メインコンテンツにスキップ
ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア ロゴ
  • 記事一覧
  • 🗒️ 新規登録
  • 🔑 ログイン
    • English
    • 中文
    • Español
    • Français
    • 한국어
    • Deutsch
    • ภาษาไทย
    • हिंदी
クッキーの使用について

当サイトでは、サービスの向上とユーザー体験の最適化のためにクッキーを使用しています。 プライバシーポリシー および クッキーポリシー をご確認ください。

クッキー設定

クッキーの使用について詳細な設定を行うことができます。

必須クッキー

サイトの基本機能に必要なクッキーです。これらは無効にできません。

分析クッキー

サイトの使用状況を分析し、サービス向上に役立てるためのクッキーです。

マーケティングクッキー

パーソナライズされた広告を表示するためのクッキーです。

機能クッキー

ユーザー設定や言語選択などの機能を提供するクッキーです。

「幸福もお金も、追いかけるな」──イーロン・マスクが語った“価値で稼ぐ”起業の条件

「幸福もお金も、追いかけるな」──イーロン・マスクが語った“価値で稼ぐ”起業の条件

2025年12月04日 08:42

1. ポッドキャストで飛び出した「幸福もお金も、直接は追えない」

2025年秋、インドの投資家・起業家ニキル・カマスがホストを務めるポッドキャスト「People by WTF」にイーロン・マスクが登場した。インドの若い起業家たちに向けて「どうすればお金を稼ぎ、成功できるのか」という質問が投げかけられたとき、マスクの口から出てきたのは意外な答えだった。


彼はまず「僕は“何かをつくろうとする人”が大好きだ」と切り出し、起業家が目指すべきなのは、**自分が受け取る以上に社会に価値を返すこと──“make more than you take”**だと語った。The Economic Times


そして話題は「幸福」と「お金」の関係へと移る。マスクは、幸福もお金も“目的そのもの”として追いかけるのではなく、**価値あるプロダクトやサービスを作ること、信頼できる人間関係を築くことなどの“結果として現れるもの”**だと説明した。The Economic Times


2. 「幸福は副産物」という考え方

マスクの主張をかみ砕くと、こうなる。

  • 幸福は「追いかけて手に入れる対象」ではなく、

  • 意味のある仕事、学び、家族や友人とのつながりといった活動の副産物である。


これは心理学の研究とも重なる。たとえば2024年の研究では、「幸福にならなければ」と強くこだわる人ほど、長期的には幸福度が下がりやすいという結果が報告されている。アメリカ心理学会


理由のひとつは、「もっと幸せでなければいけない」というプレッシャーが、自分の今の状態への不満や焦りを増幅させてしまうからだと考えられている。


さらに、「お金そのものを人生の中心目標に置くこと」が幸福度を下げるという研究もある。金銭的な成功を追い求めるほど、比較や不安が増え、主観的な幸福感はむしろ下がる傾向が見られるのだ。ResearchGate


マスクの「幸福を直接追うな」というメッセージは、最新の心理学的知見ともきれいに重なっている。


3. お金もまた「結果」でしかない

マスクは、幸福だけでなくお金についても同じ構造があると指摘する。

「本当に財務的に価値のあるものを作りたいなら、“金を稼ぐこと”そのものを追いかけるべきではない。役に立つプロダクトやサービスを提供することに集中すべきだ。そうすれば、お金は自然とついてくる」

という趣旨の発言を彼は繰り返している。The Economic Times

つまり、お金とは“価値創造がちゃんとできているかどうかを示すスコアボード”のようなものに過ぎず、スコアだけを上げようとするとゲーム自体が成り立たなくなる、というイメージだ。


ここでマスクが起業家に問いかけるのが、

「あなたは価値を生み出しているのか?」

というシンプルな質問である。LinkedIn


彼の基準はきわめてストイックだ。もし明日、自分の会社やプロダクトが世界から消えたとき、「困る人」がどれだけいるのか。それを想像することが、起業家にとってのセルフチェックだとマスクは示唆する。


4. 「make more than you take」──“与える”ことを中心に置くマインドセット

「make more than you take」というフレーズは、今回のポッドキャストを象徴するキーワードだ。


マスクは、インドを含む世界中の起業家に対し、「社会から受け取るよりも多くの価値を返す“ネット・コントリビューター(純粋な貢献者)”になれ」と強調した。The Economic Times


この考え方には、いくつかの含意がある。

  1. 短期的な搾取ではなく、長期的な信頼を取りに行くこと。
    単発の利益ではなく、ユーザーや社会との長期的な関係性を重視すること。

  2. 「どれだけ稼げるか」ではなく「世界がどれだけ良くなるか」を基準に意思決定すること。
    もちろんビジネスである以上、収益性を無視するわけにはいかない。しかし「収益のためにユーザー体験を犠牲にする」といった発想は、このマインドとは真逆だ。

  3. 個人レベルでも同じ発想を持つこと。
    職場やコミュニティで、「自分が受け取る以上に何かを残せているか?」と自問する習慣が、キャリアの方向性を大きく変える。


インドという文脈を考えると、急成長するスタートアップ市場の中で「バリュエーション先行」「補助金や補助政策頼み」といった“数字のゲーム”に走ってしまう誘惑は強い。マスクのメッセージは、そうした空気に一石を投じるものでもある。


5. 超ハードワークと「意味のある失敗」を引き受けよ

一方でマスクは、ロマンチックな成功ストーリーだけを語っているわけではない。

彼は、会社を成功させようとする人は

  • 「超ハードワーク」を覚悟すべきであり、

  • 「かなり高い確率で失敗する」可能性も受け入れなければならない

と現実的なメッセージも強調している。The Economic Times


それでもなお挑戦する価値があるのは、「出力(output)が入力(input)を上回る」経験そのものが、人生に意味を与えてくれるからだとマスクは考えているようだ。


ここで言う「出力」とは、売上や利益だけを指すのではない。ユーザーにもたらした便益、技術的なブレイクスルー、チームが身につけた能力など、目に見えないものも含めた総合的な価値のことだ。


6. 政治は「ブラッドスポーツ」──起業家はどこまで関わるべきか

ポッドキャストでは、政治との距離感についても言及された。マスクは自身の経験から、政治の世界を

「ブラッドスポーツ(血みどろのスポーツ)」

と表現し、可能な限り距離を取るべきだと語っている。Free Press Journal


彼のメッセージを整理すると、

  • スタートアップの初期段階では、政治に時間とエネルギーを割くよりも、プロダクトとユーザーに集中すべき。

  • 一定規模まで会社が成長すると、規制やロビー活動など、どうしても政治が絡んでくる。その段階では避けようがないが、それまでは無理に政治ゲームに参加しない方がいい。

という現実的なアドバイスになる。


政治的な主張がビジネスに大きな影響を与える時代だからこそ、「どのタイミングで、どこまで発言するのか」を慎重に考える必要があるということだろう。


7. SNSはどう反応したか:称賛・共感・冷笑

今回のマスク発言は、Sportskeedaや経済紙の報道を通じて拡散され、XやLinkedInを中心にさまざまな反応を生んだ。スポーツキーダ

 



7-1. 「お金は副産物」という考えへの共感

X(旧Twitter)では、インドのAI研究者ローハン・ポールがマスクの動画をシェアし、
「価値創造こそが目的であり、お金はその副産物だ」とコメントした投稿が大きな拡散を見せた。Free Press Journal


また、別のインフルエンサーは
「有用なプロダクトとサービスに集中すれば、お金は自然にやってくる。お金を直接追うな」
という趣旨のポストを行い、多くのいいねとリポストを集めている。X (formerly Twitter)


LinkedIn上でも、
「お金ではなく“有用性”にフォーカスするシフトが素晴らしい」
「価値創造をKPIにすべきだ」
といった声が目立ち、マスクのメッセージをそのまま自社のバリューやチームの指針に落とし込もうとするコメントも散見された。LinkedIn


7-2. 「価値を生み出しているか?」という問いのインパクト

多くのユーザーが印象的だと挙げていたのが、**「あなたは価値を生み出しているのか?」**という問いである。


あるコメントは、
「この一問だけで、ビジネスアイデアやキャリア、さらに人間関係すらフィルタリングできる」と述べ、
別のユーザーは「会社が明日消えたとき、誰がどれだけ困るかを毎週問い直すべきだ」と書いている。LinkedIn


こうした反応から、マスクのメッセージは単なる“名言”としてバズっただけでなく、多くの起業家・ビジネスパーソンにとって具体的な思考ツールとして受け止められていることがわかる。


7-3. 「当たり前」「マスクである必要ある?」という冷めた視線

一方で、すべてが喝采というわけでもない。

LinkedInのコメントの中には、

  • 「なぜこの程度のアドバイスを聞くのに、わざわざマスクが必要なのか」

  • 「結局は成功者の後付けの理屈に過ぎない」

といった、やや冷ややかな意見も見られた。LinkedIn


また、「価値を生み出そうにも、資金調達のゲームから逃れられない現実がある」といった、スタートアップ現場ならではの嘆きも一部では共有されている。要するに、理想としては共感できるが、現場はそんなにきれいごとではないという感覚だ。


8. それでも「価値創造」を軸に据える意味

では、こうした賛否を踏まえたうえで、私たちはマスクのメッセージから何を学べるだろうか。


8-1. ゴールではなくプロセスにフォーカスする

  • 幸福 → どれだけ幸せかを気にするのではなく、意味のある活動に時間を配分する。

  • お金 → 売上や評価額ばかりを見るのではなく、顧客の課題解決にどれだけ貢献できているかをKPIに入れる。

こうした“プロセス重視”の発想は、メンタルヘルスの面でもプラスに働きやすい。目標達成そのものよりも、「今日、どんな価値を生み出せたか」に意識を向けることで、日々の充実感が高まりやすいからだ。


8-2. 「燃え尽きないハードワーク」の条件

マスクは「超ハードワーク」を求めるが、それを支えているのは明確な目的意識である。


単に「売上数字のために働く」のではなく、

  • 自分のプロダクトが誰のどんな問題をどれだけ解決しているのか

  • 自分のチームが、世界にどんな変化をもたらそうとしているのか

を言語化できているかどうかで、同じ長時間労働でも意味合いが大きく変わる。


SNS上でも、「価値創造にフォーカスすると、同じ“グラインド”でも消耗感が減る」というコメントがいくつか見られた。LinkedIn


8-3. 小さなスケールでの「make more than you take」

マスク級の巨大ビジネスでなくても、「make more than you take」の発想は日常レベルで応用できる。


  • 会社員であれば、「給与以上の価値をチームに返せているか?」

  • フリーランスなら、「クライアントが“この人と仕事して良かった”と思う余白をつくれているか?」

  • クリエイターなら、「フォロワーが時間を投資する価値があるコンテンツになっているか?」

こうした小さな問いを積み重ねることで、結果としてキャリアの自由度や収入の伸びがついてくる可能性は高い。


9. 結論:幸福とお金は“追いかける”のではなく“ついてくる”もの

イーロン・マスクの「幸福もお金も直接追いかけるな」というメッセージは、一見すると当たり前に聞こえる。しかし、日々の数字やSNSの「いいね」に追われているとき、私たちはついこの単純な事実を忘れてしまう。


ポッドキャストで語られたのは、華やかな成功談ではなく、

  • 価値創造を最優先にすること

  • 超ハードワークと失敗のリスクを引き受ける覚悟を持つこと

  • 社会に対して“受け取る以上に与える”という長期的な視点を持つこと

という、とても地味だが本質的なスタンスだった。


幸福も、お金も、影のようなものだ。
光(=意味のある行動や価値創造)に向かって歩き続けるとき、自然と後ろに伸びてくる。
マスクの今回の発言は、そのことを改めて思い出させてくれる一言だと言えるだろう。



参考記事

「幸福を直接追求してはいけない」:イーロン・マスクが起業家に向けたお金を稼ぐためのアドバイスを解説
出典: https://www.sportskeeda.com/us/podcasts/news-can-t-pursue-happiness-directly-elon-musk-s-advice-make-money-entrepreneurs-explained

← 記事一覧に戻る

お問い合わせ |  利用規約 |  プライバシーポリシー |  クッキーポリシー |  クッキー設定

© Copyright ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア All rights reserved.