ゼロ飲料にさよなら? ― 人工甘味料と糖尿病リスク38%増の衝撃

ゼロ飲料にさよなら? ― 人工甘味料と糖尿病リスク38%増の衝撃

「ゼロ」「ダイエット」のラベルは、健康的な選択の免罪符になっていないか――。2025年8月20日付のInfoMoneyは、人工甘味料入り飲料の常飲で2型糖尿病リスクが38%上昇との研究を紹介しつつ、専門家の間で合意があるわけではない点も強調した。議論は、単純な“砂糖 vs. ゼロ”の二項対立を越え、「甘さ」とどう向き合うかに移りつつある。 InfoMoney


研究のコア:3.6万人×約14年が語る数字

オーストラリアのメルボルン共同コホート研究(MCCS)は、36,608人(40–69歳)を対象に清涼飲料の摂取と2型糖尿病発症を追跡。結果は明瞭だ。人工甘味料入り飲料(ASB)を「1日1回以上」飲む群の発症リスクはIRR=1.38(95%CI 1.18–1.61)砂糖入り飲料(SSB)ではIRR=1.23(1.05–1.45)。さらにBMIやウエスト/ヒップ比を調整するとSSBの関連は弱まった一方、ASBは残存した。重ねて逆因果の影響を探る感度分析でも結論は維持されたという。数字は、“甘くないはずの甘さ”が代謝に与える独自の影響を示唆する。 PubMed


なぜ“ゼロ”で上がる?――考えられるメカニズム

仮説は複数ある。例えばアスパルテームがインスリン応答を惹起しうる可能性、サッカリンやスクラロースが腸内細菌叢を撹乱して耐糖能を損なう可能性だ。個々の甘味料は作用機序が異なるため、「人工甘味料=一枚岩」ではないが、“甘さの知覚”が食欲・嗜好を強める懸念もある。 Oncology RepublicScienceAlert


ガイドラインと立場表明:世界の“針路”

  • WHO(2023)は、減量目的での非糖甘味料の使用を推奨せず。長期の糖尿病・心疾患・死亡との関連に基づく慎重論だ。 The Washington Post

  • ブラジル3学会(SBEM/SBD/Abeso、2023)は、砂糖摂取減には役立ち得る一方、観察研究の限界を踏まえ因果は未確立と整理。 abeso.org.br

  • 米国糖尿病学会(ADA)2025は、**“まず水を”**と明記し、短期・適量のNNS活用は“砂糖よりマシ”なハームリダクションと位置づける。 diabetes.orgdiaTribe

要するに、**「水・無糖」最優先、NNSは短期・限定的に」**が国際的な落としどころだ。


メディアとSNSが煽る“揺れ”:声を拾う

今回の研究は大学の公式発表や複数メディアで広まり、SNSでは**「ゼロ飲料やめる」といった即時的な反応が相次いだ。一方で医療系インフルエンサーは「観察研究で断定はできない」とブレーキをかける。中には“WhatsApp科学者”への皮肉で拡散を戒める投稿も。世論は「やめるべき」派と「冷静派」に二分され、“水に戻る”**の合意だけが静かに強まっている。 New AtlasInstagram


それでも“砂糖よりマシ”は成立するのか

本研究の重要点は、体格の影響を差し引いてもASBの関連が残ったこと。これは「太らないから安全」という素朴な直感を揺さぶる。もっとも、観察研究は交絡や摂取報告バイアスから完全に自由ではない。したがって**“ASB=直ちに有害”の断定は早計だが、“日常的に頼るべき選択ではない”**は、多くのエビデンスと整合する慎重な結論だ。 PubMed


実務ガイド:今日からできる“飲み物の再設計”

  1. 常飲は水(炭酸水・無糖茶・ブラックコーヒー)。運動時もまずは水分補給を基本に。 diabetes.org

  2. “甘さの学習”を外す:無糖に慣れるリセット期間を1–2週間設定。

  3. ラベルの“無糖”に油断しない:人工甘味料入りの超加工飲料・食品の常用を避ける。 InfoMoney

  4. 嗜好品は“イベント化”:たまに飲むなら食後より食間を避け、水を同時に

  5. 代替案:自家製アイスティー、レモン水、フルーツ入りウォーター、無糖ヨーグルト+果物のスムージー。 InfoMoney


まとめ:甘さとの“距離感”を取り戻す

砂糖も“ゼロ”も、日常の相棒にしない。まずはに立ち返り、無糖の選択をデフォルトにする。人工甘味料の長期安全性には未解明点が残る一方、“甘い口当たり”に依存しない食生活は、糖代謝だけでなく嗜好全体を健やかにする。研究の続報を注視しつつ、今日の一杯から見直していきたい。 The Washington PostPubMed


参考記事

ゼロカロリー飲料にさよなら?研究によると、人工甘味料の摂取で糖尿病のリスクが高まる可能性
出典: https://www.infomoney.com.br/saude/adeus-refri-zero-pesquisa-aponta-maior-risco-de-diabetes-por-consumo-de-adocantes/