科学の記事一覧

146件の記事があります

米ペンシルベニア州立大などの研究チームは、出生前にオピオイドへ曝露され新生児離脱症候群(NAS)の既往を持つ子どもでも、社会経済要因や教育環境を考慮すると、学齢期の教室成績は大きくは変わらないと報告した。英語では差がほぼ見られず、数学では小さな差が残った一方、学校の質、母親の学歴、家計状況など...

サンショウウオやゼブラフィッシュ、マウスを比較した研究から、四肢や指先の再生に関わる共通遺伝子「SP6」「SP8」が重要な役割を果たすことが明らかになった。研究チームは、これらの遺伝子が働かないマウスに対し、下流で作用する「FGF8」を遺伝子治療で届けることで、指先の骨再生を一部回復させること...

MITの研究チームは、発がん性が疑われる化学物質「NDMA」に若い時期にさらされると、大人よりもDNA損傷やがんの発生が起きやすくなる可能性があると報告した。マウス実験では、幼若期にNDMAを含む水を飲んだ個体で、DNAの二本鎖切断や突然変異、肝がんの発生が増えたという。NDMAは工場由来の水...

胃がんの主要な危険因子として知られるヘリコバクター・ピロリ菌に対し、ドイツ・ミュンヘン工科大学の研究チームが、既存薬メトロニダゾールを化学修飾した新候補薬を開発した。論文では、通常株だけでなく耐性株にも強い活性を示し、マウスでは低用量で感染を完全除去。しかも腸内細菌叢への影響が比較的小さい可能...

ブラジルの研究チームとバイオテック企業が開発した乳がん向け血液検査「RosalindTest」は、初期研究で約95%の精度を示し、採血だけで早期の異変を捉える可能性があるとして注目を集めている。HIF-1αやGLUT1といった腫瘍関連の分子変化を血液中から読み取る仕組みで、マンモグラフィの代替...

細胞は、自分が直接触れている足場だけを感じて動いている――そんな従来像を揺るがす研究が報告された。単独の異常細胞は約10マイクロメートル先、上皮細胞の集団は協調して最大100マイクロメートル先の硬さまで読み取り、進む方向や散らばり方を変えるという。鍵は、周囲のコラーゲンを集団で変形させる力だ。...

菌類が、水を比較的高い氷点下で凍らせる「氷核化タンパク質」を持つことを、国際研究チームが詳しく突き止めた。対象はモルティエレラ科の菌類で、細菌由来とみられる遺伝子を進化の過程で取り込み、水に溶けやすく安定した形へと作り替えていたという。これにより、雲の氷形成や降水、気候モデルへの理解が進むだけ...

ヨーロッパハリネズミが人間には聞こえない超音波を少なくとも85kHzまで聞き取れる可能性がある――そんな新発見が注目を集めている。英オックスフォード大などの研究チームは、20頭の保護個体の聴性脳幹反応を調べ、4〜85kHzに反応し、40kHz付近で特に感度が高いことを確認した。研究者たちは、こ...

治療が効かなくなった進行前立腺がんに対し、PSMAという目印を頼りに全身のがん細胞へ“狙い撃ち”で放射線(アクチニウム225)を届ける新治療「225Ac-PSMA-Trillium」が第I相試験で注目を集めた。腫瘍が縮小または進行停止が83%に達し、PSAも大きく低下。主な副作用は口の渇きで多...

蝶と蛾(チョウ目)は動物種の約1割を占め、花粉媒介や食物網の要として機能する。しかし最新レビューは、進化関係(特に大多数を占めるグループ内)や分布、保全に必要な基礎情報に大きな空白が残ると指摘。菌や細菌からの水平遺伝子移動が食性転換を助けた可能性、ゲノム計画の進展、そして近年の個体数減少と保全...

米国の大規模研究(ACTIVE)の20年追跡で、65歳以上が5〜6週間の「処理速度(視覚情報を素早く見つける)トレーニング」を受け、さらに1〜3年後に追加訓練(ブースター)を行った群は、認知症診断が対照群より少なく、最大25%低い発症率が示された。記憶術や推論の訓練よりも、課題が個人に合わせて...

韓国KAISTの研究チームが、傷口に吹きかけるだけで出血を約1秒で抑える粉末状止血スプレー(AGCL)を開発した。血中のカルシウムなど陽イオンに反応してゲル化し、傷の形に沿って密着・封止する。天然由来成分(アルギン酸、ジェランガム、キトサン)を組み合わせ、血液吸収性や抗菌性、常温で約2年の保存...

牡蠣は水中の藻類や栄養塩だけでなく、病原体もろ過して周囲の生物を守る可能性が示された。米ウィリアム&メアリー大学(VIMS)の研究は、ブルークラブ稚ガニに致死的な寄生性渦鞭毛藻Hematodinium...

商業宇宙飛行の拡大で、宇宙での生殖・妊娠は「SF」ではなく実務上の課題になりつつある。微小重力、宇宙放射線、概日リズムの乱れは生殖に不利だが、長期滞在後の男女の生殖機能データは乏しい。研究は“宇宙で子どもを作ろう”ではなく、旅行者も含むリスク管理と倫理・ルール作りを急げと提言する。

Caltech研究チームは、短いDNA断片(オリゴ)を“ページ番号”のような目印で正しい順番に連結し、のちに目印だけをきれいに取り除く新手法「Sidewinder」を開発した。三方向ジャンクションを利用して、組み立て指示情報を完成品の配列から分離することで、長く複雑な遺伝子配列の高精度合成を実...

一般的な農薬クロルピリホスに「低濃度で長期間」さらされると、魚の細胞老化が加速し寿命が短くなる可能性が示された。中国の湖での野外調査では汚染湖ほど高齢魚が見られず、同年齢でもテロメア短縮やリポフスチン増加が確認。実験でも慢性低用量で生存率低下と老化指標の悪化が再現された一方、短期高用量は急死は...

UCL主導の新分析は、アルツハイマー病の多くがAPOE遺伝子の一般的な型(ε3/ε4)に「寄与」している可能性を示した。4つの大規模データ(UK...

陰謀論は単なる誤情報ではなく、信じる人の所属感やアイデンティティと結びつくため「事実で訂正」だけでは揺らぎにくい。欧州研究REDACTは独語圏で陰謀論がローカル発で生態系化している実態を示し、6百万件のSNS投稿分析と現場ヒアリングから「万能薬はない」と結論。国・世代別に対策を設計し、短期で硬...

月面の土(レゴリス)に見つかる窒素などの“揮発性物質”は、太陽風だけでは説明しきれない。新研究は、太陽風で地球上層大気のイオンがはぎ取られ、地球磁場の磁力線に沿って月へ運ばれる可能性を示した。月が地球の磁気尾部(磁気圏の夜側)を通る満月付近で移送が効率化し、少なくとも約37億年前以降、長期に起...

南アフリカのゴールデンゲート・ハイランズ国立公園の高標高湿地で、3種のムシクイ類(little rush warbler、African yellow warbler、lesser swamp...

香港教育大学などの研究チームが、シリカ製のナノ構造「Nanozigzags(NZs)」を開発。樹状細胞(DC)ワクチンで課題だった培養の複雑さ・コスト・効果のばらつきを、薬剤ではなく“ナノ地形”の物理刺激で改善し、治療効果を約70%高め得ると報告した。DCはZ字形状で接触面が増え、FAKの機械...

がん再発や抗生物質耐性の一因とされる「生物学的ノイズ(同じ遺伝子でも細胞ごとにタンパク量が揺らぐ現象)」を、数学モデルで“制御対象”にする研究が報告された。従来の制御は集団平均は整えても個々の細胞のばらつき(ノイズ)を増幅しがちだったが、新たな「Noise...

神経も筋肉もない最も単純な動物の一つ「トリコプラックス」が、折り紙のように体(上皮シート)を折り畳み、立体形状へ変形できることが報告された。鍵は繊毛で、流体を動かすだけでなく基質を“歩く”ように働き、接着と摩擦を通じて折り・展開を駆動する。4D顕微鏡や解析で非定型な折り方と頑健な展開を示し、進...

コロナ禍のロックダウンで人の往来が激減した“Anthropause(人間活動の一時停止)”は、都市生態系に予想外の変化をもたらした。ロサンゼルスの都市部に暮らす鳥(dark-eyed...