科学の記事一覧 - 3ページ目

132件の記事があります

北極海には、海底の嫌気的メタン酸化(AOM)が水柱の好気的酸化(AeOM)へ切り替わる「メタン・スイッチ」が存在し、PETM期(約5600万年前)には北極海をCO₂の発生源へ転じさせ、温暖化と酸性化を長引かせた可能性がある。鍵は低硫酸・淡水化・酸素減。現代の北極でも類似条件が進行しつつあり、監...

フィンランドの全国調査をもとに、森が日々の幸福感に寄与する仕組みを「Forest Happiness」として整理。幸福は①自然に近い森への深い愛着、②ベリーやキノコ採りなど“実践的活動”、③通勤・散歩などの“接触”という三つの次元から生まれる。一方、皆伐やごみ、...

東アフリカ沖の無人島・ラザム島で、ワイツマン科学研究所のチームがエジプトオオコウモリの自由飛行中に単一ニューロン活動を野外で初記録。頭方位細胞が島全体で一貫した“グローバルなコンパス”を示し、月や星の有無に依存しないことを科学誌 Science...

米デザート研究所(DRI)らの新研究は、家庭用乾燥機の排気がマイクロファイバー(微細な繊維)の重要な発生源であることを市民科学で実証した。米国の電気乾燥機と家計の乾燥回数を踏まえ、年間3,543トンが空気中へ放出されると推定。排出の多くはコットン等の天然由来繊維で、平均すると1回の乾燥で約13...

10月14日(日本時間)にPhys.orgが報じた研究は、飲酒関連肝疾患(ARLD)の炎症と瘢痕化(線維化)を、肝臓の免疫番人であるクッパー細胞(Kupffer細胞)へ直接アプローチするナノ粒子で食い止めようという試みだ。粒子は生分解性のPLGAに、酸性環境で薬を放出するCMCコーティングと、...

男性は加齢に伴い、女性より広い脳領域で体積が減少することが最新の縦断研究で示された。しかし、これは女性にアルツハイマー病(AD)が多い“女性過多”の要因を説明しない。研究は頭蓋サイズや教育、さらには「死への近接」まで調整しつつ、健常加齢の性差とADの性差が一致しないことを明確化した。実際、米国...

ハダカデバネズミの長寿の一因を、DNA損傷センサーcGASの“仕様違い”が説明する可能性が示された。ヒトやマウスではcGASが相同組換え修復(HR)を抑えるのに対し、ハダカデバネズミでは4つのアミノ酸置換によりHRを促進、FANCIやRAD50の動員が高まり、損傷後もcGASが分解されにくい。...

ラパ・ヌイ(イースター島)の巨大石像モアイがどのように運ばれたのか――長年の謎に対し、ビンガムトン大学などの研究チームが「直立させたまま“歩かせた”」という仮説を3Dモデリングと野外実験で裏づけた。モアイには前傾姿勢やD字型の広い底面といった“歩行”に適した形状があり、両脇と後方に張ったロープ...

ハンガリーのエトヴェシュ・ロラーンド大学(ELTE)による総説が、「犬は人間のように話せるのか」を最新知見で検証した。結論は慎重で、犬は人間指向の社会性やコミュニケーション能力を獲得しているが、解剖学(発声器官・声道制御)と認知(音声模倣・語の構成)に根本的な壁があり、人間と同等の音声言語は現...

ドイツ・ケルン大学とデュッセルドルフ大学の研究チームが、ユビキチンの“延長版”前駆体 CxUb(C-terminally extended ubiquitin)...

痛覚受容体チャネルTRPA1がカルシウム流入後に素早く不活化(デサンシタイゼーション)する分子機構について、カルモジュリン(CaM)が遠位C末端の新規結合部位(DCTCaMBE)に主にCローブで結合し、チャネルを“締める”役を担うことが示された。結合を壊すと過活動化と不活化遅延が生じ、細胞外C...

オーストラリアの小児病院・研究機関が、従来の検査では見落とされがちな微小な脳病変を見つけ出すAIツールを報告した。小児てんかんでは、焦点(原因となる脳の一部)を特定できれば外科手術で発作が止まる可能性があるが、MRIで写りにくい“ごく小さな異常”が壁になってきた。新しいAIは脳画像のパターンを...

オランダ/米国のuniQureが開発中のハンチントン病遺伝子治療AMT-130が、初期患者を対象とした第1/2相試験で36か月時点の主要評価項目を達成。高用量群で病勢進行の複合指標cUHDRSが外部対照に比べ75%減速し、機能指標TFCでも60%の減速を示した。安全性はおおむね許容範囲で、MR...

オーストラリアと英国の研究チームが、ハイゼンベルクの不確定性原理を破らずに“回り込む”測定法を実証した。位置や運動量の絶対値ではなく、一定スケールに対するズレ(モジュラー量)にだけ注目し、不要な全体情報を捨てることで欲しい部分の精度を上げる。単一のトラップドイオンをグリッド状態に整形し、極微の...

中国・湖北省で1990年に発見された歪んだ化石頭骨「雲仙2号」を最新のCTや構造光でデジタル再構成した結果、人類系統の分岐は従来より約40万~50万年早く、約100万年前には多系統化が進んでいた可能性が浮上した。形態はホモ・エレクトス的な要素と、Homo...

情報そのものを物理の最下層に置く「量子メモリ行列(QMM)」は、時空を離散セルの集合とみなし、各セルが相互作用の“痕跡”を記録すると仮定する。これにより、ブラックホールの情報問題を回避しつつ、インプリントの凝集=暗黒物質的ふるまい、**記憶容量の飽和=宇宙定数様の寄与(暗黒エネルギー)**を導...

Natureに掲載されたUCデービスの研究は、減数分裂で生じる“二重ホリデイ接合(dHJ)”を守る分子機構を、出芽酵母で分子操作と時間制御を組み合わせて実証した。姉妹染色分体を束ねるコヒーシンがdHJを保護し、STR/Bloom複合体による早期解体を抑えることで、染色体同士の“結束”が維持され...

米バージニア工科大学(Virginia Tech)の研究チームが、吸血しないオス蚊だけを効率的に生産する新しい遺伝学的手法「DeMark(Differential elimination of marked sex...

2025年に公表されたUKバイオバンクの縦断研究は、新型コロナ感染後にAβ42:Aβ40比の低下やpTau-181の上昇といったアルツハイマー病関連バイオマーカーの変化を示し、重症化や高血圧の人で変化が強いと報告した(因果関係は未確定)。一方、15研究・約2,640万人を統合したメタ解析では、...

ノッティンガム大学と上海交通大学は、根が重力方向へ曲がる屈地性の核心を解明した。重力で偏在したオーキシンがOsILA1というキナーゼ経路を介して根の“下側”の細胞壁を強化し、下側の伸長を止める一方、上側は伸び続けることで弧を描く。OsILA1変異体では重力刺激後の屈地性が弱く、メカニズムの鍵で...