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関税の嵐に揺れる航空業界:デルタ“受け取り拒否”宣言の裏で、航空業界が抱える深い不安

関税の嵐に揺れる航空業界:デルタ“受け取り拒否”宣言の裏で、航空業界が抱える深い不安

2025年07月17日 11:03

1. 序章――突如現れた「50%」の数字

 「まるで鋼鉄のバリケードだ」。7月16日、シンガポールで開かれたIATAメディア円卓会議で、ウィリー・ウォルシュ事務総長は米政府が示唆するブラジル産品への50%関税をこう形容した。彼の表情は厳しく、そして疲労気味だった。会場の記者席には、貿易部門の専門家やリージョナル航空の広報担当も陣取り、緊張感が漂う。Reuters



2. 関税が生むコストの“ブラックボックス”

 IATAの試算によれば、長胴型機A350の平均カタログ価格は3億ドル前後だが、関税額50%が掛かると、1機当たり1億5,000万ドルの追加負担が発生する。これは大型複合材工場を一棟新設できるレベルだ。航空会社が直ちに受領を遅らせるインセンティブが働くのも無理はない。Reuters



3. エンブラエル“非常事態宣言”

 最も悲鳴を上げているのはブラジルのエンブラエルである。CEOのフランシスコ・ゴメス・ネトは「パンデミックと同等の損失」という強烈な言葉で危機感を訴えた。米国向けのリージョナルジェットE175は、納入時に1機あたり約900万ドルの関税が生じ、採算が崩壊する。Business Insider英語新聞社



4. デルタ航空の「受領拒否」宣言

 4月の決算説明会で、デルタ航空のエド・バスチャンCEOは「追加関税を払うくらいなら飛ばさない」と断言した。LinkedInでも「#NoTariffPlanes」という社内キャンペーンがシェアされ、社員からは「関税は顧客の運賃上昇に直結する」と不安の声が上がる。LinkedIn



5. SNSで拡散するハッシュタグ #TariffTrouble

 16日のReuters公式Xポスト(旧Twitter)は、わずか3時間で3.3万件のインプレッションを記録。コメント欄には「航空券がまた高くなるのか」「グリーンフリート更新の妨げ」「製造業労働者の雇用を守るべき」という賛否が入り乱れた。X (formerly Twitter)

 



 ピックアップ投稿
 - @AeroEconomist:「航空機は国境を20回超えて組み立てられる。関税はブーメランになるだけ」
 - @EcoFlyer_JP:「脱炭素型機材が止まれば、CO2削減ロードマップは後退」
 - @Seat2B_Spotter:「納入遅延=機齢伸長=客席IFEの旧式化。搭乗体験まで影響する」



6. 欧州の反応――A4EとERAの共同声明

 欧州航空会社連合(A4E)は7月15日付で「航空分野を貿易摩擦の“人質”にするな」というタイトルの声明を発出。ERA(欧州地域航空協会)も「地域間接続に壊滅的影響」と訴えた。Travel TomorrowInternational Airport Review



7. 供給網への波紋

 ボーイングやエアバスも他人事ではない。A350ではスペインの尾翼、フランスの主翼下構造、日本の炭素繊維、米国のアビオニクスが縫い合わせられる。途中で関税が掛かれば“空飛ぶフランケンシュタイン”状態でコストが加算され、分業モデルそのものが揺らぐ。MarketScreenerReuters



8. 航空ファイナンスの視点

 リース会社Avolonは「発注済み機材の資金調達条件が再計算を迫られる」と警戒。金利上昇局面で追加関税のリスクプレミアムが重なれば、リース料率ファクターは0.1ポイント以上上振れする可能性がある。これは10年リース契約全体で数千万ドル規模の負担増だ。



9. 環境・サステナビリティへの影

 IATAは2050年ネットゼロを掲げるが、納入停止は燃費性能向上を遅延させ、CO₂排出削減曲線を押し上げる。ICAOのCORSIAフェーズ導入を控える航空会社にとって、環境負担金と関税の“二重課税”が現実味を帯びる。



10. WTOルールと政治リスク

 米国の措置は「国家安全保障例外」を根拠とする可能性があり、WTO紛争解決は長期化が必至だ。過去のCSeries訴訟のように、最終的に関税が撤廃されても“納入空白期間”は戻らない。ウィキペディア



11. 先行する航空会社の防衛策

  • 分散発注:ANAはエアバス・ボーイング双方の比率を調整し、日欧・日米組立ラインを跨いでリスクヘッジ。

  • 中古機活用:エア・アジアXはA330ceo中古機を12機追加導入し、暫定需要を埋める計画。

  • 運賃サーチャージの柔軟化:ルフトハンザは「関税変動連動型」のチケット料率を検討。



12. 今後のシナリオ

  1. 関税撤回シナリオ:米・ブラジル交渉妥結で8月発動前に凍結。納入再開、株価反発。

  2. 適用延期シナリオ:発動はするが3カ月猶予。航空会社は受領時期を第4四半期以降にシフト。

  3. 長期固定化シナリオ:関税が1年以上継続し、リージョナル路線網が縮小、域内LCCが恩恵を受ける逆説的展開。



13. 結語――「空のサプライチェーン」を守れるか

 航空業界は、パンデミックで深い傷を負った矢先に、新たな貿易ショックと向き合わざるを得なくなった。ウォルシュ事務総長の警告は決して誇張ではない。グローバルな技術協働が成立してこそ、旅客も貨物もスムーズに運ばれる。関税をめぐる政治判断が、この複雑精緻なエコシステムを一夜で凍結する危険性を、多くのSNS利用者が共有し始めた――「空は世界最大の共同作業空間なのだ」という言葉と共に。



参考記事

関税の不確実性が原因で、航空会社は納入を受け入れることに消極的になっている - 国際航空運送協会(IATA)
出典: https://seekingalpha.com/news/4467699-tariff-uncertainties-make-airlines-reluctant-to-accept-deliveries---iata?utm_source=feed_news_all&utm_medium=referral&feed_item_type=news

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