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27年目の“楓”が揺らす心――行定勲監督が紡ぐ新たなラブストーリー『楓』、12月19日世界公開へ

27年目の“楓”が揺らす心――行定勲監督が紡ぐ新たなラブストーリー『楓』、12月19日世界公開へ

2025年07月17日 16:29

1. はじめに――“平成ロックの純文学”が映像になる日

1990年代後半、日本のロックシーンを席巻したスピッツ。なかでも「楓」は、切なさと希望を同時に抱えた歌詞で世代を超えて愛されてきた。“さよなら 君の声を抱いて歩いていく”という冒頭のフレーズは、J-POP史上屈指の名ラインとして今なお引用される。


そんな楽曲が映画化されると聞いて、多くのファンだけでなく海外メディアまでもが驚きをもって報じた。ナタリー



2. 映画化までの27年間――“別れ”とともに歩んだ歳月

「楓」はリリース直後から人気を博したが、映画化の企画は長らく“幻”と呼ばれてきた。行定監督によれば、2000年代初頭にもオファーがあったものの「語りたい物語がまだ熟していなかった」という。今回、脚本家の髙橋泉が「喪失がもたらす再生」という普遍的モチーフを提示し、企画が再始動。


“別れ”を経験することでこそ人は前に進める――そんな命題が「楓」の歌詞と共鳴したという。Fan's Voice | ファンズボイスFashion Press



3. 物語――ニュージーランドで紡がれる“追憶と再生”

主人公は最愛の人を事故で失った日本人写真家アオイと、幼い息子を病で看取ったニュージーランド人ガイドのリアム。二人は南島の湖畔で出会い、互いに言葉がうまく通じないまま、喪失の痛みを共有し始める――。脚本はセリフを極力そぎ落とし、風景と表情で感情を語る構成だ。行定監督は「セリフの代わりに“風”を撮った」と語る。映画.com



4. 行定勲という作家性――“静”の熱量

行定作品の特徴は、人物を取り巻く空気感を映し取る静かなカメラワークと、登場人物の「不在」を描く点にある。『世界の中心で、愛をさけぶ』ではヒロインがいなくなった空白を、『ナラタージュ』では言葉にできない想いの空気を撮った。そして『楓』では“失った人の気配”が風景に溶け込む。


監督は「“楓”というタイトルには“散りゆくものの美しさ”が宿る」と話し、映画全編で紅葉が象徴的に使用されている。MANTANWEB(まんたんウェブ)



5. 撮影地ニュージーランド――四季と時差が生む物語のリズム

本作はオールロケで、クイーンズタウン近郊の湖、テカポの星空、ネルソン地方の紅葉などを縦断。スタッフは「日本と季節が逆転する」南半球を舞台に選ぶことで、過去と未来、夜と昼、生と死の“時差”を視覚化した。映像美を支えるのは『トップガン マーヴェリック』のドローンチーム。I


MAXカメラで撮影された紅葉の群生は、まるで観客を包み込む巨大なキャンバスだ。Fan's Voice | ファンズボイスFashion Press



6. 音楽――スピッツ新録と世界基準のスコア

スピッツは主題歌として「楓(2025 Cinema ver.)」を録り下ろした。キーやテンポは原曲と同じだが、弦楽器とコーラスを重ね、よりシネマティックな拡がりを獲得。さらに、アカデミー賞受賞歴をもつ作曲家グスターボ・サンタオラヤが追加スコアを担当し、日本語詞とインストゥルメンタルが交差する。


映画音楽としての“異文化ハイブリッド”を狙った音作りは、海外市場も意識した布陣と言える。ナタリー



7. キャスティング――“国境を超える化学反応”

アオイ役には『怪物』で世界に名を刻んだ安藤サクラ。リアム役はニュージーランド出身の新鋭フィン・ヴォーン。国籍も演技メソッドも異なる二人だが、リハーサルでは互いの母語をあえて禁止し、非言語コミュニケーションで感情を作り上げたという。行定監督は「英語でも日本語でもない、魂の揺らぎを撮りたかった」と語る。



8. 海外マーケットとJ-POP――“歌から映画へ”の輸出モデル

近年、BTSの楽曲がドラマ化されるなど“K-POP原作”は定着しつつあるが、J-POPを原案とする実写映画の海外進出はまだ少ない。『楓』は日本公開と同日に台湾、シンガポール、北米の劇場でも限定公開を予定。歌詞の余白を映像で膨らませる手法は、言語の壁を越えやすく「ライムの翻訳問題」を回避できると言われる。本作が成功すれば、ほかのJ-POP楽曲の映像化にも弾みがつきそうだ。映画.com



9. フェスティバル戦略――“恋愛映画の次なる波”

製作委員会はトロント国際映画祭のContemporary World Cinema部門、続いてベルリンのBerlinale Special Galaでの上映を狙う。世界的に“ジャンル横断型ロマンス”は復権傾向にあり、パラレルワールドやメタ構造を排した“純愛”の語り直しが注目されている。


『楓』は英語字幕版のほか、歌詞を多言語で同時表示する“シングアロング上映”も企画中だという。



10. おわりに――“さよなら”のその先へ

「楓」は別れを歌いながらも、最後には“また会える”という希望をにじませる。映画『楓』も同様に、喪失を描きつつ再生への静かな期待を提示する作品だ。行定監督は「別れの痛みはなくならないが、時が経てば痛みは輪郭を変え、いつしか自分の中で木陰になる」と語った。


その言葉どおり、私たち一人ひとりの心に“木陰”を届けてくれる映画になるに違いない。公開まで残りわずか――再び“さよなら”を抱きしめる準備をしよう。Fan's Voice | ファンズボイス




🔗 参考記事一覧(クリックでアクセス)

  1. 👉 映画『楓』公式ティザー情報|映画ナタリー

  2. 👉 スピッツ「楓」27年越しの映画化、行定勲監督がメガホン|シネマカフェ

  3. 👉 「楓」はなぜ今、映像化されるのか――行定勲と髙橋泉の挑戦|Real Sound映画部

  4. 👉 スピッツの名曲が映画に!「楓」から広がる愛の物語|Yahoo!ニュース

  5. 👉 映画『楓』、安藤サクラ&フィン・ヴォーンが共演|映画.com

  6. 👉 行定勲監督インタビュー「“風”を撮った理由」|朝日新聞デジタル




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