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15%が返済不能:インド経済を揺さぶるカード破綻の連鎖

15%が返済不能:インド経済を揺さぶるカード破綻の連鎖

2025年07月31日 00:38

1. はじめに—「15%」という衝撃

「インド人が負うクレジットカード債務100ルピーのうち15ルピーは、督促から90日を過ぎても返ってこない」——NDTV Profitが7月30日に報じたこの数字は、市場関係者に大きなショックを与えた。信用情報機関CRIF Highmarkのデータによると、90日超延滞率は2023年3月の12.6%、2024年3月の12.5%からわずか2年で15%へ急拡大している。NDTV Profit


2. 急拡大する未払い残高と家計債務

より深刻なのが残高ベースの増加だ。インド準備銀行(RBI)の統計では、90日以上の延滞額は前年比44%増の3兆3,886億ルピー(約6.2兆円)に膨張。リテール向け信用全体の伸びは一桁台に鈍化し、金融緩和で狙った「消費刺激策」が逆作用しかねない状況だ。Reuters


3. 「借金で回す生活費」——若者ほど脆弱

カード残高の増加を牽引してきたのはZ世代・ミレニアル世代だ。マッコーリーのレポートは「若年層は限度額を使い切った段階で返済を放棄し、即座にNPA(不良資産)化するケースが増えている」と指摘。若者主導のデフォルト率上昇は2024年6月時点で1.8%へ達した。The Times of India


4. 発行枚数急減とRBIのリスクウエイト引き上げ

デフォルト率の悪化と規制強化が重なり、2024年度の新規カード発行枚数は2,160万枚と前年度比26%減。とくに2023年11月のRBIによるリスクウエイト引き上げ(+25%)は、銀行やノンバンクに与信抑制を迫った。結果、プライム層へのシフトが進む一方、信用履歴の浅い層は“金融の周縁”に追いやられている。NDTV Profit


5. SNSで噴出する「#DebtTrap」の叫び

クレジットカード危機はSNS上でも大きな話題だ。以下はX(旧Twitter)に7月下旬から投稿された主な反応(内容を要約)。

投稿者(匿名)要旨いいね数
若手ITエンジニア「年利42%でリボ払いしてたら給料日が地獄。ポイントより金利を学べ!」5.2k
家計アカ「DesiMoneyMom」「#DebtTrap から抜ける第一歩は“最低額+α”の支払い。ボーナスで一括返済した!」3.8k
経済ジャーナリスト「RBIは利下げを進めても与信縮小で消費は冷える。スタグフレーションの火種」2.1k
学生団体「大学生へのカード勧誘を禁止せよ。生活費を借金で賄うのは危険」1.6k

ハッシュタグ「#CreditCardCrisis」「#EMIEverywhere」が急速に拡散し、カード破綻体験を共有するスレッドが増えている。


6. 銀行・フィンテックの対応

  • 銀行大手(HDFC、ICICIなど):FICOスコア基準を引き上げ、無担保残高を縮小。

  • フィンテック:後払い(BNPL)やUPIリンク型の小口与信へ軸足を移し、リスク分散を図る。

  • 債権回収:AIベースのカスタマーセグメンテーションで早期督促を強化。ソフト債権回収のチャットボット導入が進む。

  • 規制当局:RBIは24年末に続いて25年6月、ストレステスト結果を公表。個人向け無担保与信のさらなる資本規制を検討している。The Indian Express


7. 経済全体への波及リスク

「カード関連NPAがピークアウトするには4〜6四半期を要する」との市場予想もある。消費のミクロ加速がマクロで減速に転じる可能性をRBI自身が6月の金融安定報告書で示唆しており、家計所得の停滞と高インフレが重なる最悪シナリオでは、GDP成長率が1ポイント押し下げられるとの試算も出ている。Reuters


8. 今後のシナリオと処方箋

  1. ソフトランディングシナリオ

    • 実質賃金が2026年にプラス圏へ回復

    • 与信回復まで「Buy Now Pay Later」や共同担保型ローンが空白を埋める

  2. ハードランディングシナリオ

    • デフォルト率がさらに5ポイント悪化し、銀行の引当金積み増しで貸出全体が萎縮

    • 消費停滞が長期化し、2026年度成長率が4%台前半に低下


金融リテラシー向上策として、政府は全国教育カリキュラムに「クレジット教育」科目を導入予定だ。フィンテック各社はゲーミフィケーションを使った「デビットファースト」アプリを展開し、利用者に即時決済を促す動きを強めている。


9. おわりに

「クレジットカードは便利だが、無知は高くつく」——インドで今まさに起きているのは、利便性とリスクのバランスを誤ったツケの清算だ。90日延滞率15%という警告灯は、家計の可処分所得や金融教育だけでなく、国家の成長モデルそのものを問い直している。今後、政策当局・金融機関・消費者が三位一体で“プラスチック債務危機”をどう鎮めるかが、インド経済の持続的成長を占う試金石となる。


参考記事

インド人に返済問題が発生、クレジットカードのデフォルトが15%に急増
出典: https://www.ndtvprofit.com/business/indians-show-a-repayment-problem-credit-card-defaults-jump-to-15

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