにある地域産業」と「学校」と「キャリア支援」を縫い合わせた点にある。では、広げるには何が必要か。

  • 職種の可視化:縫製・機械だけでなく、デザイン、品質管理、営業、デジタル工程まで“職業の地図”を見せる。 The Washington Post

  • 入り口の設計:見学→基礎講習→短時間インターン→採用、という段階を用意し、途中離脱しても学びが残る形にする。 The Washington Post

  • 賃金と成長の透明性:SNSで最も揉まれるのはここ。期待の総量は、結局「生活が成り立つか」に収束する。 The Washington Post

  • 地域に“残る理由”の設計:地元に住み続けられる家賃、交通、保育など生活インフラとも連動させないと、若者は定着しない。


フォールリバーは、過去の栄光をノスタルジーとして飾り直すのではなく、「技能を次世代へ渡す」方向に舵を切ろうとしている。工場の復活を支えるのがロボットではなく、若い手と目であるなら——その物語は、他の“かつての工業都市”にとっても他人事ではない。 The Washington Post


参考記事

Z世代が製造業復活の鍵となるのか?フォールリバーはそう考えている。 - ワシントン・ポスト
出典: https://www.washingtonpost.com/business/2025/12/21/falls-river-manufacturing-young-workers/

← 記事一覧に戻る

お問い合わせ |  利用規約 |  プライバシーポリシー |  クッキーポリシー |  クッキー設定

© Copyright ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア All rights reserved.