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台湾有事を“理想的には”防ぐ?「アメリカだけでは守らない」トランプ戦略で試される台湾と同盟国の覚悟

台湾有事を“理想的には”防ぐ?「アメリカだけでは守らない」トランプ戦略で試される台湾と同盟国の覚悟

2025年12月07日 09:35

1. 「台湾戦争を防ぐ」と言い切った新戦略の登場

12月5日、トランプ政権は就任後初となる新しい国家安全保障戦略(NSS)を公表した。文書は「中国との武力衝突を避ける」と明記し、その最も危険な火種として台湾と南シナ海を挙げる。具体策として打ち出されたのは、米軍と同盟国の軍事力を第一列島線(日本〜台湾〜フィリピンに連なる島々)で優勢に保ち、中国に「戦っても勝てない」と思わせることで戦争自体を起こさせない、という発想だ。Investing.com


同じく台湾問題に触れた2017年版NSSと比べると、今回の文書は台湾への言及回数が増え、語り口も一段と踏み込んだものになっている。台湾を単なる「パートナー」ではなく、「貿易とサプライチェーンの要衝であり、世界の半導体供給を握る存在」として位置づけ、ここが失われれば米国の安全と繁栄が危うくなるという危機感がにじむ。Investing.com


2. キーワードは「軍事的優位」と「第一列島線」

今回の戦略の中核にあるのが「軍事的優位(オーバーマッチ)の維持」だ。文書は、台湾周辺や第一列島線で中国軍より圧倒的に有利な戦力バランスを維持することで、侵攻を「割に合わない賭け」にすることを狙うとしている。Investing.com


ただし、ここで強調されているのは「アメリカ一国ではやらない」という点だ。米軍の負担は限界に近いとして、第一列島線上の同盟国やパートナーに対し、

  • 国防費の大幅な増額

  • 米軍への港湾・基地アクセスの拡大

  • 対艦・対空ミサイルなど“拒否能力(ディナイアル能力)”への投資

などを求めている。NATOに対して国防費GDP比5%を掲げた「ハーグ・コミットメント」と同じ発想をアジアにも持ち込む構図だ。The White House


3. バイデン時代との違い:戦略的「あいまいさ」の再解釈

バイデン前政権は、「中国が台湾に侵攻すれば米国は防衛に加わる」と繰り返し明言し、事実上の「戦略的明確化」に踏み込んだ。Investing.com


これに対し、トランプ政権2期目は、台湾防衛を「優先課題」としながらも、具体的にどこまで軍事介入するかについては口をつぐむ。その代わり、「戦争をしなくても済むだけの軍事的・経済的カードを積み上げる」というロジックに力点を置く。


背景にあるのは、トランプ流の「ディール型外交」だ。

  • 習近平との個人的関係を維持しつつ

  • 中国との貿易はあくまで「相互に得な関係」に再設計する

  • その上で、軍事力では一歩も引かない

という「競争するが決裂させない」姿勢がNSSにも反映されている。TIME


欧州では、この戦略文書の一部表現(文明の衰退への危機感など)が極右的だと批判されており、「同盟国を分断しかねない」との懸念も出ている。TIME


4. 台湾が握る「シリコンシールド」

トランプ戦略が台湾を重視する最大の理由のひとつが、世界の半導体サプライチェーンだ。

現在、台湾は世界の半導体の半分以上、先端チップではほぼすべてを生産しているとされる。Power Electronics News


とりわけTSMCは、スマホ向けからAI・自動車向けまで幅広い分野の最先端ロジック半導体を一手に担い、台湾の「シリコンシールド(半導体がもたらす安全保障の盾)」と呼ばれてきた。


一方で、トランプ政権はTSMCに対し、米国内工場への総額1,650億ドル規模の投資を後押しし、日本・ドイツなどへの海外展開も奨励している。Reuters


しかし台湾政府は、「最も先端の技術は島外に出さない」と繰り返し強調しており、アリゾナなどに建つ工場でも2nmより先の技術は当面生産しない方針だ。ガーディアン


つまり、いくら米国が生産拠点を増やしても、「一番おいしい部分」は依然として台湾に残る。そのこと自体が、台湾を守ろうとする米国のインセンティブを高める一方、中国から見れば「ここを押さえれば世界のチップを人質にできる」という誘惑も強めかねない。


5. 日本・韓国・東南アジアに突きつけられた宿題

NSSは、台湾だけでなく日本や韓国、フィリピンなど第一列島線上の同盟国にも厳しいメッセージを投げかける。Investing.com

  • 日本の高市早苗首相が「台湾有事で日本が脅かされれば、自衛隊の武力行使もあり得る」と国会で述べ、中国の激しい反発を招いたこと。

  • その後、トランプ大統領が高市氏に対し「中国をむやみに刺激しないよう」非公式に自制を求めたと報じられたこと。

  • 同時に、米国は台湾向けの戦闘機部品など3億3,000万ドル規模の武器売却を承認し、日本と韓国には防衛費の大幅増額を迫っていること。Investing.com


これらはすべて、「アメリカは支援するが、最前線で血を流す覚悟は同盟国にも求める」というメッセージとして受け取られている。


日本にとって、

  • 防衛費GDP比2%超への道筋

  • 反撃能力(長射程ミサイル)整備

  • 在日米軍基地のさらなる利用拡大

など、すでに始まっている議論が現実の「宿題」として一層重くのしかかる。韓国もまた、対北朝鮮だけでなく対中抑止の一翼を担う役割を求められつつあり、国内世論とのギャップが課題になっている。canberratimes.com.au


6. SNSでの反応:冷笑・懐疑・支持が入り混じる

今回の戦略発表は、X(旧Twitter)やRedditなどのオンライン空間でもさまざまな議論を呼んでいる。


6-1. 「“理想的には”防ぐって、結局どういう意味?」という冷笑

トランプ政権のNSSは「理想的には軍事力の優位で台湾紛争を抑止する」といった表現を使っているが、この「理想的には」という一言に引っかかる人は少なくない。中国関連の掲示板では、

  • 「“理想的には”という言葉が、実は戦争も排除していないことを示している」

  • 「計画通り行かなかったときの言い訳を先に書いているだけだ」

といった皮肉交じりのコメントが目立った。Reddit


6-2. 「日本へのプレッシャーが強すぎる」との懸念

Redditの議論では、「これは日本に対する“覚悟を決めろ”というメッセージだ」という見方も多い。

  • 日本が核武装する可能性を冗談半分に語る投稿

  • 「日本が本格的に軍備拡張すれば、米国の存在意義が薄れるのでは」と指摘する声

  • 「同盟国が防衛費を少し増やしたところで、米軍の造船・ミサイル生産能力が不足している現状では焼け石に水だ」と、現実的な軍事産業能力の不足を指摘するコメント

など、期待と懐疑が入り混じっている。Reddit


特にオーストラリアなど資源輸出国のユーザーからは、「米中の経済関係を再設計する過程で、中国向け輸出が犠牲になるのでは」という不安も表明されている。Reddit


6-3. 「現実主義として評価する」支持派の声

一方で、トランプの戦略を「むしろバイデンより現実主義的だ」と評価する声も一定数ある。

  • 「トランプは民主主義の理想よりも取引と力のバランスで物事を見るが、中国抑止というゴール自体は誰が大統領でも変わらない」

  • 「同盟国にもっと負担を求めるのは当然で、いつまでも米国が無料で世界を守る時代ではない」

といった投稿がその代表例だ。こうした支持派は、「経済で中国と付き合いつつ、安全保障では一線を引く」という“二正面作戦”を、競争的だが安定を志向した戦略として評価している。Reddit


7. アジアと世界へのインパクト:抑止とエスカレーションのはざまで

トランプ政権の新戦略は、「戦争を防ぐ」と明言しているにもかかわらず、実態としては以下のようなリスクと機会を同時に生み出している。


プラスの側面(支持派の見方)

  • 中国が台湾に対して軍事行動を起こすコストを引き上げ、侵攻のハードルを高める

  • 同盟国の防衛力強化を促し、結果として地域の自衛能力が底上げされる

  • 半導体サプライチェーンの再編を通じて、特定地域への過度な依存を減らす


マイナスの側面(批判派の見方)

  • 中国側から見れば「包囲網」にしか見えず、軍拡競争や危険な軍事演習を誘発する可能性

  • 第一列島線のどこかで小さな事故や誤射が起きた場合、それが一気に米中対立に発展するリスク

  • 台湾の「シリコンシールド」を守るためのはずが、逆にサプライチェーンの不安定化を招く恐れ


特に台湾にとっては、

  • 米国の支援を受けながら「前線」としてのリスクを背負い続けるのか

  • それとも中国との経済関係を活かして緊張緩和を探るのか

というジレンマは一層深まっている。one.news18.com


8. 結論:抑止は「理想」か、それとも「現実」になるのか

トランプ政権の新国家安全保障戦略は、台湾と第一列島線をめぐるパワーバランスを組み替え、「戦争をさせないための軍拡」という難しい賭けに出たと言える。


SNS上では、

  • 「理想的には平和を守れる」という楽観

  • 「結局は軍拡競争の口実だ」という悲観

  • 「アジアの同盟国が自分で自分を守るきっかけになる」という期待

が入り混じり、明確なコンセンサスは存在しない。


ただひとつ確かなのは、台湾が依然として世界の半導体とシーレーンを握る以上、台北海峡周辺での安定は、アジアだけでなくグローバル経済全体の「公共財」だということだ。トランプの戦略がその安定を強化するのか、それとも新たな不安定要因になるのか――その答えは、これから数年の同盟国の選択と、中国の出方に左右されることになる。Investing.com



Donald Trump
Image Credit: Wikimedia Commons

参考記事

トランプ氏、台湾をめぐる中国との紛争を防ぐための戦略を発表
出典: https://www.investing.com/news/world-news/trump-unveils-strategy-to-prevent-china-conflict-over-taiwan-4393911

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