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ウォルト・ディズニー新時代の試練──世界規模レイオフが突きつける「魔法」と「現実」の溝

ウォルト・ディズニー新時代の試練──世界規模レイオフが突きつける「魔法」と「現実」の溝

2025年06月04日 01:43

1.“夢の工場”に走った衝撃

6月2日(米国時間)、ウォルト・ディズニー・カンパニーは「全世界で数百人規模のレイオフを断行した」と認めた。対象は映画・テレビのマーケティング部門、TV広報、キャスティング、開発、企業財務など多岐にわたり、チーム丸ごとの解体は避けつつも幅広い部署に影響が及ぶという。具体的な人数は明かされていないが、広報担当者は「急速に変化する業界に対応するため、業務効率を高める施策の一環だ」とコメントした。

今回の動きは、2023年にボブ・アイガーCEOが打ち出した「7,000人削減・55億ドル(約7,900億円)のコストカット計画」の延長線上にある。ストリーミング、とりわけディズニープラスの赤字縮小とパーク・リゾート事業の利益最大化を両輪で進めるなか、2025年度のコスト目標は75億ドルへと上積みされた。bloomberg.co.jp


2.“好決算”でも雇用は守れない?

奇しくもレイオフ発表のわずか数週間前、ディズニーは2025会計年度第2四半期で増収増益を達成している。テーマパーク部門は客単価の上昇と稼働率の高まりで過去最高の利益率を記録し、ストリーミング契約者数も110万件増加したと報告した。

それでも解雇を選んだ背景として、米Bloombergは「ハリウッド全体が制作費高騰と広告市場の減速で“負のスパイラル”に入り、今後の景気後退に備える動きが強まっている」と指摘する。bloomberg.co.jp 要するに“利益は伸びているが先は不透明”というのが経営陣の本音だ。


3.SNSが映す“魔法の綻び”――世界と日本の温度差

今回のニュースは発表直後から〈#DisneyLayoffs〉〈#ディズニー解雇〉などのハッシュタグで瞬時に拡散された。米国のX(旧Twitter)では「Go Woke, Go Broke(ポリコレに走れば破綻する)」と揶揄する投稿がバズり、保守系インフルエンサーが「ファン無視の作品づくりが招いた当然の報い」と糾弾。Netflixjunkieはこうした“右派系の喝采”をまとめて報じている。netflixjunkie.com

一方、日本のタイムラインでは「キャストの士気が心配」「安易な外注やAI脚本化が増えそうで怖い」など、品質と雇用の両立を懸念する声が優勢だった。Yahoo!リアルタイム検索で〈ディズニー 解雇〉を追うと、

「パークは儲かってるのに現場より本社を切るのか」
「推し作品の続編、大丈夫?」
「日本のOLC(オリエンタルランド)は安全?」
といった投稿が数分おきに流れてくる。news.livedoor.com

さらに、日本国内で人気のディズニー情報YouTuber「ディズニー研究部」も緊急ライブを実施し、チャット欄には「また値上げ来る?」「DLRのライブ配信スタッフも対象?」と不安が噴出。ライブアーカイブは24時間で再生数30万を超えた。youtube.com


4.レイオフの真相を読み解く3つの視点

4-1 ストリーミング赤字の“最後のツケ”

2020年以降のDisney+急拡大はコンテンツ投資を一気に押し上げ、年間製作費はNetflixを凌駕。皮肉にもパンデミック回復期に広告市況が悪化し、赤字は膨張した。21年以降のコストカットは「コンテンツ制作費の再配分」「マーケティング費の最適化」「バックオフィス効率化」の三段構え。今回のレイオフは最後の砦=“人件費”にメスを入れた格好だ。

4-2 AIとデジタル宣伝のカニバリゼーション

マーケティング部門の削減は、生成AIによる予告編自動編集やAIアドプランナー導入の裏返しでもある。実際、ディズニーは2024年末、社内向けに生成AIツール「DisneyCreate」の運用を開始。制作部門からは「映画のスクリプト分析をAIが行い、宣伝ポイントを自動抽出している」との証言も漏れる。AIと人的リソースが競合する構図は、今後ハリウッド全体に波及するだろう。

4-3 “パーク絶好調”でも日本は例外

東京ディズニーリゾートを運営するのはオリエンタルランド(OLC)であり、今回のレイオフ対象外だ。しかし本社のコーポレート部門縮小は、ライセンス交渉やIP管理の窓口を絞り込む可能性があり、“日本独自イベント”企画のスピードに影響する恐れがある。OLC広報は「現時点で運営に支障はない」とコメントしているが、ファンコミュニティでは「花火ショー縮小の布石では」と警戒が強い。


5.雇用とクリエイティビティの両立は可能か

ディズニーは「チーム全体の解体はない」と強調するが、開発・キャスティングの現場からは「中堅プロデューサーが突然いなくなり、進行中の企画が棚上げになった」との声も聞こえる。米メディア分析会社Parrot Analyticsは「2025年末までに大型映画20本以上の制作スケジュールに遅延が出る」と予測。クリエイターの士気低下が新作の“魔法”に影を落とす可能性は高い。


6.専門家コメント――3人の視座

  • 千田耕平(早稲田大学ビジネススクール 教授)
    「ディズニーは“多角化帝国”ゆえにリスクを部門横断で吸収できるが、今回は中核IPに近い人材を削った。長期的ブランド価値を考えれば“短期ショック療法”が裏目に出る懸念がある」

  • ケイティ・ミナハン(ハリウッド労組コンサルタント)
    「ストライキ終結後のロサンゼルスで再び大量離職が起きれば、撮影現場に熟練スタッフが不足する“人材エアポケット”を招き、作品クオリティを落とす悪循環になる」

  • 森川愛実(SNSマーケプランナー)
    「日本のファンは“推し作品とパーク体験を守ってほしい”という感情が強い。今後ディズニーがPRを縮小すると、熱量高いUGC(ユーザー生成コンテンツ)がブランド維持の鍵になる」


7.日本人ファン・投資家が取るべきアクション

  1. 情報のアップデートを怠らない
    レイオフの進捗は段階的に判明する。公式IRと業界メディアの両方をチェックし、噂レベルの情報拡散は避ける。

  2. “本社動向 ≠ パーク運営”を理解
    OLCの決算では22~24年度にかけて売上・利益とも過去最高を更新。日本のパークに直ちに大規模リストラが波及する可能性は低い。

  3. UGC発信でブランドを支援
    SNSでポジティブな体験談やクリエイティブな二次創作を発信することが、公式の宣伝費縮小を補完しうる。


8.おわりに――“魔法”を支えるのは誰か

ウォルト・ディズニーのレガシーは「人材によって魔法が生まれる」ことだった。今回のレイオフは、コスト削減と未来への投資の境目を見極める“経営の綱渡り”を露わにしたと言える。日本のファンにとっても他人事ではない。作品・パーク体験・コミュニティ――そのどれもがグローバルなサプライチェーンと労働環境に依存しているからだ。

「物語の裏には必ず“人”がいる」。
この当たり前の前提が揺らぐとき、私たちの目に映るディズニーの“魔法”は、どんな色に変わるのだろうか。



参考記事

ディズニー、世界中で数百人の従業員を解雇
出典: https://www.mymotherlode.com/entertainment/3953220/disney-laying-off-several-hundred-employees-worldwide.html

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