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中国の新たな温室効果ガス削減誓約:気候変動対策で真のリーダーになれるのか?

中国の新たな温室効果ガス削減誓約:気候変動対策で真のリーダーになれるのか?

2025年10月12日 01:03

導入——「7〜10%」の真意を探る

2025年9月24日、中国は国連の首脳級会合で、2035年までに温室効果ガス(GHG)排出をピーク比で7〜10%削減するという、新たな国家自主貢献(NDC)を発表した。中国が経済全体の絶対量削減を明記したのは初めてであり、世界最大の排出国による“数値コミット”は国際政治に大きな波紋を投げかけている。この記事では、宣言の中身、実現可能性、国際評価、そしてSNSの生の反応まで、複眼的に読み解く。 Nature


何が新しいのか——「絶対量」へのシフトと補助目標

今回のNDCは、単なる排出強度や部門別の管理目標ではなく、ピークからの絶対減少を軸に置く。併せて、非化石エネルギー比率を2035年に30%以上へ引き上げる方針が示され、再エネ・電化・吸収源(森林)を総動員する設計が垣間見える。これは“方向性の明確化”という点で前進だが、削減幅そのものは控えめとの指摘が多い。 Nature


実績の規模——前人未踏の再エネ拡張

実装力の裏付けとして、中国の再エネ拡張は圧倒的だ。風力・太陽光の合計は2024年末に1,200GWに到達し、2030年目標を6年前倒しで達成。さらに2025年春には風・太陽が設備容量で火力を初めて上回った。ただし“発電量シェア”では依然として化石燃料が優位で、系統の制約や調整力不足がボトルネックになっている。 Live Science


それでも「物足りない」理由——科学と野心のギャップ

環境団体や研究者の多くは、地球温暖化を1.5℃に抑える上で**7〜10%**は不十分だとみる。350.orgは声明で「物足りないが変革的」と評し、実現可能性は高い一方で、科学的整合性の面ではより深いカットが望ましいと論じた。独立系メディアや法政策の専門家による分析も、今回の目標は“控えめ”で、詳細設計と正式提出を待つ必要があると指摘している。 Live Science


国際政治の座標軸——“実装の中国”と“撤退する米国”

今回の発表は、気候外交の主導権に関する論争も活性化させた。大規模なクリーンテック投資と製造力で他国を圧倒する中国に対し、米国は近年の政策後退で国際的な牽引力を弱めているとの見方が出ている。中国の数値目標は控えめでも、「実装と供給網」の主導権は中国に傾きつつある——そんな対比が今回の会合で際立った。 The Washington Post


ネットでの反応——“勢いはある、目標が追いついていない”

 


SNSでは、多様な立場から即時の反応が集まった。以下は代表的な論点だ(要旨を抜粋・編集)。

  • エネルギー分析者ラウリ・ミルリビュルタ氏は、**「現在のクリーンエネルギーブームに対し、目標が抑制的だ」**との趣旨を投稿。つまり、実態は目標を上回る軌跡にあり得るという含意だ。 X (formerly Twitter)

  • 350.orgなど市民団体は、Facebookや声明で**「世界が必要とする水準には届かないが、経済全体の絶対削減への移行は前進」**と発信。街頭アクションとも連動して、さらなる上積みを求める声が広がる。 Facebook

  • 企業・政策コミュニティ(LinkedIn)では、「非化石30%超」「EV主流化」「森林吸収の拡大」といったパッケージの政策実装ロードマップに注目が集まった。 LinkedIn

※上記は各投稿の要旨であり、元発信の表現を短く引用・再構成しています(詳細は出典参照)。


欧州の視線——“提携”の条件と競争

欧州はクリーンテックの供給網で中国と密接に結びつく一方、気候目標の野心度ではより高い基準を求めてきた。今回も、欧州側からは「不十分」との評価が目立ち、協働の条件としてさらなる上方修正を迫る姿勢が報じられている。これは技術・産業政策と気候外交が絡み合う欧中関係の現在地を示す。 Reuters


実装リスク——石炭とグリッドのジレンマ

最大の課題は、石炭火力の新設と、系統のボトルネックだ。出力変動の大きい再エネを吸収するには送電網の増強・蓄電・需要応答が不可欠だが、現状では化石燃料の運用優先が残り、再エネ発電の出力抑制(カット)も発生している。ここを政策と市場設計で反転できるかが、「7〜10%」以上の実現を左右する。 Reuters


「リーダー」の定義をめぐって

では、中国は気候リーダーなのか。答えは二分される。

  • 実装・供給網の規模を重視するなら:再エネ設備、EV、太陽光サプライチェーンなどで中国は既に世界の中核であり、**“実装のリーダー”**だ。 AP News

  • 科学的整合性・野心度を重視するなら:7〜10%は不足で、**“目標のリーダー”**とは言い難い。より高い削減軌道(例:2035年までに20〜30%)が国際的には求められている。 350

結局、「リーダーシップ」は**“量(実装)”と“質(野心)”のどちらを軸に見るかで評価が変わる。今後、正式提出されるNDCの細則(部門別上限、メタン対策、電力市場改革、系統投資、炭素市場拡大)**が、その評価を実態に引き寄せるだろう。 Just Security


今後のチェックポイント

  1. UNFCCCへの正式提出と、透明性枠組みに基づく進捗報告。 Just Security

  2. 石炭新設の抑制と既存火力のフレキシブル化(蓄電・水素混焼・ヒートポンプとの統合)。 Reuters

  3. 送電網・蓄電の大規模投資と市場制度の再設計(再エネ優先給電・容量市場の改革)。 Reuters

  4. **非CO₂ガス(メタン・HFC等)**の管理強化と、産業プロセスの電化・CCUSの費用対効果検証。 Nature


結語——「上振れ達成」という現実解

中国はこれまでも、目標を“上振れ”で達成してきた実績がある。今回の7〜10%は「最低線」に近く、供給網主導の実装力が続けば、より深い削減に踏み込む余地は大きい。鍵は、石炭・系統・市場の三位一体の改革だ。2035年、中国が“実装の覇者”にとどまらず“野心の旗手”へと転じているかどうか——その分岐点は、今この数年にある。 Carbon Brief


参考記事

中国が温室効果ガス排出削減の新たな誓約を発表 — 気候変動対策で世界のリーダーとなるのか?
出典: https://www.livescience.com/planet-earth/climate-change/china-issues-new-pledge-to-cut-greenhouse-gas-emissions-is-it-now-a-global-leader-in-climate-action

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