メインコンテンツにスキップ
ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア ロゴ
  • 記事一覧
  • 🗒️ 新規登録
  • 🔑 ログイン
    • English
    • 中文
    • Español
    • Français
    • 한국어
    • Deutsch
    • ภาษาไทย
    • हिंदी
クッキーの使用について

当サイトでは、サービスの向上とユーザー体験の最適化のためにクッキーを使用しています。 プライバシーポリシー および クッキーポリシー をご確認ください。

クッキー設定

クッキーの使用について詳細な設定を行うことができます。

必須クッキー

サイトの基本機能に必要なクッキーです。これらは無効にできません。

分析クッキー

サイトの使用状況を分析し、サービス向上に役立てるためのクッキーです。

マーケティングクッキー

パーソナライズされた広告を表示するためのクッキーです。

機能クッキー

ユーザー設定や言語選択などの機能を提供するクッキーです。

上海発デフレ・スパイラル:SNSがざわつく“チャイナリスク”の現在地

上海発デフレ・スパイラル:SNSがざわつく“チャイナリスク”の現在地

2025年06月09日 12:05

1. なぜ今、中国で“価格が落ち続ける”のか

6月8日夜に公表された国家統計局データによれば、2025年5月のCPIは前年同月比▲0.1%と4か月連続のマイナス。PPIは▲3.3%と22か月ぶりの大幅下落に沈んだ。infomoney.com.brreuters.com
背景には〈①不動産不況〉〈②関税引き上げによる輸出停滞〉〈③自動車・家電の価格競争激化〉の三重苦がある。特にEV販売での「値下げ合戦」は、政府が“価格戦争の終息”を要請するまで過熱した。reuters.com


2. 政府のテコ入れ策は効いているのか

人民銀行は5月に7日物リバースレポ金利を2.15%へ引き下げ、主要商業銀行の預金準備率を平均0.25ポイント減らした。しかし、利下げ効果は住宅ローン金利には十分波及せず、新規住宅販売は前年同月比▲8.2%。金融緩和と不動産抑制策が綱引きを続けている格好だ。scmp.com


3. 中国国内SNSの声――「#通縮(トンスオ)」「#値下げ生存戦」

微博(Weibo)では〈#通縮=通貨収縮〉という新造語が拡散し、「給料は据え置きで物価だけ下がる偽の幸福感」との皮肉が目立つ。一方、小紅書では節約術や“値下げ待ちカレンダー”が人気投稿の上位を占め、消費マインドの冷え込みを裏づける。note上でも「デフレは国内需要の弱さのサイン」とする分析記事が注目を集めた。note.com


4. 日本のSNSがざわついた理由

X(旧Twitter)では6月9日未明から〈#中国デフレ〉〈#輸出ダメージ〉が一時トレンド入り。「中国が“日本化”すれば世界は再デフレ時代へ」「円高を呼ぶ悪い円安修正だ」との声が多い。日経平均先物は同日早朝に200円下落したあと戻したが、商社・機械株中心に売りが先行した。


5. 足元の実体経済インパクト――数字で読む日中リンク

  • 日本の対中輸出(2024年実績):22.4兆円

    • うち資本財(機械・電気機器)が43%

    • 対中輸出1%減は日本の実質GDPを0.05ポイント押し下げ

  • 中国からの訪日客:1~4月累計269万人(2019年比▲38%)

    • 航空券・ホテル料金が円高で割安になる反面、中国国内の所得停滞が訪日意欲を抑制

  • 輸入物価への波及:輸入コアCPI押し下げ効果▲0.1~▲0.2ポイント(みずほリサーチ試算)


6. 産業ごとの明暗

セクターネガティブ要因部分的な追い風代表銘柄例
自動車(完成車)価格競争激化で現地利益率低下部品輸入コスト減トヨタ、日産
建設機械インフラ投資の鈍化円高で資材調達コスト減コマツ、日立建機
化学・素材余剰生産能力→市況下落原料安でマージン下支え住友化学、信越化学
小売・外食中国人観光客の消費減円高で越境EC拡大高島屋、ファーストリテイリング


7. 金融市場は何を織り込むか

金利市場では「中国発デフレ」が世界長期金利を押し下げるとの見方が優勢だ。10年国債利回りは米、中、独のいずれも6月第一週に5〜10bp低下。為替市場では“円キャリー”解消でドル円が一時153円台→150円台へ。日銀の政策正常化観測が再燃し、長期金利は0.9%台維持。


8. 「中国の良いデフレ、日本の悪いデフレ」再び?

2000年代前半に指摘された“良いデフレ”論――中国の安価な輸出品が世界物価を下げ、先進国に実質所得向上をもたらす――が再度議論されている。Newsweek Japanは「習主席は『デフレの何が悪い』と発言した」と報道し、賃金停滞を抱える日本のネット民からは皮肉混じりの共感が寄せられた。newsweekjapan.jp


9. シナリオ分析

シナリオ物価動向政策対応日本への波及確率
①短期回復24年下期にCPIプラス圏へ大規模財政・住宅刺激策輸出回復、円安戻り25%
②中期停滞(ベース)26年までCPI0%±0.5%小出し緩和継続輸出減・輸入物価安の相殺50%
③デフレスパイラル深化CPI▲1%台へ人民元追加切り下げ円高加速、株安25%


10. 日本の政策・企業戦略への示唆

  1. 輸出依存度の再点検:対中売上20%超企業は為替ヘッジ比率を引き上げ。

  2. 価格転嫁力の強化:中国製品の値下げ圧力に対抗するため「国際価格×円高」環境下でも収益を確保できる高付加価値モデル構築が急務。

  3. インバウンド多角化:ASEAN・欧州からの旅行需要を深掘りし、中国依存を低減。

  4. 政策面:日本政府はエネルギーコスト低下を利用したグリーン投資促進と、賃上げ税制の拡充で“良いデフレ”を“スタグネ”に転落させない防波堤を築くべきだ。


11. 結語

中国は依然4~5%の実質成長を保つものの、構造的な過剰供給と所得格差が物価を抑え込む状況は簡単には解けない。日本にとっては「輸出の細り」と「低インフレの恩恵」という相反する影響が表裏一体で訪れる。デフレ発の震源地が日中逆転する現実を直視し、企業も投資家も“ポスト・チャイナ”時代の耐久力を高めるフェーズに入ったと言えよう。



参考文献・出典

  • InfoMoney「Preços ao consumidor na China caem pelo 4º mês…」2025/6/8infomoney.com.br

  • Reuters “China’s factory-gate deflation worst in 22 months…” 2025/6/9reuters.com

  • South China Morning Post “China’s consumer prices fall in April…” 2025/5/10scmp.com

  • note.com「中国デフレは国内需要の弱さのサインです」2025/3/14note.com

  • Newsweek日本版「中国経済の失速・デフレ化が世界金融市場の“無視できないリスク”」2025/1/12newsweekjapan.jp


参考記事

中国の消費者物価が4か月連続で下落、デフレ懸念が高まる
出典: https://www.infomoney.com.br/economia/precos-ao-consumidor-na-china-caem-pelo-4o-mes-seguido-aumentando-temor-de-deflacao/

← 記事一覧に戻る

お問い合わせ |  利用規約 |  プライバシーポリシー |  クッキーポリシー |  クッキー設定

© Copyright ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア All rights reserved.