科学の記事一覧

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なぜ宇宙には、星や地球、私たちの体をつくる物質が残ったのか。その謎を解く候補として、未発見の「右巻きニュートリノ」が注目されている。新たな理論研究は、従来の計算で省略されがちだった重い粒子が、初期宇宙のエネルギーを一時的に支配し、膨張と粒子反応のタイミングを変えた可能性を提示した。その結果、物...

カラスは、目で見た情報をどれほど速く判断できるのか。ドイツ・テュービンゲン大学の研究チームは、2羽のカラスに画面上の点の動く方向を見分けさせ、平均235ミリ秒で反応することを確認した。比較可能なヒトやサルの先行研究に対して、おおむね半分の時間だ。速さのために正確さを犠牲にした様子もなく、脳では...

物忘れや歩きにくさを「年齢のせい」と考えていても、背景に治療で改善が期待できる正常圧水頭症が隠れている場合がある。米国の研究では、CT画像から脳内の基準点を自動で特定するAIを活用し、正常圧水頭症を他の疾患群などから見分ける評価で感度92%を記録した。ただし、これは治療の成功率でも、あらゆる医...

同じ精神科の薬でも、効果や副作用の出方は人によって異なる。その一因が、薬の代謝に関わる酵素CYP2D6・CYP2C19の遺伝的な違いだ。ドイツの研究で示された「20.7%」は、特定の入院患者群で、両酵素に処方上考慮すべき遺伝的特徴がなかった人の割合。「約8割に薬が効かない」という意味ではない。...

2026年のノーベル化学賞は、日本の硤合憲三氏とフランスのアンリ・カガン氏に贈られることになった。評価されたのは、鏡に映したような関係にある分子のうち、一方が優先的に生まれる仕組みを明らかにした研究だ。分子の「右手型」と「左手型」は、体内で異なる働きを示すことがあり、その作り分けは医薬品の開発...

2026年のノーベル化学賞は、日本時間10月7日午後6時45分以降に発表される。発表前の海外報道では、デービッド・リウ氏の精密な遺伝子編集、柳沢正史氏とエマニュエル・ミニョ氏の睡眠研究、肥満症治療につながるホルモン研究などに注目が集まっている。ただし、いずれも外部の予想であり、公式候補者の公表...

肥満症や糖尿病の治療で知られるGLP-1関連薬に、がん研究の分野からも注目が集まっている。Fox...

宇宙へ行くと、人間のDNAのまとまり方は崩れてしまうのか。ニューヨーク大学の研究チームは、地上で微小重力を模擬する装置を使い、人の細胞を24時間観察した。その結果、細胞核の体積には変化があったものの、ゲノムの配置や動きはおおむね維持され、模擬微小重力によるDNA損傷も確認されなかった。一方、装...

地球温暖化の将来像を描く気候モデルに対し、研究者の内部から「高解像度化すれば答えに近づく」という発想を見直すべきだとの声が上がっている。論争の焦点は、温暖化の有無ではない。雲や海洋、炭素循環、自然変動、社会・経済シナリオなど複数の不確実性を、限られた計算資源でどう扱うかにある。IPCC執筆経験...

ドイツ・コンスタンツ大学の研究チームが、特定の長鎖脂肪族ポリエステルを分解する細菌酵素LCPH1を森林土壌から発見した。大きく開いた活性部位がゲームのキャラクターを思わせることから「Pac-Man酵素」と呼ばれる。土壌実験では対象素材の一部が8〜10カ月でほぼ完全に無機化された一方、一般的な高...

喫煙、飲酒、紫外線、肥満など、がんには多くのリスク要因が知られている。しかし、がん全体で最も強く関係する要因の一つが、誰にも避けることのできない「加齢」だ。年齢を重ねるにつれて細胞の遺伝子異常が蓄積し、修復機能や免疫機能も変化するため、多くのがんの発症率は上昇する。一方、「年齢が最大のリスクだ...

カナダ・エドモントンのCross Cancer Instituteで、PSMA...

ヘブライ大学の研究チームは、遺伝子改変したシロイヌナズナの種子に、牛乳の主要タンパク質であるβカゼインを生産させることに成功した。タンパク質は研究者が想定した液胞ではなく、種子内の油滴に密着した未知の凝集体として蓄積し、最良の系統では可溶性タンパク質の約1.26%に達した。植物を乳タンパク質工...

男性は女性よりパーキンソン病を発症しやすいが、その理由は長く不明だった。ザールラント大学の研究チームは、患者の死後脳を調べ、神経細胞を支えるアストロサイトとオリゴデンドロサイトで、エネルギー産生や神経線維を覆う髄鞘に関係する遺伝子活動が男女で異なる可能性を示した。豪州の約1万1000人調査でも...

UCサンディエゴなどの研究チームは、海上の雲を明るくして太陽光を反射させる「海洋雲ブライトニング」が、強いエルニーニョの影響を弱められる可能性を示した。きっかけは2019〜2020年の豪州大火災で、煙が雲を明るくし、ラニーニャ型の気候変動を強めたとみられる“自然実験”だった。ただし実用化には、...

1型糖尿病の治療を大きく変える可能性がある遺伝子治療「KRIYA-839」が注目を集めている。AAVベクターを使い、筋肉細胞にインスリンとグルコキナーゼを作る遺伝情報を届け、血糖上昇に応じたインスリン産生を目指す仕組みだ。動物実験では有望な結果が報告され、成人を対象とした初期臨床試験が予定され...

英ケンブリッジ大学とスピンアウト企業DIOSynVaxは、AIで設計した「スーパー抗原」を使う汎サルベコウイルス・ワクチン候補を人で初めて試験した。39人を対象とした第1相試験では重大な安全性懸念は確認されず、SARS-CoV-2やSARS、関連するコウモリ由来ウイルスへの免疫反応も示された。...

老化や慢性炎症の原因として知られてきた「ゾンビ細胞」こと老化細胞について、最新レビューは「すべてが有害ではない」と指摘する。老化細胞の一部は炎症や臓器機能低下を促す一方、創傷治癒、組織修復、恒常性維持にも関わる可能性がある。今後のアンチエイジング医療では、老化細胞を一律に除去するのではなく、有...

低糖質ダイエットと低脂質ダイエットは、どちらが心臓に良いのか。約20万人を30年前後追跡した大規模研究は、この二択そのものが本質ではないことを示した。重要なのは糖質や脂質をどれだけ減らすかではなく、全粒穀物、野菜、果物、豆類、ナッツ、オリーブオイルなど質の高い食品を中心にしているかどうか。不健...

テキサスA&M大学の研究チームは、ヒトiPS細胞由来の神経幹細胞から得た細胞外小胞を鼻から投与することで、高齢マウスの脳内炎症を抑え、記憶や認知機能を改善したと報告した。治療は2回の投与で、海馬の炎症経路や酸化ストレス、ミトコンドリア機能に変化が見られたという。SNSでは「認知症治療へ...

人間の脳は体重の約2%にすぎないにもかかわらず、体全体の約20%ものエネルギーを消費する。しかも、難しい問題を解いている時と、ぼんやりしている時の消費量の差は意外なほど小さい。近年の脳代謝研究では、努力して考えることによる上乗せ分は休息時に比べて数%程度とされ、エネルギーの大半は神経活動の維持...

過密状態は、単なる心理的ストレスや資源不足だけでなく、生殖細胞そのものに影響を与える可能性がある。コロラド大学ボルダー校などの研究は、線虫が高密度環境でCPR-4というタンパク質を分泌し、卵や胚、DNA損傷、突然変異の増加、子孫の発生異常につながることを示した。マウスでも類似の現象が確認され、...

人類の約9割が右利きである理由について、オックスフォード大学などの研究チームは、二足歩行と脳の拡大が重要だった可能性を示した。41種・2,025個体の霊長類データを分析した結果、人間の極端な右手優位は、直立歩行で手が移動から解放され、さらに脳が発達したことで強まったと考えられる。SNSでは「文...