メインコンテンツにスキップ
ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア ロゴ
  • 記事一覧
  • 🗒️ 新規登録
  • 🔑 ログイン
    • English
    • 中文
    • Español
    • Français
    • 한국어
    • Deutsch
    • ภาษาไทย
    • हिंदी
クッキーの使用について

当サイトでは、サービスの向上とユーザー体験の最適化のためにクッキーを使用しています。 プライバシーポリシー および クッキーポリシー をご確認ください。

クッキー設定

クッキーの使用について詳細な設定を行うことができます。

必須クッキー

サイトの基本機能に必要なクッキーです。これらは無効にできません。

分析クッキー

サイトの使用状況を分析し、サービス向上に役立てるためのクッキーです。

マーケティングクッキー

パーソナライズされた広告を表示するためのクッキーです。

機能クッキー

ユーザー設定や言語選択などの機能を提供するクッキーです。

サントリー大阪工場65億円刷新──“若者の酒離れ”に挑むジャパニーズジン『ROKU〈六〉』世界戦略の全貌

サントリー大阪工場65億円刷新──“若者の酒離れ”に挑むジャパニーズジン『ROKU〈六〉』世界戦略の全貌

2025年07月15日 20:18

目次

  1. はじめに──“酒離れ”とクラフトジン旋風

  2. サントリー最古の大阪工場とは

  3. 65億円投資の内訳と改修ポイント

  4. 『ROKU』が目指す“世界一”とブランド資産

  5. 国内向けジン『翠〈SUI〉』と若年層戦略

  6. 世界ジン市場の成長軌道と競争環境

  7. 体験型マーケティングとインバウンド需要

  8. サステナビリティ・ESGと“ジンツーリズム”

  9. 専門家・バーマスターが語る可能性と課題

  10. 今後5年のロードマップとKPI

  11. リスクシナリオと打ち手

  12. まとめ──“日本発ジン”はウイスキーに続けるか




1. はじめに──“酒離れ”とクラフトジン旋風

日本の1人当たりアルコール消費量は1992年の101.8Lから2024年には75.4Lへ25%減少し、特に18〜29歳の飲酒率は10年で半減した。note(ノート)Forbes JAPAN
一方、世界のジン市場は2024〜2029年に年平均7.7%成長し約78億ドル拡大する見通しだ。テクナビオ
この“ギャップ”こそサントリーが挑む最大の機会である。



2. サントリー最古の大阪工場とは

1936年に竣工した大阪工場(大阪府島本町)は、日本初の国産ウイスキーを生んだ場所であり、現在はジン・リキュールの中核拠点。年間見学者数はコロナ前で約10万人。改修後はインタラクティブ展示やバーを備え“House of Japanese Gin”として再出発する。Suntoryサントリーホールディングス|水と生きる SUNTORY



3. 65億円投資の内訳と改修ポイント

投資項目金額概要
新蒸溜棟・浸漬タンク5基55億円生産能力2.6倍、少量多品種に対応
体験型施設・ショップ10億円見学導線刷新、試飲カウンター新設
合計65億円2025年末稼働開始予定


投資効果は①高付加価値品の歩留まり向上、②観光収入、③ブランド認知拡大に集約される。theginguild.comthedrinksbusiness.com



4. 『ROKU』が目指す“世界一”とブランド資産

  • 世界プレミアムジン売上ランキング3位(IWSR 2023)

  • 60カ国以上で販売、海外比率約90%

  • 6種の和素材+8種の伝統ボタニカルが差別化要因

    ウイスキー「山崎」で成功した“ジャパニーズ=品質”のイメージを継承しつつ、シンガポール・NY・ロンドンの高級バーでカクテル展開を強化。サントリーホールディングス|水と生きる SUNTORYShanken News Daily
    2029年までに世界シェア10%へ――その鍵は「現地蒸溜ではなく日本生産」によるストーリーテリングだ。



5. 国内向けジン『翠〈SUI〉』と若年層戦略

RTD市場で培った“食中酒”訴求をSUIジンソーダに拡大。居酒屋でのハイボール替わり提案と、TikTokでのゼロウェイスト・カクテル動画が奏功し、2024年国内販売量は前年比134%と急伸。サントリーホールディングス|水と生きる SUNTORY


低アルコール志向の若者には0.5%“ノンアルROKU & Tonic”で入口を用意し、段階的にブランドファン化を狙う。



6. 世界ジン市場の成長軌道と競争環境

  • 2024年市場規模:143億ドル → 2029年211億ドル(CAGR4.0〜7.7%)モルドールインテリジェンステクナビオ

  • 英ディアジオ「タンカレー」、ペルノ・リカール「ビーフィーター」が依然トップ。

  • アジア勢ではフィリピンGinebra San Miguelがリッター数で世界1位。
    Suntoryは「プレミアム帯×アジア・欧州都市」のニッチを攻め、価格差益を確保する。



7. 体験型マーケティングとインバウンド需要

新施設では「桜香る蒸溜ルーム」のアロマ体験や、茶室バー“Rokkan”での季節カクテル提供を予定。訪日客の平均蒸溜所滞在時間はウイスキーの2倍との試算もあり、2030年までに年間25万人を目標に掲げる。Bloomberg.comBloomberg.com



8. サステナビリティ・ESGと“ジンツーリズム”

ボタニカル残渣を肥料やクラフトコスメに再利用、蒸溜排熱は隣接温室でハーブを育成する循環モデルを構築。再エネ比率は改修前の15%→45%へ。ESG目標達成でEU輸入規制リスクを低減。



9. 専門家・バーマスターが語る可能性と課題

  • バー・ハイファイブ後閑信吾氏「Rokuは“和”を語れる数少ないジン。熟成違いを出せばスコットランド勢とも渡り合える」

  • ミンテルジャパン主席アナリスト小林彩氏「若年層は“クラフト体験”に価値を感じる。アルコール度数よりストーリーが刺さる」Mintel
    課題は仕込み期間とボタニカル供給の季節変動への対応だ。



10. 今後5年のロードマップとKPI

年度投資・施策主要KPI
2025大阪工場稼働・Roku新ライン生産能力2.6倍達成
2026欧米で“桜&柚子季節限定品”発売海外売上+20%
2027ノンアルRoku世界展開RTD市場シェア3%
2028観光客25万人達成併設ショップ売上20億円
2029世界シェア10%、EBITDAマージン25%



11. リスクシナリオと打ち手

  • 為替高円:ローカル通貨建てヘッジ/価格維持策

  • ボタニカル調達不安:契約農家拡大+垂直農法で通年栽培

  • 規制強化:低アルコール・ノンアル製品でポートフォリオ分散

  • 競合の追随:ジャパニーズクラフト認証制度創設で品質差別化



12. まとめ──“日本発ジン”はウイスキーに続けるか

ウイスキーで“ジャパニーズ=プレミアム”を世界に示したサントリーは、同じ成功方程式をジンに投影しつつ、若年層の嗜好変化とインバウンド観光を掛け合わせることで新たな成長曲線を描こうとしている。鍵を握るのは“和素材×体験価値”という物語性と、65億円の投資を短期で回収するオペレーション効率だ。


世界一の座を射程に捉える同社の挑戦が、縮小する日本酒類市場の突破口となるか――その答えは、2029年の世界シェア10%達成をもって示されるだろう。ファイナンシャルタイムズ




参考記事一覧(外部リンク・日付順)

  1. サントリー公式リリース「大阪工場の改修とジン事業強化」|2025年2月19日

  2. The Drinks Business “Suntory boosts Japanese gin with ¥6.5bn investment”|2025年2月19日

  3. Mintel Japan「アルコール飲料トレンド –日本– 2024」|2025年1月17日

  4. Financial Times “Japan's alcohol groups are sober at home but spirited abroad”|2025年4月22日

  5. Bloomberg “Whisky Maker Suntory Is Trying to Get More Japanese to Try Gin”|2025年6月26日

  6. ITmedia ビジネスオンライン「若者の酒離れにサントリーが挑む」|2025年7月15日




← 記事一覧に戻る

お問い合わせ |  利用規約 |  プライバシーポリシー |  クッキーポリシー |  クッキー設定

© Copyright ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア All rights reserved.