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2025年、アニメが「趣味」から「文化インフラ」になった日

2025年、アニメが「趣味」から「文化インフラ」になった日

2025年12月31日 17:14

2025年、アニメ・ファンダムは「現象」ではなく「基盤」になった

2025年を振り返ると、アニメをめぐる空気は明らかに変わった。かつて「詳しい人が深くハマるジャンル」だったものが、いまや映画館、配信、SNS、イベント、そしてファッションや音楽まで巻き込む“文化の基盤”に近づいている。ポイントは単なる視聴者数の増加ではない。ファンダムの振る舞い方――どう見つけ、どう語り、どう集まり、どう消費し、どう創作するか――その総体が、2025年に一段ギアを上げた。



1)劇場が再び「祭りの場」になった:アニメ興行の臨界点

2025年の象徴は、やはり劇場だった。『Demon Slayer: Infinity Castle』は北米での到達点が語られ、**“アニメがポップカルチャーの中心で祝福される瞬間”**をファンにもたらした、という趣旨の発言も報じられている。公開スケジュール(日本→アジア→北米拡大)を踏み台に、作品の熱量が“口コミの波”として増幅していく構図が見えた。 EW.com


続く『Chainsaw Man — The Movie: Reze Arc』も、北米オープニングや世界興収の数字が「成功例の追加」になった。重要なのは、単発の奇跡ではなく、成功の型が複数生まれ始めたことだ。劇場という場所が、配信時代においても「一緒に観るための儀式空間」として復権し、ファンダムがそこへ“集団で出撃”する。アニメはそれを最も上手くやったジャンルになった。 EW.com



2)配信は「巨大な入口」、SNSは「加速装置」になった

一方で、劇場だけが主戦場ではない。むしろ多くの人にとって、最初の入口は配信だ。アニメ専門サービスの責任者インタビューでも、Z世代の視聴比率の高さや、視聴が“ニッチではない”ことが語られている。 The Verge


ここで決定的なのがSNS、とりわけ短尺動画の役割だ。調査レポートでは、アニメがストリーミング普及とソーシャルの拡散で世界的ファンダムを拡張し、さらにTikTokやInstagramの“ファン編集”が新作発見に寄与している点が強調される。つまり、視聴体験の前に“切り抜き体験”が来る。名シーン、作画、セリフ、音楽、キャラの表情――数秒の熱で心が掴まれ、そこから本編へ流入する。 Ceros



3)「音楽×アニメ」的な熱狂が、ファンダムの裾野をさらに広げた

2025年のもう一つの鍵は、アニメが他領域――特に音楽――と結びついて、視聴以外の接点を爆発的に増やしたことだ。『KPop Demon Hunters』はその典型で、視聴数に加え、サウンドトラックのヒットやSNSでの“文化的カットスルー”が語られている。映画を見ていなくても曲で知り、ダンスで触れ、コスチュームで参加する。作品は「一本の映像」ではなく、「生活のあちこちに刺さる体験パッケージ」へと変わっていった。 TIME



4)ファンダムは巨大化した。でも「会場の設計」は追いついているか

オンラインの熱狂がオフラインへ流れ込むと、次に問題になるのは“収容”だ。Redditのr/AnimeNYCでは、参加者が10万人規模になったという話題が出る一方、会場体験が「買い物中心」「動線が詰まる」「プログラムが不足」といった不満も並ぶ。規模が上がるほど、ファンダムは「運営品質」を要求する。熱量だけでは回らない。 Reddit


ここには、2025年の“成長痛”が濃縮されている。

  • 参加者が増える

  • 写真・コスプレ・物販の需要が跳ねる

  • でもパネルやゲスト、体験設計が追いつかない

  • 結果、満足度が割れる

ファンダムの巨大化は祝福だが、同時に「場づくり」という別スキルを必要とする。2025年は、その差が見え始めた年でもある。



5)SNSの反応:2025年の“熱”は、どんな言葉で語られたか

ここからは、SNS上で目立った反応の傾向を、実際の投稿・スレッドの論点を踏まえて整理する(※引用ではなく要旨)。


(1)「アニメはもう主流」派:数字が自信を与えた
『Demon Slayer: Infinity Castle』の北米・世界的成功や、アニメ映画の記録更新が語られるたびに、「好きなものが“周縁”扱いされない」解放感が共有される。EW記事内でも、ファンが“ポップカルチャーの中心で認められる瞬間”というニュアンスが言語化されていた。 EW.com


(2)「入口が変わった」派:切り抜き→本編が当たり前
調査レポートは、SNS(特にファン編集)が新作発見の導線になっている点を明示する。実感としても「まず編集で刺さって、後から本編を追う」語りが増えた。 Ceros


(3)「懐古と更新」派:昔の定番が“置き去り”になる速度
r/animeでは、2010年以前の“当時の主流”が今の新規層では語られにくいという話題が出ている。作品が増え、入口が増えた結果、ファンダムの共通教養が薄くなる。これは分断ではなく、多様化の副作用だ。 Reddit


(4)イベント現場のリアル:人は来た、でも体験が足りない
AnimeNYCのスレッドでは、参加者増を歓迎しつつ「パネルが少ない」「会場がモール化」「動線が厳しい」といった声が並ぶ。ファンダムが成熟すると、熱狂は“要求水準”に変わる。 Reddit



6)“勝ち”の裏側:制作とコミュニティの課題も見えてきた

2025年の成功は、同時に問いを突きつける。

  • 劇場ヒットが続くほど、制作現場は持続可能か

  • 配信と劇場のウィンドウ設計は、ファンの期待と噛み合うか

  • SNS導線が強いほど、誤情報・断片消費・過熱炎上をどう抑えるか

  • イベントが巨大化するほど、安全・動線・プログラムの設計が追いつくか


2025年は、アニメが“伸びた”年であると同時に、伸び続けるための制度設計が必要になった年でもある。



7)2026年以降:ファンダムはどこへ向かうか

2026年以降の鍵は、「より多くの人が見る」だけではない。

  1. 参加体験の設計(劇場・イベント・配信内コミュニティ)

  2. SNS導線の最適化(切り抜きを入口にしつつ、作品理解へ繋げる)

  3. 多様な入口の共存(音楽・ゲーム・コスプレ・ショート動画)

  4. 持続可能性(制作・流通・会場運営)


アニメはすでに世界規模の文化になりつつある。次は、その文化を“燃え尽きさせない”運営のフェーズだ。2025年は、そのスタートラインだった。



参考記事

2025年、アニメの世界的な影響力を私たちに示した
出典: https://www.nytimes.com/2025/12/29/movies/anime-fandom-year.html

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