メインコンテンツにスキップ
ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア ロゴ
  • 記事一覧
  • 🗒️ 新規登録
  • 🔑 ログイン
    • English
    • 中文
    • Español
    • Français
    • 한국어
    • Deutsch
    • ภาษาไทย
    • हिंदी
クッキーの使用について

当サイトでは、サービスの向上とユーザー体験の最適化のためにクッキーを使用しています。 プライバシーポリシー および クッキーポリシー をご確認ください。

クッキー設定

クッキーの使用について詳細な設定を行うことができます。

必須クッキー

サイトの基本機能に必要なクッキーです。これらは無効にできません。

分析クッキー

サイトの使用状況を分析し、サービス向上に役立てるためのクッキーです。

マーケティングクッキー

パーソナライズされた広告を表示するためのクッキーです。

機能クッキー

ユーザー設定や言語選択などの機能を提供するクッキーです。

アメリカの海底ケーブル政策:デジタル冷戦の深海戦線 - 米FCC vs. 中国テックの行方

アメリカの海底ケーブル政策:デジタル冷戦の深海戦線 - 米FCC vs. 中国テックの行方

2025年07月18日 01:30

1. はじめに──深海で始まる新たな“地政学”

7月17日(米東部時間)、テック系メディアが一斉に“Breaking”のバナーを掲げた。FCC(連邦通信委員会)が、中国企業由来の技術や機器を含む海底通信ケーブルを米国内に接続することを禁じる新規則案を公表したのだ。エンガジェットReuters


「我々の光ファイバー網は、もはや“物理的ファイアウォール”無しには守れない」。発表に先立ちX(旧Twitter)でこう宣言したのはFCC委員のブレンダン・カー氏だ。X (formerly Twitter)


2. 海底ケーブルと国家安全保障

世界を縫う全長160万km超の海底ケーブルは、国際データ通信の約99%を担うとされる。中でも米国とアジアを結ぶ太平洋ルートはAIクラウドや金融取引のレイテンシを左右する「デジタル動脈」だ。2024年10月、超党派米上院議員団がバイデン政権に対し「海底網脆弱性の再点検」を要請した書簡が記憶に新しい。Reuters


背景には、バルト海や台湾・馬祖諸島で相次いだ切断事件、そして2024年に米通信事業者を揺るがせた国家支援型サイバー攻撃“Salt Typhoon”の教訓がある。ファイナンシャル・タイムズReuters


3. 規則案のポイント

新規則案の核心は二つ。

  • 接続禁止:Huawei Marine(現HMN Tech)など「Covered List」掲載企業が製造・敷設・保守を行う海底ケーブルの米国上陸を認めない。

  • 既存設備の再認可:既に稼働中の路線も、指定部材が含まれる場合は追加の国家安全審査を義務付け。
    この措置により、Google・Meta・Microsoft・Amazonといった米プラットフォーマーが主体となる次世代超大容量(>400 Tbps)ケーブル計画にも再設計が迫られる。Tom's HardwareThe Record from Recorded Future


4. 産業界の試算──コストは誰が負担するのか

国際ケーブル建設コンサルAquaCommsの試算によれば、指定部材の代替調達でプロジェクト総額が平均3〜5%上昇する見込みだ。敷設船不足も拍車を掛け、最長で18カ月の工期遅延が発生する恐れがある。
一方、米防衛産業界は「代償を払ってでもリスクを最小化すべき」と強調。Salt Typhoonで浮き彫りになった“経済より安保”の価値観が、産業ロジックを押しのけている格好だ。ReutersThe Times of India


5. 中国側の反応と国際波紋

中国外交部は即日、「米国は経済的テロリズムをやめ、国際通信の公平・開放を守れ」と声明。香港紙SCMPは「ベトナムなど東南アジア諸国の海底計画にも米国が圧力を強めている」と報じた。南華早報


英国Financial Timesは「デジタル冷戦の決定的ステップ」と位置づけ、仏オレンジ・日本NTTも対応を注視しているという。ファイナンシャル・タイムズ


6. SNSの温度差──可視化される世論

発表直後のXではハッシュタグ #UnderseaCableBan が米トレンド入り。

  • 「これでやっと国家の背骨を守れる」(保守系シンクタンク研究員)

  • 「地球規模ネットワークに国境線を持ち込む愚策」(ITエンジニア)

  • 「敷設コストが上がれば結局ユーザー料金に跳ね返る」(通信キャリア元役員)
    など、賛否がほぼ拮抗。Techmeme公式アカウントは「AI需要が急伸するなか、帯域確保競争に新たな不確実性」と評した。X (formerly Twitter)HotHardware


7. 専門家インタビュー

■ ジェニファー・ハヴィラン教授(ジョージタウン大・戦略通信研究)

「海底ケーブルは『制空権』に匹敵する国家資産。供給網に敵対国が存在する限り、戦略的リスクは消えない」


■ クリス・ショーン CEO(Pacific Light Data)

「技術そのものより運用・監視体制の方が重要。全社ボイコットはサプライチェーンの多様性を損ない、逆に脆弱性を生む恐れがある」


8. 今後のシナリオ

  1. 8月投票で可決 → 2026年施行

    • 米企業は欧日韓メーカーに切り替え、太平洋横断新路線の設計を改訂。

  2. WTO提訴・報復関税

    • 中国が「非関税障壁」として提訴、米国産クラウド機器に報復課税を課す可能性。

  3. 第三国分岐モデルの拡大

    • シンガポールやインドネシアを経由し、米本土と中国本土を直接接続しない「デタングリング」設計が主流化。


9. まとめ──“見えない海底線”が映す世界秩序

海底ケーブルは、地表の政治地図には描かれないが、21世紀の覇権争いを投影する“もう一つの国境線”である。今回のFCC規則案は、光ファイバー一本一本に国家の意志と不安が絡みつく現代を象徴している。テクノロジーがグローバルに進化するほど、インフラのコントロールをめぐる闘いは深く、そして静かに続くだろう。



参考記事

FCCは海底ケーブルにおける中国製技術の禁止を計画している
出典: https://www.engadget.com/big-tech/the-fcc-plans-to-ban-chinese-technology-in-undersea-cables-215207536.html?src=rss

← 記事一覧に戻る

お問い合わせ |  利用規約 |  プライバシーポリシー |  クッキーポリシー |  クッキー設定

© Copyright ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア All rights reserved.