驚きの健康効果!キウイとパイナップルの皮を食べるべき理由

驚きの健康効果!キウイとパイナップルの皮を食べるべき理由

キウイは皮ごと、パイナップルは?「捨てる部分の栄養」を正しく読み解く

キウイを半分に切って、スプーンですくう。パイナップルの皮を厚めに切り落とす。いつもの台所で、私たちはほとんど無意識に「食べる部分」と「捨てる部分」を分けている。

ところが、その境界線を見直すニュースが英国から届いた。BBCが掲げた動画タイトルは「Why you should eat kiwi and pineapple skins」。日本語にすれば、「キウイやパイナップルの皮を食べるべき理由」という、思わず二度見する見出しだ。

キウイなら想像できても、あの硬いパイナップルの皮まで食べるのか。そう驚いた人もいるだろう。

ここで先に押さえたいのは、皮に栄養が含まれることと、皮をそのまま口に入れることは、同じ話ではないという点だ。今回のニュースは、果物を丸かじりする競争ではなく、食材の使い方を見直すきっかけとして読むと、その意味が見えてくる。


英国研究が調べたのは、いつも捨てている部分

キングス・カレッジ・ロンドンが2026年10月30日に発表した研究では、英国で一般的な12種類の青果について、普段食べる部分と捨てられやすい部分の食物繊維を比較した。

その結果、10種類で、皮や茎などの部分のほうが食物繊維を多く含んでいた。ただし例外もあり、ブロッコリーの茎は、普段よく食べる花蕾より少なかった。

つまり、「外側なら必ず栄養が多い」という単純な法則ではない。食材と部位によって違う、というのが出発点になる。

研究が紹介するのは「ルート・トゥ・ティップ」という考え方だ。根元から先端まで、食用にできる部分をできるだけ生かす。ただし、この成分比較だけで、特定の皮を食べれば病気を防げると結論づけることはできない。


キウイの皮は食べられる。「50%増」は品種にも注目

まず、キウイの皮については、日本でも販売元のゼスプリが「食べられる」と案内している。食べる前によく洗うことが前提だ。

同社のデータでは、グリーンキウイは果肉2個分に食物繊維が4グラム含まれ、皮ごとならさらに1グラムを加えられる。一方、サンゴールドは果肉2個分で2グラム、皮ごとでは50%多く摂取できるとしている。

ここは数字の読み方が大切だ。「皮ごとなら50%増える」という説明を、すべてのキウイに一律に当てはめるべきではない。また、これらは同社の調査に基づく数値である。

試すなら、よく洗ったキウイを皮ごと薄く輪切りにする方法がある。いきなり丸かじりする必要はない。サラダに混ぜるなど、ほかの食材と組み合わせる方法も紹介されている。

皮をむくか、残すかは二者択一の健康テストではない。まず一切れ食べて、自分がおいしいと感じるかどうかを確かめればよい。


パイナップルの「皮」と「芯」は分けて考える

キウイと同じ感覚で扱いにくいのが、パイナップルだ。

BBCの関連配信記事では、栄養士のカーステン・ジャクソン氏が、芯をスムージーに混ぜる方法を提案する一方、硬い皮については勧めないと述べている。

同じ果実の一部でも、柔らかい果肉、繊維の強い芯、硬い外皮では、食べやすさが違う。見出しに「パイナップルの皮」とあっても、家庭で外皮にかじりつくことを推奨する記事として受け取るのは適切ではない。

パイナップルの加工残さを扱う研究では、皮や芯などから成分を取り出し、食品などに利用する可能性も検討されている。こうした研究は、これまで廃棄していたものを資源として見直すうえで重要だ。

ただし、工場で成分を抽出・加工することと、家庭で生の皮を食べることには大きな隔たりがある。「有用な成分が含まれる」という情報だけでは、家庭向けの調理法や適量まで決まらない。


「酵素があるから健康にいい」という飛躍にも注意

パイナップルの話では、たんぱく質を分解する酵素の混合物「ブロメライン」もよく登場する。

しかし、成分の働きを紹介する研究を、そのまま「皮を食べれば体に効く」という結論につなげることはできない。濃縮した製品を使う研究と、食品として少量食べる場合では、量も条件も異なるからだ。

米国の国立補完統合衛生センターは、ブロメラインについて、用途ごとの研究状況や安全性を整理している。こうした資料を読むときも、対象が食品なのか、サプリメントなのか、医薬品なのかを区別する必要がある。

今回の話題で注目すべきなのは、特別な健康効果を求めて硬い皮を食べることではない。普段の食事で使っていなかった部分に、どんな利用の余地があるかという点だ。


SNSでは「皮がおいしい」と「食感が無理」が共存

では、実際にキウイを皮ごと食べている人は、どう感じているのだろうか。

 

海外掲示板Redditでは、以前からキウイの皮をめぐる投稿がある。「Anyone else eat the kiwi skin?」というスレッドでは、投稿者が、食べられると調べて知り、味も気に入ったという趣旨の体験を紹介していた。

一方、「Kiwi skin」という別のスレッドには、栄養への関心を示しながらも、皮の食感を好まないという意見が見られる。

さらに、皮ごと食べることを好む投稿では、周囲に話すと奇妙な目で見られる、といった経験も語られている。

これらは今回のBBC動画に対する反応でも、世論を代表する調査でもない。それでも、皮ごと食べる習慣が広がる際に何が壁になるのかはうかがえる。栄養の説明だけでは、口の中で感じるざらつきや、長年の食べ方への慣れは簡単に変わらない。

「食べられる」と知ることと、「また食べたい」と思うこと。その間をつなぐには、調理の工夫が必要なのだ。


まずは流水で洗う。皮をむく場合も同じ

皮を食べるかどうかを考える前に、基本として押さえたいのが洗浄だ。

米食品医薬品局(FDA)は、果物や野菜を調理・喫食する前に流水でよく洗うよう案内している。皮を食べない場合も、切ったりむいたりするときに表面の汚れや細菌が内部へ移る可能性があるため、先に洗うことが大切だという。

同局は、石けんや家庭用洗剤を使って青果を洗うことを勧めていない。また、洗浄は細菌を減らすことには役立つが、すべてを取り除くわけではない。

「洗えば何でも食べられる」と考えるのも間違いだ。傷みや腐敗があるものを、食品ロス削減のために無理に食べる必要はない。

食材を大切にすることと、安全を確保することは、両立させてこそ意味がある。


日本の食卓なら、「全部」より「一品だけ」から

この話題を日本の家庭に取り入れるなら、最初からパイナップルの外皮に挑戦する必要はない。

例えば、普段はむいているキウイを、一切れだけ皮付きにしてみる。いつも捨てるブロッコリーの茎を、食べやすく切って料理に加える。大切なのは、「捨てないこと」を目標にする前に、「おいしく食べ切れること」を確かめることだ。

食物繊維についても、一度に増やせばよいわけではない。BBCの関連報道では、お腹の張りを避けるために徐々に増やすことや、過敏性腸症候群の人では負担になる場合があることが指摘されている。

また、ゼスプリも、消化機能が未発達な子どもや胃腸が弱い人には、皮をむく食べ方を勧めている。

家族全員が同じ食べ方をする必要はない。皮付きが好きな人はそのまま、苦手な人はむいて食べる。それで果物を食べる楽しさが保たれるなら、十分に合理的な選択だ。


捨てる前に考える。でも、無理には食べない

「皮に栄養がある」と聞くと、これまで捨てていた自分が損をしていたように感じるかもしれない。

けれど、このニュースから受け取るべきなのは、食卓に新しい義務を増やすメッセージではない。いつもの下ごしらえには、まだ選び直せる部分があるということだ。

食べられる部分を知る。食材に合う方法を選ぶ。おいしくなければ別の使い方を考える。それでも合わなければ、無理をしない。

キウイの薄い皮と、パイナップルの硬い外皮を同じものとして扱わず、それぞれの性質を見極める。そうした小さな判断の積み重ねが、健康の話題を、一過性の流行から日々の料理へと変えていく。


出典・参考資料

  1. BBC News:今回のテーマとなった動画
    https://www.bbc.com/news/videos/cx30e2v3m3vqo

  2. キングス・カレッジ・ロンドン:研究機関による発表
    12種類の青果における部位別の食物繊維比較と、「root-to-tip」の考え方を確認しました。King's College London
    https://www.kcl.ac.uk/news/eating-root-to-tip-could-help-your-health-and-the-planet

  3. BBCの関連配信記事(AOL掲載):研究の紹介と栄養士の注意点
    パイナップルの芯と硬い皮の扱いの違い、食物繊維を徐々に増やす注意点を参照しました。AOL
    https://www.aol.co.uk/articles/biggest-fibre-boost-could-scraps-004035000.html

  4. ゼスプリ公式:キウイの皮の食べ方と栄養成分
    品種別の食物繊維の数値、洗浄、輪切りやサラダでの食べ方を確認しました。数値は同社調べです。ゼスプリ公式
    https://www.zespri.com/ja-JP/blogdetail/can-i-eat-the-skin-of-kiwifruit

  5. ゼスプリ公式:キウイに関する解説
    子どもや胃腸が弱い人には皮をむくことを勧める案内を参照しました。ゼスプリ公式
    https://www.zespri.com/ja-JP/blogdetail/mottainai_kiwi_myths

  6. 学術レビュー:パイナップル加工残さの成分抽出・利用
    皮や芯などの資源利用に関する研究背景。生の外皮を家庭で食べることを推奨する資料ではありません。PMC
    https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9525513/

  7. 米国NCCIH:ブロメラインの研究状況と安全性
    食品、サプリメント、医薬品の話を区別するための参考資料です。NCCIH
    https://www.nccih.nih.gov/health/bromelain

  8. 米国FDA:青果の安全な取り扱い
    流水での洗浄、皮をむく前にも洗う理由、洗剤を使わないことなどを確認しました。FDA
    https://www.fda.gov/food/buy-store-serve-safe-food/selecting-and-serving-produce-safely

  9. Reddit:キウイの皮をめぐる公開投稿
    味を好む意見、食感を苦手とする意見、周囲の反応についての体験談。検索で確認できた投稿の範囲を要約しており、今回の報道への直接反応ではありません。reddit.com
    https://www.reddit.com/r/fruit/comments/1d4xime/
    https://www.reddit.com/r/fruit/comments/1jy6oel/
    https://www.reddit.com/r/unpopularopinion/comments/1habyb7/