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たった17日で3倍に成長 : 人間の母乳より“ガチ”だった 17日で海に放り出されるアザラシの最強ミルク

たった17日で3倍に成長 : 人間の母乳より“ガチ”だった 17日で海に放り出されるアザラシの最強ミルク

2025年11月27日 11:36

「最強ミルク」は人間ではなくアザラシだった?

「母乳といえば人間がいちばん複雑」──長くそう考えられてきました。
ところが今、その常識をひっくり返す論文が話題になっています。主役は北大西洋に暮らすハイイロアザラシ(Atlantic grey seal)。この野生動物のミルクが、人間の母乳よりもはるかに複雑で「高性能」だった、というのです。Nature


研究はスウェーデン・ヨーテボリ大学などのチームによるもので、学術誌 Nature Communications に掲載されました。グリコバイオロジー(糖鎖科学)の手法を総動員し、アザラシのミルクに含まれる糖鎖(オリゴ糖)を徹底解析したところ、332種類もの糖鎖が見つかりました。人間の母乳で知られているオリゴ糖は約250種類なので、およそ33%多い計算になります。EurekAlert!


さらに驚くべきは、その多くがこれまで知られていなかったまったく新しい構造だったこと。最大で28個もの糖が連なった巨大分子も発見され、「これまでで最大のミルクオリゴ糖」と報告されています。Nature


17日間で海へ放り出される子どもたち

そもそも、なぜアザラシのミルクはここまで“盛って”あるのでしょうか。

ハイイロアザラシの子どもは、岩だらけの小島の上で生まれます。授乳期間はたった17日ほど。そのあいだに体重を3倍近くまで増やし、分厚い脂肪とタフな免疫システムを手に入れなければなりません。授乳が終わると、母親は突然いなくなり、子どもは氷のように冷たい北大西洋に飛び込んで、自力で生きていくしかないのです。Nautilus


人間の赤ちゃんが「寝て飲んで成長する」数カ月と比べると、アザラシの子は短期決戦。だからこそ、短期間で最大限の効果を出す“ドーピング級”ミルクが必要になります。


カロリーだけじゃない、「糖鎖」という隠れた主役

「ミルク」と聞くと、脂肪やタンパク質、カルシウムなどを思い浮かべる人が多いかもしれません。でも今回スポットライトを浴びたのは、わずかな割合しか含まれないオリゴ糖という成分です。


オリゴ糖は単なる甘味料ではありません。近年の研究で、

  • 腸内細菌のエサになり、善玉菌を増やす

  • 病原菌が腸にくっつくのを妨げ、感染症から守る

  • 免疫細胞の働きを調整し、炎症をコントロールする

といった役割を担っていることがわかってきました。EurekAlert!


今回のアザラシ研究でも、一部のオリゴ糖が細菌のバイオフィルム形成を抑えたり、免疫系に作用したりすることが示されています。簡単に言えば、「腸と免疫のセキュリティソフト」がミルクの中に内蔵されているイメージです。Nature


授乳期間に合わせて、ミルクの“レシピ”も進化する

研究チームは、スコットランド沖の島にいる野生のハイイロアザラシから授乳期間を通じて何度も採乳し、その成分変化も追跡しました。EurekAlert!


結果として見えてきたのは、時間とともに多様性が増していくミルクの姿です。最初の数日は特定のオリゴ糖が多く、子どもの腸や免疫を「初期設定」するフェーズ。その後、種類の違う糖鎖が増えていき、環境中の病原体から守るフェーズへ切り替わっていく。


人間の母乳でも同じように、出産直後の「初乳」と数カ月後のミルクでは成分バランスが変わることが知られていますが、アザラシでもきわめて精密なタイミング制御が行われていることが分かったわけです。Nature


「人間の母乳こそ最強」は思い込みだった?

この論文は、Nature Portfolioの公式Xアカウントや科学メディアC&ENなどが相次いで紹介し、研究コミュニティのSNSではちょっとしたお祭り状態になりました。X (formerly Twitter)

 


Nature Portfolioの投稿では「大西洋のハイイロアザラシのミルクは、人間の母乳に匹敵する糖鎖の複雑さを持つことが示された」と概要が説明され、多くの研究者やサイエンスファンがリポスト。X (formerly Twitter)


LinkedInでは、共同著者のひとりである研究者が「これまでで最大の28糖ユニットのミルクオリゴ糖を見つけた」「人間の母乳と同じように、授乳期間にわたってダイナミックに変化する」と喜びを綴っています。linkedin.com


そこに寄せられたコメントのひとつは、

「まだまだミルクオリゴ糖について学ぶことは多い。栄養と防御の役割をもっと理解したい」linkedin.com

という、期待に満ちたもの。専門家のあいだでも「ミルクの糖鎖は未踏のフロンティアだ」という意識が広がっているのが分かります。


一般のSNSユーザーからは、

  • 「人間の母乳が“最強”っていう思い込みを反省した」

  • 「赤ちゃんのためのサプリじゃなくて、まずミルクそのものを理解すべきだ」

  • 「でも、アザラシのミルクを乱獲するようなことには絶対にならないでほしい」

といった反応が多く見られます(内容は代表的な傾向を要約したものです)。

ある意味で、この研究は**「人間中心」のものの見方をやさしく揺さぶるニュース**でもありました。


粉ミルクや薬の開発にどうつながる?

今回見つかったアザラシのオリゴ糖を、そのまま人間の赤ちゃんに飲ませる計画があるわけではありません。研究者たちが狙っているのは、構造と機能を理解したうえで、同じような働きを持つ分子を合成したり、応用したりすることです。EurekAlert!


具体的には、

  • 早産児や低体重児向けの高機能粉ミルク

  • 腸内環境を整えるプレバイオティクス食品

  • 病原菌のバイオフィルム形成を抑える新しい抗感染症治療


といった応用が構想されています。アザラシのミルクはあくまで「設計図」であり、野生動物を搾乳する必要はありません。この点は、SNSでも多くのユーザーが強調していました。「アザラシの健康と生態系を守りながら、そこから学んだ知識だけを人間社会に活かすべきだ」という視点です。


可愛さだけじゃない、野生動物の“知恵”を見る

ハイイロアザラシといえば、ふわふわの白い赤ちゃんが母親の横で寝ている写真が人気で、「かわいい動物コンテンツ」の定番です。今回の研究は、その背後にある**進化が作り上げた高度な“ミルク工学”**を可視化しました。Nautilus


New York Timesの記事をはじめ、各国メディアはこの研究を「人間の母乳と張り合うワイルドなミルク」「海の過酷さが生んだ究極のベビーフード」といった切り口で紹介しています。sciurls.com


私たちがスーパーで手に取る牛乳や粉ミルクの裏側には、こんな**「ミルク・イノベーションの自然史」**が広がっている。そう想像すると、身近なコップ一杯も少し違って見えてきませんか。


「ミルクを見る」とは、「命の戦略を見る」ということ

今回分かったのは、「人間の母乳よりスゴいミルクがあった」という単純なランキングではありません。

  • 北大西洋の荒海で生きるアザラシ

  • 長い子育て期間をとる人間

  • それぞれの環境で、どんなリスクにどう備える必要があるのか


その違いが、ミルクというかたちで具体的な分子設計に落とし込まれている――そう教えてくれる研究です。

SNSのタイムラインには、「自分の体のことも、他の動物のことも、まだまだ知らないことだらけだ」と驚く声が多く流れました。


アザラシの母乳は、地球上の生命が編み出してきた多様な「子育て戦略」の一つの例にすぎません。これからも、思いもよらない生き物のミルクや体液が、私たちの常識を更新し続けるのかもしれません。



参考記事

アザラシのミルクは分子の作物の中で最高級品
出典: https://www.nytimes.com/2025/11/25/science/seal-milk.html

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