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ヘルシンキの保育園、幼少期からいじめに立ち向かうユニークな取り組み:13の行動指針で変わるヘルシンキの保育

ヘルシンキの保育園、幼少期からいじめに立ち向かうユニークな取り組み:13の行動指針で変わるヘルシンキの保育

2025年08月11日 11:29

ヘルシンキがこの秋に踏み出す一歩は、静かだが大きい。市は、保育の現場で起こる“いじめ”に対して、すべての園が同じ基準と手順で動けるよう、予防から介入、保護者連携までを束ねた共通モデルの運用を始める。ニュースとしては地味に見えるかもしれないが、ルールが“園ごと”から“市全体”へと揃うことは、日々の小さなサインを見逃さないための基盤づくりに他ならない。市の発表では、職員向けの研修を実施し、保護者面談で使える支援資料も整備されるという。予防と早期介入は、保育の“標準動作”になる。 Helsingin kaupunki


なぜ今なのか——答えは子どもたちの声にある。首都圏の調査では、保育で「いちばん嫌いなこと」として14%が“いじめ”を挙げ、他にも子ども同士の衝突が多く言及された。大人が問題視しがちな“小学校以降のいじめ”より前に、サインはすでに現れているのだ。子どもたちは、“叩く”“悪口を言う”“仲間外れにする”“相手を嫌な気持ちにさせる”と、自分の言葉でいじめを定義している。こうした“感覚の言語化”が広がれば、教師や保護者はより早く気づき、手を打てる。 


数値も方針の妥当性を裏づける。子どもオンブズマンの「チャイルド・バロメーター」では、全国の就学前児を対象とした電話聞き取り(400件超)で、「常にいじめられる」1%、「ときどき」56%、「いつも友だちがいるとは限らない」17%という結果が示された。数字が示すのは、恒常的ないじめだけでなく、断続的・散発的なマイクロな出来事の多さだ。小さな痛みの積み重ねを軽視しない——今回のモデルは、まさにその発想で設計されている。 Yle.fiHelsingin kaupunki


ヘルシンキの共通モデルの中核には、KVO13(Kiusaamisen Vastainen Ohjelma:いじめ防止プログラム)と呼ばれる一連の対策群がある。市は「13の手立て」を公開し、危機対応の手順から日常的な予防策、可視化の方法までを明文化している。2024〜2025年度には、現場の声とパイロット運用を踏まえてアップデートも行われた。園によって温度差が出やすい“グレーな場面”に、判断の物差しを配った形だ。 Helsingin kaupunkiカスコニュースレター


もちろん、これはヘルシンキだけの課題ではない。フィンランド公共放送YleやHelsinki Timesなど複数メディアも、保育段階での取り組み強化を伝えている。重要なのは「学校からでは遅い」という認識の共有だ。遊びの場で起きる小さな排除や乱暴に、同じ手順で素早く介入する。その積み重ねが、学齢期の深刻化を防ぐ。 Yle.fiHelsinki Times


制度と実例の接点も見逃せない。2024年には、フィンランドで初めて“いじめ”を理由とする接近禁止命令(リストレイニング・オーダー)が確定し、結果として加害行為が収まったことが報じられた。法の射程は保育の現場とは異なるが、「被害者を守るために社会はどこまで踏み込めるか」というメッセージは、現場の緊張感を確実に高める。 Yle.fi


SNSの反応:支持と“現場の手触り”

今回の動きを受け、SNSや掲示板ではおおむね肯定的な反応が目立つ一方、「仕組みだけでなく人手と研修が鍵」との現実的な声も上がった。Redditのフィンランド関連スレッドでは、「保育でのいじめは違法で、園には対応責任がある」「呼称や排除など“軽い”行為が積もる」といった実感ベースの書き込みが続く。都市の統一モデルは、まさにこうした“軽さの蓄積”に当てる処方箋だ。 Reddit


また、ヘルシンキ圏に住む親世代のスレッドでは、「言語(フィンランド語/スウェーデン語、移民家庭の言語)による微妙な排除」や「学校・園選びに影響するほど同級生の環境が重要」といった現実的な観点が共有されている。いじめのリスクは文化や階層を問わず存在し、早期の社会性教育と保護者巻き込みが重要——という合意が広がりつつある。 Reddit


何が“新しい標準”になるのか

  • 共通の言葉とルール:子ども自身が理解できる言葉で、いじめの定義と合意をつくる。園・家庭・行政が同じ語彙で話すことで、発見から介入までの時差を縮める。 

  • 13の行動手順(KVO13):予防・観察・記録・連絡・合意形成・フォローアップまでを一枚の線でつなぎ、誰が何をいつするかを明確にする。 Helsingin kaupunki

  • 職員研修と保護者支援:面談用資料の整備や研修により、対応の“個人差”を減らす。 Helsingin kaupunki


日本への示唆

ヘルシンキの取り組みは、制度の“粒度”を細かくすることの価値を示す。いじめは「事件」ではなく「日常に散らばる微小なサイン」の集合として扱うべきで、共通手順がその拾い上げを助ける。イギリスのAnti-Bullying Allianceが示す早期介入のエビデンスも、この方向性を裏打ちする。 アンチいじめアライアンス


結局のところ、都市が変えるのは「空気」だ。遊び場での冗談一つまでが“誰かの安心”とつながっていると感じられる空気。それが、保育から学校、地域へと連なっていく。ヘルシンキの共通モデルは、その空気をつくるための具体的な取扱説明書である。 Helsingin kaupunki


参考記事

ヘルシンキの保育園、幼少期からいじめに取り組む
出典: https://euroweeklynews.com/2025/08/09/helsinkis-nurseries-tackle-bullying-from-early-age/

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