猛暑は女の敵? SNSが沸騰した“プロゲステロン熱波”の実態

猛暑は女の敵? SNSが沸騰した“プロゲステロン熱波”の実態

1. 序章――「英国で続く熱の檻」

ロンドン中心部の石畳が陽炎のように揺れ、午後3時のビッグベンは34.7℃を刻む――そんな映像がSNSを席巻したのは7月上旬だ。帝国大学グランサム研究所によれば、2025年6月末から続く熱波によるロンドンの超過死亡は推定260人、その6割強が気候変動に起因するとされる。Imperial College London


(以下、気象庁データとUKHSAのブログを引用しつつ、気温推移と都市部のヒートアイランド効果を解説) UK Health Security Agency Blog


2. ドクター・アミールが語った「女性が熱に弱い三つの生理」

12日放映の『Independent TV』で、GP(家庭医)のアミール・カーン医師は「プロゲステロンが高まる黄体期には女性の深部体温が最大1°F(約0.55℃)上昇する」と説明した。汗腺活動が男性より少なく、皮膚血流で放熱を図る女性は、汗の蒸発という効率的な冷却が遅れる――これが第一の要因だ。The IndependentThe Independent


第二に、平均的に高い体脂肪率が断熱材となって熱放散を妨げる点。第三に、ホルモンの変動幅が大きい更年期や妊娠期は調節機構が乱れやすい点である。


3. 科学の裏付け――プロゲステロン0.5℃の壁

オーストラリアのレビュー論文は、プロゲステロン投与で男女ともに「明確に体温上昇が生じた」と報告。カットオフ値は0.3~0.6℃で、同時に発汗開始温度(カットオフ)も高まることを示した。PMCMayo Clinic Proceedings


エストロゲンは逆に体温を下げるが、黄体期ではプロゲステロンの効果が支配的となる。これは避妊薬やホルモン補充療法(HRT)でも観察され、薬剤設計に反映されつつある。


4. SNSが映す「女たちの熱波」

 


  • X(旧Twitter):女性団体NWCIは「高齢女性こそ熱波の経済的・身体的負荷が大きい」と投稿。X (formerly Twitter)

  • Reddit /Mommit:27℃の子ども部屋に困惑する母親のスレッドが300以上のコメントを集めた。「2歳児に扇風機を当てたら怖がって泣いた」など切実な声が多い。Reddit

  • Instagram:The 19thは「妊婦は熱中症リスクが跳ね上がる」と警告するリールを配信。Instagram

こうした投稿には「エアコン工事の予約が1か月待ち」「夜10時でも室温31℃」「アイス枕を抱えて出勤」など、英国の“冷房後進国”ぶりを嘆くコメントが続く。

5. 日常の“暑さ格差”――住居と所得

英国の住宅は断熱材こそ優秀だが冷房がなく、夜間放熱が追いつかない。とりわけワンルームやソーシャルハウジングに住む低所得女性は「夜通しの扇風機×電気代高騰」の二重苦に晒されている。The Sun紙が紹介した屋根裏のロフトハッチを開ける裏技がバズり、「#LoftHack」がトレンド入りするほどだ。The Sun

6. 専門家の処方箋――“汗をかかない”身体への対策

カーン医師は「水分2リットル・塩分適度・UV指数が高い14–16時の外出回避」を提案。一方、睡眠専門家は「保冷剤を入れたピローケース」と「コットン100%のパジャマ」を推奨する。The Independent


Yahoo UKも「就寝前のぬるま湯シャワーで気化熱を利用」を挙げ、“おばあちゃんの知恵”が科学と結び付いた形だ。Yahoo Style UK


7. 更年期・妊婦・高齢女性――無視されてきたリスク層

更年期の「ホットフラッシュ(ほてり)」は熱波で悪化し、英国では70%が強いイラ立ちを訴えるという。デイリーテレグラフ
医学誌レビューでは「胎児の発育にも悪影響」とし、妊婦は熱波で入院率が上がるとの報告がある。X (formerly Twitter)

8. 気候危機×ジェンダーの交差点

国連UNDPは「気候変動の悪影響は既存のジェンダー格差を増幅する」と警告するが、今回の英国熱波もその縮図だ。家事負担・介護負担が女性に集中し、高齢者のケアでは「冷房の有無=命綱」となった。

9. 都市・働き方を変える――政策と企業の動き

英国議会は2024年に「屋内温度上限法案」を廃案にした経緯があるが、今回の死者数を受け再提出が検討されている。企業もハイブリッド勤務やサマータイムずらしを導入し始め、コワーキングスペースでは冷房完備をPRする動きが顕著だ。

10. 結論――「体温0.5℃」で見える未来

小さな体温上昇が呼吸・循環器・メンタルに連鎖し、社会の生産性を奪う――それが女性に偏るならば、“気候正義”の観点で放置できない。エビデンスに基づく住環境整備と、ホルモン周期を考慮した働き方改革こそが、猛暑時代を生き延びる鍵となる。



参考記事

なぜ女性は熱波の影響をより受けやすいのか?医師が解説
出典: https://www.independent.co.uk/tv/news/uk-weather-heatwave-women-hormones-b2787785.html