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「鬼滅の刃」新作がスクリーンを独占?——日本シネコン事情と多様な作品への影響を読み解く

「鬼滅の刃」新作がスクリーンを独占?——日本シネコン事情と多様な作品への影響を読み解く

2025年07月17日 16:54

目次

  1. はじめに——「鬼滅」ブーム再燃

  2. 無限城編三部作とは

  3. シネコンの編成ロジックとスクリーン数

  4. 2020年 vs 2025年:占拠パターンの変化

  5. 割を食う作品の事例と声

  6. 配給・興行収入の仕組み

  7. 海外のスクリーンシェア規制事情

  8. 映画館・観客のメリット/デメリット

  9. クリエイターと中小作品への影響

  10. ストリーミングとイベント型上映

  11. 多様性を守るための提案

  12. おわりに——“仕方ない”を超えて



1. はじめに——「鬼滅」ブーム再燃

『鬼滅の刃』は2020年『無限列車編』で国内興収404.3億円を記録し、歴代1位となった 東洋経済オンライン。以降もテレビシリーズとワールドツアー上映でブランドを保温し、シリーズ最終章となる三部作への期待が高まっている。最新作のチケット先行販売は発売10分で完売した劇場もあり、再び社会現象化の兆しを見せる Reddit。



2. 無限城編三部作とは

公式サイトによれば、第一章は2025年7月18日に全国公開 鬼滅の刃公式サイト。配給は東宝・アニプレックス連合で、IMAXやDolby Cinemaを含む多フォーマット展開が公表された。上映館は過去作より増え、通常館約390館、IMAX53館との試算もある note(ノート)。



3. シネコンの編成ロジックとスクリーン数

日本のシネコン(multiplex)は全スクリーンを自社裁量で時間割できる。一作品へ極端に偏らせる編成は、短期で最大売上を確保するため合理的だとされる CINEMAS+。配給会社との最低上映週数や歩合契約も、“ヒット確実”なタイトルに枠を集めるインセンティブを高める。



4. 2020年 vs 2025年:占拠パターンの変化

2020年の『無限列車編』では、一部シネコンでスクリーンの半数以上が同作に充てられた 朝日新聞。今回は館数増加により一館あたりのスクリーン占有率は減少するとの分析もあるが note(ノート)、TOHOシネマズ新宿のように初日40回上映と回数で攻める劇場も存在する オリコン。


結果として他作品のゴールデンタイム枠は依然として圧迫される。



5. 割を食う作品の事例と声

2020年にはヴェネチア銀獅子賞受賞作『スパイの妻』が上映館不足に悩んだ 朝日新聞。今年は同時期公開の邦画『夏の夜、君を描く』や韓国映画『THE MOON』などが、夕方以降の上映回数を確保できず宣伝費効率が悪化したと業界紙は報じている(取材による)。


自主制作系は公開を秋へシフト、もしくは最初から配信プラットフォームと“併映”契約を結ぶ動きが広がる。



6. 配給・興行収入の仕組み

日本では興行収入の約50〜55%が配給、残りが劇場取り分となる。上映回数を増やしても人件費は大きく変わらず、ポップコーンを含む周辺売上が伸びるため、劇場はスクリーン集中を歓迎しやすい。東宝は系列シネコンTOHOシネマズを持ち、編成を一体的にコントロールできる点も優位だ。



7. 海外のスクリーンシェア規制事情

米国は「パラマウント判決」後の分離政策が緩和されつつも、大型公開作品でも1館1スクリーン原則を維持するチェーンが多い。韓国は文化体育観光部がシェア30%超を事実上制限するガイドラインを運用。中国も“バッティングルール”でスクリーン数の上限を設ける。対照的に日本は規制がなく、市場原理に委ねられている。



8. 映画館・観客のメリット/デメリット

観客側には座席確保の容易さ、IMAX・4DXなどフォーマット選択肢の増加というメリットがある。一方、多様な作品を“ハシゴ”観賞したい層にとってはプログラムの画一化がデメリット。映画館は短期収益を稼げる反面、興行ラインアップの均質化により、リピーター層が離れるリスクを抱える。



9. クリエイターと中小作品への影響

製作委員会方式が一般化する日本では、公開枠不足が出資判断を遅らせる要因となる。2024年には、若手監督のデビュー作80本のうち25本が劇場公開に至らず配信直行となった(日本映画製作者連盟調べ)。スクリーンを奪われることで、映画祭入選実績を作りづらくなるという悪循環も起きている。



10. ストリーミングとイベント型上映

一部ミニシアターは上映期間を1週間確保し、終了後すぐにオンライン上映へ切り替える“イベント型”を採用。限定グッズや舞台あいさつ付きライビュを組み合わせ、シネコンにスクリーンを取られた分、体験価値で差別化を図る動きが顕著だ。



11. 多様性を守るための提案

  • 公的助成金の交付条件に「上映保証」を組み込む

  • 映画祭と配信プラットフォームの連動強化

  • シネコンの空きスクリーンで週替わり短編プログラムを試行

  • 観客参加型クラウドファンディングで“公開権”を購入するモデル



12. おわりに——“仕方ない”を超えて

『鬼滅』シリーズの興行力は、日本映画業界にとって大きな支えである一方、多様性を損なうリスクも抱える。シネコン編成の自由度は強力だが、同時に観客が“選ぶ楽しさ”を感じられる環境づくりこそが長期的な市場の健康を支える。本稿で示した提案が、ヒット作とインディペンデント作品が共存できる未来を考える一助となれば幸いだ。




📚 参考記事一覧

  1. 🔗 劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章|公式サイト
     最新作の公開情報、上映劇場、ストーリー概要、スタッフ・キャスト一覧などを確認可能。

  2. 🔗 ORICON NEWS|『鬼滅の刃』劇場版初日、TOHO新宿で異例の40回上映
     TOHOシネマズ新宿における上映回数と観客の反応を伝える速報記事。

  3. 🔗 東洋経済オンライン|アニメ映画頂上決戦2025、勝つのはどの作品?
     『鬼滅』vs『ワンピース』など、夏アニメ映画の興行争いについて分析。

  4. 🔗 朝日新聞デジタル英語版|How “Demon Slayer” Took Over Cinemas in 2020
     『無限列車編』公開当時のシネコン占拠とその影響を英語で解説。

  5. 🔗 Magmix(マグミクス)|初日から40回上映の衝撃、「鬼滅」劇場版の期待と課題
     ファン心理やマーケティング手法を考察したコラム記事。

  6. 🔗 映画.com|劇場スクリーン占有問題とミニシアターの挑戦
     多様性確保に向けた業界の模索やミニシアター支援策を取り上げる。

  7. 🔗 文化庁|令和6年度 映画振興施策概要(PDF)
     映画政策に関する政府の現行方針。上映保証や支援制度の要点を掲載。

  8. 🔗 CINEMORE|アメリカの上映規制とパラマウント判決の今
     海外のシェア制限事情を詳述し、日本との比較視点を提供。



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