科学の記事一覧 - 3ページ目

93件の記事があります

UCSFが脳の老化と記憶低下の中心分子として、鉄関連タンパク質FTL1を特定。老齢マウスの海馬でFTL1が増えており、その増加がシナプス喪失と認知機能低下に結びつくことを示した。若いマウスでFTL1を増やすと“老化様”変化が誘導され、逆に老いたマウスでFTL1を下げるとシナプス指標が回復し、記...

羊毛などに含まれるケラチンを歯面に塗布すると、唾液のカルシウム・リン酸と反応してエナメル様の結晶層をつくり、初期むし歯の進行を止める可能性が示された。研究はキングス・カレッジ・ロンドンらのチームが実施し、論文はAdvanced Healthcare...

ニュージーランド・オタゴ大学の研究チームが、発酵中のビールに800〜2000Hzの白色雑音を線形アクチュエータ(LAT)で与えると、酵母がより長く液中に滞留し増殖が促進され、発酵が21〜31時間短縮されることを報告した。香味の鍵となる揮発性成分(VOC)の組成への影響は小さく、風味は大きく変わ...

結論から言えば、「特定の食べ物を食べればがんが治る」という科学的根拠はありません。がんは遺伝子変異や慢性炎症、ホルモンや免疫など多要因で進展する病気であり、食事だけで既存のがんを治癒させることはできません。一方で、**がんになるリスク(一次予防)**は生活習慣と密接に関わります。世界がん研究基...

ブラジルUOLのVivaBemが8月17日に配信した記事(英The...

ロイヤル・ホロウェイ大学の最新研究によると、人生経験が豊富な人々は日々の出来事をより明確に理解する能力を持っていることが判明しました。この研究は、社交的な生活を送ることで日常の経験を小さな出来事として心の中で整理できる一方、孤立した人々はそれを一続きのものとして捉える傾向があることを示していま...

米バーモント大学のデニス・クラフティ(Dennis P. Clougherty)教授とナム・ディン(Nam H....

フロリダ国際大学(FIU)の最新研究は、3〜7歳の幼児が大人と同じ“メンタルローテーション”戦略(全体を一気に回す)でパズルを解けることを視線計測で示した。空間推論はSTEMや読解の予測因子であり、幼児期に積み木・パズルと**空間ことば(上・下・角・大きい・遠い等)**で支えることが効果的だと...

ドイツ・エッセンの研究チームが、BAP1変異がんに共通する“弱点”をSRC—BECN1—オートファジーの回路として特定。これに対しSRC阻害薬(ダサチニブ等)とオートファジー誘導剤(Tat-BECN1等)の併用で相乗効果を示し、培養細胞・CAMアッセイ・患者由来オルガノイドまで一貫した有望性を...

ミシガン州立大の研究(3〜6歳・約1,000人)によると、紙中心の活動(書字・街中の文字探し・音韻遊び)は初期リテラシーの伸びと強く結び付き、文字学習ゲーム(デジ/アナ)の多用はむしろ成績と負の関連が見られた。読み聞かせは典型発達の子で効果が明確。研究者はデジタル排除ではなく「補助」に位置づけ...

米イェール大学とオハイオ州立大の研究チームは、退院直後の自殺ハイリスク患者339人を対象に自殺特化型のスマホ治療アプリ「OTX-202」を検証した多施設二重盲検RCTをJAMA Network...

Swansea大学らの国際チームは、細胞表面糖鎖(ポリシアロシド)を模倣した糖コーティング高分子ナノ粒子でSARS-CoV-2の感染を98.6%抑えた(培養ヒト肺細胞)。ワクチンや経口薬と異なり、粒子表面の糖鎖がデコイとしてスパイクを吸着し、細胞への取り付き自体を妨げる「物理バリア」型の戦略。...

MITの研究チームは、硫酸と含窒素有機物が反応して「イオン液体」と呼ばれる塩の液体が自然に生成しうることを実験で示した。イオン液体は蒸発しにくく、高温・低圧でも安定に存在できるため、水が液体になれない温暖で大気の薄い岩石惑星でも、局所的な“液体のポケット”が形成され得る。これは「生命には水が必...

上位数%の長期生存者“がんスーパーサバイバー”の生物学を集約し、新しい治療標的やバイオマーカーへ翻訳する動きが加速している。Cure51のロザリンド研究は、膵がん・広範期小細胞肺がん・IDH野生型膠芽腫の長期生存者だけを1,000例規模で集め、腫瘍・免疫・遺伝子を横断解析する野心的プロジェクト...

IFLScienceが伝えた最新研究によれば、ホホジロザメでは核DNAが世界各地でほぼ同じなのに、ミトコンドリアDNA(母系遺伝)だけが地域ごとに大きく違うという“二重の物語”が長年確認されてきた。従来は「雌は繁殖地に戻る(フィロパトリー)一方、雄が遠距離移動して核DNAを混ぜる」ことで説明さ...

ウガンダ・キバレ国立公園のチンパンジー22頭を対象にした最新研究※1により、コミュニケーション様式(鳴き声と身振りの組み合わせ)は母系から学習され、父系の影響はほぼ見られないことが判明した。母親が多彩なボーカル-ビジュアル連係を用いる家系の子は成長後も同様のスタイルを示し、10歳を超えて独立し...

スズメバチやアシナガバチは「危険」の烙印を押されがちだが、実は害虫駆除・受粉・医薬応用という三つの恩恵をもたらす。UCLのセリアン・サムナー教授監修の展覧会「World of...

ラゴット・ロマニョーロ犬の鋭い嗅覚と手のひらサイズのDNAシークエンサーという“生物学×半導体”の連携により、米フロリダ大学チームは3種の新トリュフを同時記載した。北米産「Leucangium...

フランスのウェルネスメディアが「蚊に好かれる肌」という俗説を否定し、刺されやすさは①呼気CO₂、②汗に含まれる有機酸、③血液型・遺伝子・服の色の3要因で説明できると発表。米ロックフェラー大は体臭中のカルボン酸が蚊を強く誘引する決定的証拠を提示した。日本でも暗色の服・夕方の屋外でリスク増との調査...

2003〜2021年の衛星観測データを解析した最新研究※1によると、地球全体の光合成量(正味一次生産=NPP)は年平均0.1 GtC増加した。その牽引役は北半球の温帯〜亜寒帯に広がる森林で、温暖化による生育期延長や降水増で年0.2...

モントリオール大学IRExの研究チームは2025年7月31日、地球からわずか35光年先の赤色矮星系 L 98-59 に、ハビタブル・ゾーン内を公転する5番目の惑星 L 98-59 f...

NYUアブダビのディミトラ・アトリ准教授らは、銀河宇宙線が地下の水や氷に衝突して電子を生む「放射線分解」が微生物のエネルギー源になり得ることを数値計算で示した。火星、エウロパ、エンケラドスで放射線由来エネルギーの収支を比較すると、最も生命存続の可能性が高いのはエンケラドスで、次に火星、エウロパ...