タウリンで老化を止める!?飲む前に知りたい!タウリン補給の光と影

タウリンで老化を止める!?飲む前に知りたい!タウリン補給の光と影

序章――ドイツ発の問いかけ

「タウリンは老化を止められるのか?」──ドイツ紙WELTの有料記事が14 June 2025に投げかけた挑発的なタイトルは、健康・長寿コミュニティに鮮烈な火花を散らした。この記事は、ミュンヘン工科大学のスポーツ生物学者ヘニング・ヴァッカーハーゲ教授が主導するヒト臨床試験を紹介し、加齢で低下する血中タウリンをサプリで補えば“健康寿命”を延ばせるかもしれないと伝えた。welt.de


だが、熱狂と同時に冷や水も浴びせられる。米NIH(国立老化研究所)主導の新論文がほぼ同タイミングで公表され、3つのヒトコホートとサル・マウスで「タウリンは老化の“万能バイオマーカー”ではない」と結論。特にヒトでは年齢とタウリン濃度の相関が薄いという。srf.chnypost.com


1.タウリンとは何者か

タウリンはイカやタコ、貝類に多い含硫アミノ酸だが、人は少量を自前合成できるため“準必須”扱い。体内総量は体重70 kgの成人で約30–70 g、75 %が骨格筋に貯蔵される。de.wikipedia.org


機能は抗酸化、胆汁酸抱合、カルシウム恒常性維持、神経伝達保護など多岐にわたる。


2.“希望”を生んだ2023年Science論文

2023 June、インドNIIとコロンビア大のチーム(Yadav et al.)はタウリン補給でマウス寿命+10–12 %、霊長類では加齢バイオマーカー改善と報告。欧米メディアは「エナジードリンク成分が若返りの鍵」と見出しを乱舞させ、バイオハッカーのブライアン・ジョンソン氏らが即座に1 日3 g摂取を宣言した。


3.反転する潮目――2025年NIH論文の衝撃

NIH研究は約1,000人を横断・縦断で追跡し、「タウリンは性別や食習慣には影響されるが年齢とは一貫しない」と解析。マウス・サルでも寿命への直接寄与は限定的と示唆された。srf.chnypost.com
これがSNS上で大論争を引き起こす。


4.SNSの温度差

立場主な反応(要旨)出典
肯定派「マウスで+10 %は十分大きい。人でも筋力維持に効くなら飲む価値あり」Science Magazine公式Tweettwitter.com
懐疑派「最新NIHデータは説得力が段違い。ブームは終わり」David Sinclair氏Tweettwitter.com
メディア「タウリン神話に陰り」―New Scientist記事紹介Tweettwitter.com
一般日本人「結局イカ刺し食べときゃいい?」と自虐ネタがトレンド入りTwitter検索(タウリン 老化)よりtwitter.com

5.専門家の見解を整理

  • 筋肉・持久力:高齢マウスで筋力↑、ヒトRCTは進行中(ミュンヘンTUM)。

  • 心血管:血圧降下・脂質低下は一貫して報告。

  • がんリスク:骨髄環境で白血病細胞を助長する可能性も報告。t-online.de

  • 安全性:一般に1日3 gまで副作用少ないが、降圧薬との相互作用に注意。sndj-web.jp

6.食事とサプリ──どこまで攻める?

日本の平均摂取量は魚介中心でも約200 mg/日。研究で用いられる3 g/日は“食事15倍”に相当し、実験量をそのままサプリで再現するには慎重さが必要。エナジードリンク1本あたり1 g前後含むが、カフェイン過多の弊害を忘れてはならない。

7.私たちはどう行動すべきか

  1. まず血液検査で自分のタウリン・アミノ酸プロファイルを把握

  2. 魚介や海藻を週2–3回取り入れ、亜鉛・ビタミンB6も補う(タウリン合成に必須)

  3. サプリは上限3 g/日・分割摂取を原則に、降圧薬・抗がん剤服用中は医師に相談

  4. 運動・睡眠・ストレス管理という“王道のアンチエイジング”とセットで考える

結語

タウリンは「永遠の若さの魔法」ではない。だが筋肉・循環・代謝を守る 一歯車 として、特に高齢者や菜食者には意味がある。最新研究が示すのは「単独の数値で老化を測れるほど人体は単純ではない」という当たり前の教訓だ。過大評価も過小評価もせず、科学的エビデンスと生活実感を丁寧に擦り合わせる――それが本当の“ウェルビーイング・リテラシー”である。



参考記事

健康で長生き:タウリンは老化を止めることができるのか? - WELT
出典: https://www.welt.de/gesundheit/plus256264824/Gesund-und-lange-Leben-Kann-Taurin-das-Altern-stoppen.html