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女性が席につくと和平は続く — 再発リスク最大37%減という厳然たるデータ:女性参画×国連主導が効く理由

女性が席につくと和平は続く — 再発リスク最大37%減という厳然たるデータ:女性参画×国連主導が効く理由

2025年11月05日 00:14

1. 25年の節目に浮かび上がった“決定的な差”

国連安保理決議1325(Women, Peace and Security: WPS)が採択されたのは2000年10月31日。女性の「平和プロセスへの等しい参加」と「紛争影響への応答」を国際社会の規範として打ち立てた歴史的決定から25年が過ぎた今年、重要なエビデンスがまた一つ積み上がった。
研究者チームが世界の286件の合意を統計検証し、さらに14の長期和平プロセスを精査したところ、和平合意に「女性の参画・包摂」を制度として組み込むと、内戦の再発確率は平均で11%下がる。しかも、このプロセスが国連の強いリーダーシップと組み合わさると、再発リスクは最大で37%も低下するという。数字は雄弁だ。


この分析は、WPS1325の理念が“善意”や“政治的正しさ”を超えて、和平の耐久性という実利に直結していることを示す。国連事務総長アントニオ・グテーレスは10月6日の年次報告で「女性・少女の防護や交渉参加はいまだ不十分」と警鐘を鳴らしたが、だからこそエビデンスの意味は重い。すなわち、女性を欠いた和平は持続しにくい。 AP News



2. 仕組みはどう効くのか:メカニズムの中身

ケーススタディはフィリピン・バンサモロ、ブルンジ、コートジボワール、リベリア、シエラレオネなど。共通して見えるのは、女性主導の市民組織と国連が連携し、(1)これまで不可視化されてきたコミュニティのニーズを可視化、(2)合意文言に社会経済的包摂条項を組み込む、(3)地域レベルの対話・早期警戒のメカニズムを整える、という三つの働きだ。リベリアの“ピースハット”はその象徴例で、伝統的な対話空間を女性たちが再設計し、紛争の芽を地域で摘み取る仕組みとして機能してきた。 liberia.un.org



3. 数字の陰り:資金ショックという現実

ただし、前進に冷水を浴びせる動きもある。2025年半ば時点で国連平和維持の累積資金不足は約27億ドルに達し、未払いの比率は41%へ上昇。予算規模は10年前より縮小しているのに、未払いはむしろ増えている。こうした資金の目減りは、女性の参画や地域の対話インフラに直結する“足回り”を弱らせ、和平の持続性を損なう可能性が高い。


同時に、UN Womenが2025年3月に実施した国際調査は、女性団体の半数が「6か月以内に活動停止のリスク」と回答した深刻な資金難を可視化した。援助削減が重なれば、現場の担い手はやせ細る。国際報道も、女性支援団体の“限界”と閉鎖リスクの拡大を繰り返し伝えている。 UN Women



4. SNSは何を語ったか:歓喜と苛立ち、そして宿題

25年の節目をめぐるSNSの雰囲気は、祝意と危機感が同居している。

 


  • 支持と動員の呼びかけ:UN WomenはX(旧Twitter)で「1325から25年、女性の等しい参加を」とメッセージ。各地域事務所や市民団体もイベントや取り組みを連投し、認知と行動を広げた。 X (formerly Twitter)

  • 「トークナイズ」を超えよ:アフリカ連合の平和・安全保障部門は「形だけの参加を超えて、女性の声が結果を形づくるべきだ」と投稿。研究の“37%”という数字に勇気づけられつつも、「席はあるが発言力がない」現場の矛盾が共有された。 X (formerly Twitter)

  • 懐疑と反論:一部のスレッドでは「女性を入れても戦争は止まらない」という皮肉や、各国のWPSプログラム縮小への不満が噴出。これに対し、支持派は今回の研究結果や地域の成功事例を提示して応酬している。 Reddit

SNSの議論が示すのは、**“参加の質”**がコア課題だということだ。単なる人数目標ではなく、交渉アジェンダや実施機関において女性が意思決定権をもつ設計へ——。この方向性は、研究が指し示すメカニズムとも整合する。



5. 研究の信頼性:何が新しいのか

今回の分析が重視したのは、単に交渉チームに女性がいるか否かではなく、「合意に女性の包摂条項を明文化し、実施段階で多層の連携が回るか」という制度面の有無だ。


14の長期プロセスの比較と、286合意の統計検証を組み合わせた点が新しい。再発抑制効果の平均11%、国連主導と組み合わせた37%という数字は、この“制度×実装”の有無と密接にリンクしていた。こうした混合研究デザインは、過去の定性的議論を数量的に裏打ちした点で価値がある。



6. アジアへの射程:ASEANと日本の宿題

東南アジアでは、クアラルンプールでWPSサミットが開かれるなど地域枠組みが強まりつつある。日本も「開発協力」と「人間の安全保障」を旗印に、女性主導の対話プラットフォームを後押しできる立場にある。たとえば、和平実施委員会や地方の紛争予防ネットワークに女性比30%以上+意思決定権付与を条件化した資金供与は、研究が示すメカニズムと整合し、費用対効果も高い。 facebook.com



7. 「意味ある参画」をどう作るか:実務5か条

  1. 合意文言の規定化:DDR(武装解除・動員解除・社会復帰)、土地権、治安部門改革、復興資金配分に女性・脆弱層への具体条項を。文言の有無が再発リスクを左右する。

  2. 多層連携の常設化:国連(または地域機構)×女性市民組織×地方行政で、早期警戒と苦情処理の“回路”を常設。リベリアの“ピースハット”型は応用可能。 liberia.un.org

  3. 資金の“直行便化”:女性団体への小口・反復助成(コア資金)を増やし、事務負担を軽減。UN Womenの警告どおり、資金の寸断は現場を止める。 UN Women

  4. 指標は“席”より“影響”:参加人数だけでなく、採択された提案数、監視機関での役職比率、予算の掌握度をKPIに。

  5. 透明性と説明責任:国連や政府は未払い縮減のロードマップを公開。資金の見える化は和平の持続性そのもの。



8. 反論への向き合い方

「女性を入れても合意は破られる」との懐疑には、“入れ方”が重要と答えたい。形式的な参加では効果は限定的だが、合意条項・実施機関・地域対話の三点セットが揃うと、数字どおり効果が現れる。人員配置の多様化は、利害の重なりを見抜き、監視と実装の隙間を埋める“社会的センサー”を増やすことにも等しい。研究で示された11%/37%の差は、その「設計差」を可視化している。



9. 結論:平和は設計できる

平和は“運”ではない。女性の参画を制度に埋め込む設計と、国連や地域機構の一貫した主導が伴えば、内戦の再発リスクは下げられる。逆に、援助削減や未払いが続けば、せっかく設計した回路は断線する。25年の節目に私たちが握った最大の教訓は、「平和はジェンダーニュートラルではない」という事実だ。次の25年に向けて、席だけでなく権限を、理念だけでなく予算を——それが持続する和平の最低条件である。 AP News



出典(主要)

  • Phys.org(The Conversation再掲)「女性が和平合意に参加すると再発リスクが最大37%低下」2025年11月3日。研究手法・数値・ケースの基礎情報。

  • AP通信:グテーレス事務総長、WPS1325の25年で「女性の不在」を指摘。 AP News

  • UN Women:女性団体の資金危機に関する2025年調査・プレスリリース。 UN Women

  • リベリア“ピースハット”関連資料。 liberia.un.org

  • SNS反応(例):UN Women公式X、AU PAPSの投稿、関連Redditスレッド等。 X (formerly Twitter)


参考記事

女性を平和協定に関与させることで、紛争が再発する可能性が最大37%減少します。
出典: https://phys.org/news/2025-11-involving-women-peace-chance-conflict.html

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