科学の記事一覧

122件の記事があります

ウィーン大学の研究チームは、意味を持たない英語風の疑似語を多数つくり、100人の母語話者に覚えてもらう実験を行った。その結果、参加者が「美しい」と感じた音をもつ単語ほど記憶に残りやすく、特に研究者が「快い音」を多く含めて設計した疑似語は想起率が高かった。音の快さと記憶の結びつきは、語学学習や商...

ショート動画を見続けると「脳が腐る」と言われるようになり、2024年には“brain...

千葉大学などの研究チームは、コウモリのエコーロケーション(超音波)を模した音をガに聞かせる実験を行い、特定のパルス速度の超音波を聞いたガが、激しく飛び回ったり飛行をやめたりすることを明らかにしました。特に卵を抱えたメスは、捕食リスクが高いと判断される速いパルスに強く反応し、飛行を中断しやすくな...

米オレゴン健康科学大学(OHSU)などの研究チームが、ヒトの皮膚細胞から受精可能な卵子を作り、初期胚まで成長させることに成功した。研究では、皮膚細胞の核を提供卵子に入れ替え、染色体を半分にする新しい細胞分裂「ミトメイオーシス」を用いて82個の卵子を作成。そのうち約9%が6日目の胚まで育ったが、...

世界中で「菌類(キノコ)」が、次世代テクノロジーの主役候補として注目されている。イギリスで紹介された「Hiro」のオムツは、フリーズドライの菌を振りかけることで、プラスチックごと1年以内にコンポスト化することを目指す大胆な試みだ。さらに、膨大な種類を持つ菌類から、食品やコスメ用の天然色素・乳化...

ZME Scienceの記事「Consciousness Could Be an Ancient Trait Evolved Millions of Years Ago, Not a Human...

世界中の農地で問題になっているのが、重機や干ばつで土が押し固められる「土壌の圧密」。根が伸びにくくなり、干ばつと重なると収量が大きく落ちるとされています。最新のNature論文とそれを紹介したPhys.orgによると、稲などの植物は、硬い土にぶつかるとエチレンというホルモンを合図に、根の内部を...

宇宙は光速を超えるペースで膨張しているが、違反しているのは物体の速度ではなく「空間そのものの伸び」であり、相対性理論とは矛盾しない。宇宙年齢は約137.7億年だが、膨張の影響で観測可能な宇宙の半径は約450億光年に達し、ハッブル距離を越える銀河は見かけ上光速以上で遠ざかる。さらに約170億光年...

宇宙空間を漂うミネラルダストが、生命の材料となる複雑な有機分子をつくる“触媒”として働くことが、ヘリオット・ワット大学らの国際研究チームの実験で示された。彼らは、二酸化炭素とアンモニアの薄い氷を、多孔質シリケイト粒子の層ではさんだ「宇宙サンドイッチ」を極低温で作成し、温度を上げていくと、尿素の...

「永遠の化学物質」と呼ばれるPFASを、ステンレス製ボールミルの中でPFASを吸着した粒状活性炭と一緒にすりつぶすだけで分解できる手法を、米クラークソン大学が報告した。薬品や高温を必要とせず、多様なPFASをほぼ完全に破壊し、処理後の活性炭からの溶出も検出されなかったという。既に浄水処理で広く...

冬になるとSNSは、雪景色の写真や「休校だ!」という喜びと同時に、「また通勤地獄…」という嘆きであふれます。本記事では、インディペンデント紙に掲載された気象学者の解説をもとに、雪が雲の中でどのように生まれ、なぜ六角形の結晶になり、「二つとして同じ形がない」と言われるのかをやさしく紹介します。さ...

京都大学の研究チームが、メートルスケールの岩石実験装置で発生させた「実験室内の地震」を対象に、機械学習で前兆信号を検出することに成功した。高感度センサーが記録した微弱な音や応力変化をAIで解析した結果、断層の一部が静かにすべる「クリープ領域」の剪断応力の変化が、破壊直前の重要なサインであること...

フランシス・クリック研究所のチームが、昆虫の翼進化を支えたかもしれない「遺伝子回路」を明らかにした。ショウジョウバエの翼では、モルフォゲンDppの濃度勾配に応答して、Brinkerという分子が逆向きの勾配をつくり出す。このフィードバック回路により、Dppの信号が届きにくい遠方の細胞にも位置情報...

シュトゥットガルト大学などの研究チームが、離れた場所にある2つの半導体量子ドットから放出された光子同士で量子テレポーテーションを実現し、Nature Communications...

米ワシントン・ポストは、若い女性の大腸ポリープと超加工食品の関連を示す研究を紹介した。24年間にわたり約2万9千人の看護師を追跡した結果、超加工食品を1日約10食分とるグループは、約3食分のグループより大腸ポリープのリスクが45%高かったという。ただし観察研究であり「因果関係」は証明されていな...

デンプンを好むゾウムシやコクゾウムシなどの害虫は、トウモロコシや豆類の種子を食い荒らし、畑から倉庫まで甚大な被害を与える。野生の祖先種は、害虫の消化酵素「αアミラーゼ」を妨げるタンパク質を持ち、種子を“消化不能”にして身を守ってきたが、人間による栽培化でその力は弱まったとされる。ブラジルなどの...

英PNASに掲載された新研究は、鳥類77種・哺乳類87種のデータを解析し、「体サイズが速く進化した系統ほど悪性腫瘍の有病率が低い」ことを示した。一方、良性腫瘍では同様の低下は見られず、鳥類では“種分化の速さ”が腫瘍の増加と結び付くという対照的な像も浮上。進化の速度が“がん防御”の獲得と絡み合う...

スウェーデン・ウプサラ大学らの研究チームが、ヨーロッパで一般的な赤レンガハキリバチ(Osmia...

深海採掘で海底から吸い上げた資材を処理する際に生じる排出濁水(プルーム)が、中層(約200〜1,500m)で本来のエサ粒子を栄養価の低い粒子で希釈し、食物網を“静かに飢えさせる”可能性が示された。粒子食の動物プランクトンは約半数強、これらを食べるマイクロネクトンは約6割に達し、影響はマグロなど...

ドイツのUFZらが、ミツバチとゼブラフィッシュを用いて作物保護剤(殺虫・除草・殺菌剤)の低濃度曝露が生む行動変化を横断比較。ミツバチでは採餌や蜜加工、育児行動が低下し、魚胚では学習・記憶系の応答が変調。実際の小河川で見つかる“農薬カクテル”では濃度によって支配的な作用が除草剤様から殺菌剤様へと...

バーミンガム大学の無作為化試験(若年男性40人)で、着座2時間の直前に**高フラバノール・ココア(総フラバノール約695mg)**を飲むと、腕・脚の血管内皮機能(FMD)の低下が見られなかった一方、低フラバノール対照(約5.6mg)ではFMD低下や拡張期血圧の上昇が確認された。体力レベル(高・...

チンパンジーとボノボの社会関係は、人間のように「内側の親密な友人から外側の浅いつながりへ」と広がる層構造をもつ――そんな国際研究がiScienceに発表された。24群のグルーミング(毛づくろい)データを数理モデルで解析した結果、ボノボは時間を広く分配し、チンパンジーは少数の相手に集中、しかも加...