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“オーラ”が世界を席巻 : “脳がバグる”ミームからAI不信まで ─ 2025年ソーシャルワード総ざらい

“オーラ”が世界を席巻 : “脳がバグる”ミームからAI不信まで ─ 2025年ソーシャルワード総ざらい

2025年12月05日 09:23

1. Sprout Socialがまとめた「2025年、言葉で振り返るインターネット」

ソーシャルメディア管理・分析のリーディングカンパニーであるSprout Socialが、2025年のSNSを定量的に振り返る「ソーシャルメディア辞書(Social Media Dictionary)」を初めて公開した。


同社は主要SNSの1年分の会話データをクロスプラットフォームで解析し、「どの言葉が、どれだけ人々のタイムラインと文化を動かしたか」をランキング形式で可視化している。ワード・オブ・ザ・イヤーには、31.9億インプレッションを記録した「Aura(オーラ)」が選ばれた。investors.sproutsocial.com


この辞書が面白いのは、単なる流行語大賞ではなく、「ニッチなコミュニティで生まれた言葉が、いかにしてグローバルカルチャーへと拡散していくか」という“軌跡”まで読み解ける点だ。Sprout Socialのリスニング機能で蓄積されたソーシャル・インテリジェンスをもとに、AI主導のコンテンツ発見やコミュニティ主導のムーブメントが、言語そのものを書き換えつつあることが示されている。investors.sproutsocial.com


ここからは、辞書で取り上げられた象徴的なキーワードを、実際のSNSの空気感とともに追っていく。



2. ワード・オブ・ザ・イヤー「Aura」──“オーラ盛り”の時代

2025年、タイムラインには「Aura(オーラ)」という言葉が溢れていた。Sprout Socialによると、「Aura」は主要SNS全体で31.9億ものインプレッションを生み出し、堂々のワード・オブ・ザ・イヤーに。investors.sproutsocial.com


特徴的なのは、その使われ方だ。
もともと「オーラ=雰囲気・“出ている感”」という感覚的な概念だったものが、

  • aura-farming(オーラ耕作):自分の“オーラが良く見える投稿”を量産してアルゴリズムに拾わせる行為

  • aura-maxxing(オーラ最大化):ファッションやフィルター、ライフスタイル演出で“オーラ値”を限界まで盛ること

といった派生語を生みながら、SNS時代の「セルフブランディング」を象徴するキーワードへと進化していった。Auraがまず盛り上がったのは、スポーツファンやファッション好きのコミュニティ。そこからミームとして拡散し、大衆文化レベルまで一気に跳ね上がったと分析されている。investors.sproutsocial.com


SNSの反応:オーラに疲れる人、乗っかる人

XやTikTokでは、

  • 「2025年、一番削られたのは“オーラ”かもしれない」

  • 「aura-farmingしすぎて、リアルの自分のHPがゼロ」

といった自虐ネタがタイムラインに流れ、「オーラを盛ること」に疲れたユーザーの本音も可視化された。一方で、ファッションや美容インフルエンサーは「今日のaura fit」「この香水でオーラ3割増し」といった形で、Auraを前向きなセルフブランディング用語として活用。


同じ言葉を「疲れの象徴」として捉える人と、「自己表現のためのツール」として使い倒す人が共存しているところに、2025年のSNSらしい多層性が表れている。



3. Labubu──“ブサカワの怪物”が暴いた消費カルチャー

トップワードの一つに挙げられたのが、香港出身のアーティストKasing Lungが生み出し、中国のトイメーカーPop Martが展開するキャラクター「Labubu(ラブブ)」だ。ふわふわの毛と、ちょっと不気味で愛らしい“ブサカワ”な見た目で知られ、2025年にはSNS上で580万件以上の言及を集めたとされる。investors.sproutsocial.com


Labubu人気を加速させたのは、SNS上の**開封動画(アンボクシング)**と著名人の後押しだ。ブラインドボックスを開ける瞬間の高揚感や、レアフィギュアを引き当てた歓喜のリアクションがTikTokや小紅書(RED)で大量に共有され、「当たらない」「被りまくる」といった悲喜こもごもの投稿がミーム化した。


SNSの反応:熱狂と倦怠の二面性

タイムラインを追うと、Labubuをめぐって次のような空気が混在している。

  • 「給料が毎月Labubuのブラインドボックスに消えていく」

  • 「かわいいけど、ここまで来ると資本主義の怪物だろ…」


推しキャラを集める“尊い消費”として肯定する声と、転売価格の高騰や終わりなき収集欲を嘆く声がぶつかり合い、「推し活」と「消費主義」の境界線があらためて議論の対象になっているのが印象的だ。


Labubuは単なる「かわいいキャラ」を超え、中国発のカルチャーがグローバル市場とSNSを通じてどのように増幅されるかを示す象徴にもなっている。フォーチュン



4. 「6–7」──意味がないからこそ強い、“脳がバグる”ミーム

2025年のネットスラングを語るうえで、外せないのが「6–7(シックスセブン)」だ。ラッパー・Skrillaの楽曲「Doot Doot (6 7)」のフレーズから生まれたこの言葉は、TikTokやInstagram Reelsで爆発的に拡散し、プロバスケ選手のハイライト動画や日常のショートクリップの定番BGMとなった。ウィキペディア


特徴的なのは、「これ」といった意味がほぼ存在しない点だ。テストの点数が67点だったとき、身長が“6フィート7インチ”に近いとき、あるいはただの掛け声として――6–7は、文脈ごとに意味を変えたり、そもそも意味を持たない“ノリ”として使われる。


海外メディアは、この現象を「brain rot(脳が溶けるようなコンテンツ)」の象徴と評し、大人世代や教育現場からは「授業を邪魔するから禁止」という反発の声も上がった。一方でZ世代・α世代にとっては、意味よりも“共有されたノリ”そのものが連帯感を生む新しい言語遊びとして機能している。ウィキペディア


SNSの反応:うるさいけど、なぜか真似してしまう

コメント欄には、

  • 「マジでうるさいのに、気づいたら口癖になってるのが悔しい」

  • 「クラス全員6–7って言い始めて先生がブチギレた」


といった投稿が並び、**「うざいのに面白い」**という感情のせめぎ合いが可視化されている。
6–7は、意味を共有するのではなく、「意味のなさ」を一緒に楽しむという、2025年的なミームの到達点と言えるかもしれない。



5. マーケターのバズワード:GEOとSubstackが示す“ポスト検索”時代

辞書の中には、一般ユーザーだけでなく、マーケターの日常会話を席巻した言葉もランキングされている。その代表が「GEO(Generative Engine Optimization)」と「Substack」だ。Sprout Socialによれば、GEOはAI主導のコンテンツ発見に最適化するためのキーワードとして1160億インプレッション以上、Substackは1170億インプレッション以上を記録したという。investors.sproutsocial.com


GEOは、従来のSEO(検索エンジン最適化)を、ChatGPTのような生成AIエンジン向けに最適化する発想へと拡張した概念だ。コンテンツ構造や文脈、権威性をチューニングし、「生成AIに引用されやすい形」で情報を整えることで、AI検索時代の可視性を確保しようとする試みである。ウィキペディア


一方、Substackは「アルゴリズムに左右されない“ホーム”」としてのニュースレター・プラットフォームとして再評価されている。SNSで見つけたクリエイターを、Substackのような長文プラットフォームへ送り込み、コアコミュニティを育てる――そんな「SNS → Ownedメディア」への導線設計が、マーケ界隈のXやLinkedInで日常的に語られるようになった。


SNSの反応:バズワード疲れと、それでも無視できない現実

マーケター界隈のタイムラインでは、

  • 「今年の流行語:また新しい○○EOが出ました」

  • 「GEOはバズワードじゃなくて、“生成AIが読む前提のライティング技術”と割り切ったほうが早い」

といった、冷笑と実務的な諦観が入り混じった反応が多い。


それでもGEOやSubstackがここまで語られるのは、「検索結果よりも、AIによる要約・レコメンドが情報の入口になる世界」へのシフトが、多くのマーケターにとって現実味を帯びてきたからだろう。



6. 2026年のキーワード候補:AI Slop、Clanker、Group 7

ソーシャルメディア辞書は、2025年を振り返るだけでなく、2026年に向けて注目すべき言葉も提示している。Sprout Socialが挙げたのは主に3つのキーワードだ。investors.sproutsocial.com


  • AI Slop(AIスロップ)
    SNS上にあふれる、低品質で使い回し感のあるAI生成コンテンツを揶揄する言葉。テンプレ化した画像や、誤情報を含む自動生成記事に対して、「またAI Slopか…」とため息まじりに投稿するユーザーが増えている。

  • Clanker(クランカー)
    AI Slopを量産するアカウントや、その文化そのものを支える人々を、半ば侮蔑的に指す表現。皮肉を込めて自分で「I’m a clanker」と名乗るケースもあり、AI依存への自嘲と批判が同居している。

  • Group 7
    限られた人だけが参加できる、クローズドでニッチなオンラインコミュニティを象徴する言葉として注目されている。オープンなタイムラインではなく、小さなDiscordサーバーやクローズドチャットグループにこそ“本音”が集まる、という感覚が強まっているのだ。


これらの言葉は、**「AIがコンテンツを大量生産する世界」と「人間が時間をかけて作るコンテンツ」**のあいだで揺れるユーザーの感情、そして「広いけれど浅いSNS」と「狭いけれど深いコミュニティ」の対立構造を、そのまま言語化していると言える。



7. ソーシャルメディア辞書から見える、2025年カルチャーの3つの特徴

Sprout Socialのソーシャルメディア辞書を、SNS上の空気感と重ね合わせると、2025年のインターネット文化には少なくとも3つの特徴が浮かび上がる。

  1. ニッチからグローバルへの“バズの昇格”スピードが異常に速い
    AuraやLabubu、6–7はいずれも、最初は特定のコミュニティ(スポーツファン、コレクター、学生など)の中だけで使われていた。それがアルゴリズムとインフルエンサーのブーストにより、数カ月単位で世界レベルのミームに昇格している。investors.sproutsocial.com

  2. “意味”より“ノリ”が価値を持つ言葉が増えている
    6–7のように、明確な意味がない、もしくは後から意味が勝手に付け足されるタイプのスラングが主流化した。そこでは言葉そのものより、「そのフレーズを共有している仲間意識」や、「大人にはわからない内輪ノリ」であることの方が重要視されている。ウィキペディア

  3. AIと人間、マスとニッチの二項対立が、言葉のかたちで噴出している
    一方でGEOやSubstackは、AIやアルゴリズムを前提としたコンテンツ戦略の言語だ。対してAI SlopやClanker、Group 7は、その潮流への違和感や反発、あるいは逃避先としての「小さな場」を指し示す言葉として立ち上がっている。investors.sproutsocial.com



8. 企業とクリエイターが取るべきアクション

では、このソーシャルメディア辞書から、企業や個人のクリエイターは何を学べるのか。実務的なアクションに落とし込むと、次のようなポイントが見えてくる。

  1. 「言葉の一次発生源」を押さえるリスニング体制を作る
    トレンド化した後のキーワードだけ眺めても遅い。Auraがスポーツ&ファッションコミュニティから、Labubuがコレクター文化から生まれたように、「どのコミュニティから火がついたのか」を押さえることが、次の一手を考えるうえで重要になる。

  2. GEO的な発想で、“人とAIの両方に読まれる文章”を設計する
    生成AIに引用されやすい構造化・文脈設計と、人が読んで共感できるストーリーテリングは両立しうる。GEOを「アルゴリズムに媚びる技術」と切り捨てるのではなく、「伝えたい内容を正しく理解してもらうための編集技術」と捉え直すと、コンテンツ戦略が一段クリアになる。ウィキペディア

  3. AI Slopと呼ばれないための“こだわりポイント”を明確にする
    生成AIを使うこと自体が悪ではない。しかし、どこまでがAIで、どこからが人間の判断・表現なのかを意識的に設計しないと、ユーザーから「これはAI Slopだ」と一蹴されてしまう。制作プロセスの透明性や、「ここだけは人がやっています」というメッセージを打ち出すことは、2026年以降ますます重要になる。investors.sproutsocial.com

  4. “Group 7的な場”をどう作るかを考える
    大規模なフォロワー数よりも、小さくて濃いコミュニティこそがブランドの生命線になる可能性が高い。クローズドな会員制コミュニティや限定配信、少人数イベントなど、「表のタイムラインとは別の居場所」を設計できるかが問われている。



9. おわりに:言葉を追うことは、カルチャーの未来を追うこと

Sprout Socialのソーシャルメディア辞書は、2025年のインターネットを「数字とキーワード」で切り取った年表だ。しかしその本質は、**言葉を通じてカルチャーの変化を予測するための“辞書型レポート”**にある。investors.sproutsocial.com


Aura、Labubu、6–7、GEO、AI Slop、Clanker、Group 7――。
これらの言葉に共通しているのは、「いつの間にかタイムラインの前提になり、空気のように使われ始める」という点だ。


だからこそ、マーケターやクリエイター、メディア運営者にとって重要なのは、
単にバズワードを追いかけることではなく、

その言葉が、どんな不安や欲望、希望を背負っているのかを読み解くこと

と言えるだろう。


2026年、あなたのタイムラインを埋め尽くす次のキーワードは、すでにどこかの小さなコミュニティで生まれ、育ちつつあるのかもしれない。



参考記事

Sprout Social、初のソーシャルメディア辞典を発表、2025年の文化を定義したバイラルワードを公開
出典: https://www.aktiencheck.de/news/Artikel-Sprout_Social_Releases_First_Ever_Social_Media_Dictionary_Unveiling_the_Viral_Words_That_Defined_Culture_2025-19268553

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