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見えない孤立、増える診断:学ぶか、働くか、それとも取り残されるか — 英国NEET“100万人時代”の現実と処方箋

見えない孤立、増える診断:学ぶか、働くか、それとも取り残されるか — 英国NEET“100万人時代”の現実と処方箋

2025年11月11日 07:25

1. “機会の危機”という宣言

英国政府は2025年11月9日、学校にも仕事にも就いていない若者(NEET)の急増を受け、独立調査の立ち上げを発表した。調査は元保健相アラン・ミルバーン氏が率い、最終報告は2026年夏に公表される予定だ。労働・年金相パット・マクファデン氏は、若者の不就学・不就労の拡大を「機会の危機」と表現し、学ぶか稼ぐかの初期の分岐で支援が間に合っていない現状を直視する必要を訴えた。 The Independent


2. 背景の数字が示す“規模”

最新推計では、16〜24歳のNEETは2025年4〜6月期に94万8千人、全体の12.5%。前期・前年からの増加傾向は止まらず、政府は「数カ月で100万人超え」を警戒する。議会図書館のブリーフィングも同水準を確認しており、過去10年で最も高い水準に迫る。量の拡大に加え、若年層の“質的変化”も見逃せない。 The Independent


3. 何が若者を押し出しているのか

増加の内訳を見ると、長期の病気・障害(long-term sickness/disability)を主因に挙げる若者が約4人に1人。2013/14年の12%から大きく跳ね上がった。ユニバーサル・クレジット(UC)や雇用支援給付の健康要素の受給は、この5年で50%以上増え、その約8割はメンタルヘルスや神経発達症(たとえばADHDなど)に関連する。コロナ禍後の学習遅延や職業体験の機会減、地域ごとの産業構造の空洞化が重なり、若者の「最初の仕事」への橋渡しが困難化している。 The Independent


地域差も顕著だ。西ミッドランズのダドリーでは、16〜17歳の5人に1人がNEETという推計も報じられ、現場からは「経験重視の採用」による初職の壁や、最低賃金上昇に伴う人件費圧力で“未経験の余白”が削られているという声が上がる。 ガーディアン


4. 政策のピボット:診断と給付の“自動連動”からの脱却

マクファデン氏は「診断が出た=給付で固定」ではなく、診断後に「どう支援すれば学ぶ/働けるか」を政策の出発点に据えるべきだと強調する。これは、給付を厳しくするという単純な方向ではない。メンタルヘルス支援、学び直し、職業訓練、雇用主インセンティブ——ばらばらの政策を、若者のキャリア回復ルートとして一体的に設計し直すという発想だ。調査の最終報告は2026年夏に予定され、労働市場・教育・保健福祉を横断する推奨が見込まれる。 The Independent


5. SNSに広がる“合意”と“相克”

この動きをめぐりSNSでは、いくつかのパターンが見られる。

 


  • データで危機を可視化する派
     シンクタンクやNPOは、94.8万人という規模と、長期化・慢性化のリスクを繰り返し発信。若者期の無業は、その後の賃金・健康・孤立の多重不利に直結するため、「早期介入」の重要性を訴えている。 X (formerly Twitter)

  • “機会の危機”に同調しつつ、実装を問う派
     メディアの投稿・共有では、「機会の危機」というフレーズが象徴的に拡散。だがフォロワーからは、調査で終わらせず、メンタル支援と訓練・仕事を同時並行で提供する“伴走型”の仕組みづくりを求める反応が目立つ。 Facebook

  • 地域と産業の“ミスマッチ”を指摘する派
     地方では求人の質・量の不足、都市部では初任給と生活費の釣り合いの悪さが指摘され、全国一律の制度では届かないという声もある。可視化動画や短尺解説も拡散し、課題の“体感”が広がった。 Instagram


6. いま必要な“設計変更”

今回の独立調査は、現場の常識から政策を設計し直す好機だ。論点は大きく三つある。

  1. メンタルヘルスと就労の“一体化”
     診断直後から、心理的安全性の高い短時間就労・実習、オンライン学習、ピア支援を“パッケージ”で提示する。医療と職業リハを別系統で走らせない。 The Independent

  2. “最初の仕事”のコストを下げる
     雇用主にとって未経験採用の固定費・リスクを下げる助成と、現場で役立つ短期マイクロ資格(デジタル、介護、グリーンジョブ等)を結び付ける。地域ごとの成長セクターに“短距離の橋”を架けることが重要だ。 City AM

  3. 早期警戒とデータ連携
     欠席・中退兆候、CAMHS(児童思春期メンタルヘルス)受診、福祉・学校・職業サービスのデータを安全に結び、支援の“空白期間”を最小化する。NEETは「状態」ではなく「移行期の詰まり」であり、詰まりを検知し、素早く流す仕組みが要る。 GOV.UK


7. 視線の先にあるもの

英国はこれまでも幾度となく若者政策を刷新してきた。だが、今回の特徴は量の増加だけでなく、健康要因の比率上昇と地域の非対称性という“構造変化”に真正面から向き合おうとしている点だ。独立調査は“診断を起点に機会を設計する”ための下調べにすぎない。試されるのは、調査後の実装力——すなわち、全国の学校・診療・訓練・雇用主の現場で「学ぶ/働く」を同じ地図の上につなげ直す力である。 The Independent


参考記事

約100万人の若者が失業や教育を受けていない状況を受け、調査が開始される
出典: https://www.independent.co.uk/news/uk/home-news/young-people-neet-work-education-inquiry-b2861642.html

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