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エピゲノムが示す“若さの刻み方” - 117歳が教える健康長寿の秘訣:長生きの科学が明らかにする新たな知見

エピゲノムが示す“若さの刻み方” - 117歳が教える健康長寿の秘訣:長生きの科学が明らかにする新たな知見

2025年09月28日 11:59

2024年に117歳で亡くなったスペイン在住のマリア・ブラニャス・モレラさんの体を、研究チームが前例のない多角的分析(ゲノム/エピゲノム/プロテオーム/メタボローム/マイクロバイオーム)で読み解いた。結論はシンプルで大胆だ。「老いること」と「病気になること」は必ずしも同じではない。加齢のサインを帯びながらも、典型的な老年疾患から守られていた彼女の“二面性”は、健康寿命を延ばす未来像を私たちに見せる。研究は2025年9月にCell Reports Medicineで公表され、バルセロナのジョセップ・カレラス白血病研究所が詳細を発表している。carrerasresearch.org



117歳の身体に何が起きていたのか

研究は、亡くなる約1年前に採取した血液・唾液・尿・便の試料をもとに、分子レベルで「全身像」を描いたものだ。その結果、非常に短いテロメアや免疫の加齢サインといった“極端な老化”の指標が見つかる一方で、脳や心臓を守る遺伝子バリアント、全身の慢性炎症の低さ、脂質・コレステロール代謝の効率、そしてビフィドバクテリウムが豊富な“若々しい”腸内細菌叢という“健康長寿”の指標も同居していた。研究チームはこの共存を「繊細なバランス」と表現し、「老い」と「病」を切り離して観察できた最初の症例だと強調する。carrerasresearch.org


エピゲノムの“時計”で推定した生物学的年齢は実年齢より10〜15年ほど若いと報じられており、別メディアでは約23年若いという推定も紹介された。複数の手法や推定モデルにより幅が生じているが、方向性は一致している——「年相応より若かった」ということだ。ガーディアン



ライフスタイルは“助演”、遺伝は“主役”か

本人は喫煙・飲酒をせず、肥満歴なし。家族や友人との交流も活発で、毎日ヨーグルト(地元のプロバイオティクス)と8種雑穀のスムージーを摂っていたという。腸内環境の若さと整合的な日常の習慣だ。もっとも、研究陣は「特定の食品を万能薬化しない」慎重姿勢を崩していない。DIE WELT


一方で、遺伝的な下地が大きいとの見方も強い。研究に関わった専門家は、長寿の要因の“およそ半分”は遺伝と推定していると報じられた。ライフスタイルが火に油を注ぎ、腸内細菌叢がそれを支えた——そんな役割分担が浮かび上がる。SvD.se



「老い=病気」ではないという示唆

特筆すべきは、超高齢でも認知症・糖尿病・がんなど“老年期の定番疾患”が目立たなかったことだ。例えば、極端に短いテロメアが逆説的に“細胞の暴走”を抑え、がんリスクを下げた可能性が指摘される。研究者は「初めて“老いること”と“病むこと”を分けて考えられた」と語っている。医療は病気を治す方向で進化してきたが、次の一歩は加齢そのものを標的にすることかもしれない。ガーディアン



SNSの反応——「ヨーグルト論争」から“親ガチャ”まで

① ヨーグルト礼賛派
ニュースが出るや否や、Xやニュースコメント欄では「毎日ヨーグルトが鍵だったのでは?」という声が相次いだ。メディアの見出しもこの点を強調しがちで、“善玉菌×腸内環境”に注目が集まる。もっとも、どの記事も因果ではなく関連を伝えている点には注意が必要だ。ザ・タイムズ


② 遺伝“つよつよ”説
一方で「結局は遺伝が半分」という冷静な見立ても広まった。スウェーデン紙の報道は研究者コメントとしてこのニュアンスを伝えており、SNSでは“運の良い遺伝子”を俗に「親ガチャ」になぞらえる投稿も見られた。SvD.se


③ Redditの科学クラスタ
Redditの遺伝学コミュニティでは、n=1(単一症例)の限界を認めつつも、多層オミクスでここまで掘った意義を評価する議論が目立った。「一般化には慎重であるべきだが、仮説生成としては豊作」という空気感だ。Reddit


④ 生涯ストーリーへの畏敬
他のスレッドでは、1907年生まれが生き抜いた世紀のスケール感に驚嘆する声が並ぶ。1918年インフル、スペイン内戦、第二次世界大戦、そして113歳でのCOVID-19感染からの回復——その“時代の証人”としての存在感も、長寿ニュースを人々が好む理由だ。Nature



研究の要点を3行で

  • 老化サイン(短いテロメア、免疫老化)と健康長寿サイン(低炎症、良好な脂質代謝、若い腸内細菌叢、保護的遺伝子)が同居。

  • 生物学的年齢が実年齢より若いと推定(推定幅10〜15年、別報では約23年)。

  • “老い”と“病い”の分離という概念的前進。carrerasresearch.org


私たちが今日からできること(現時点のエビデンスで)

やる価値が高いこと

  • 炎症を下げる生活:十分な睡眠、口腔ケア、運動習慣、加工肉・過剰糖分を控える。

  • 体重管理と活動:毎日の歩行や筋力トレ。

  • 社会的つながり:友人・家族との交流は健康寿命と関連。

  • 発酵乳製品の活用:ヨーグルトなどプロバイオティクスは腸内環境にプラスに働き得る(ただし、効果は個人差)。ガーディアン

誤解しないこと

  • “ヨーグルト=長寿確定”ではない。 研究は単一症例で、因果は証明していない。

  • サプリや一発逆転の魔法はない。 食事・運動・睡眠・禁煙・適正飲酒といった地味な積み重ねが依然として主役だ。carrerasresearch.org


科学的・社会的インパクト

この研究は、加齢そのものを治療対象にするという発想に現実味を与える。エピゲネティクス介入や**セノリティクス(老化細胞標的薬)など、既存のアプローチの最適化にもヒントを与えるだろう。一方で、個体差が非常に大きい領域であること、一般化の罠を避けるための再現研究が不可欠であることも改めて示した。「ケーススタディ→仮説→検証」**の王道を、私たちは気長に歩く必要がある。carrerasresearch.org



結び

マリアさんの“設計図”は、長生きの秘訣が単一の鍵ではないこと、そして老いることは必ずしも病むことではないことを静かに伝える。私たちができるのは、遺伝という手札に、生活というプレイで点を積むこと。科学は、そのプレイを助ける道具を、これからもっと増やしてくれるはずだ。DIE WELT


参考記事

長寿:117歳の女性、研究者に健康的な老化の秘密を深く探る手がかりを提供 - WELT
出典: https://www.welt.de/wissenschaft/article68d4dd271e87ea5182edcf5c/langlebigkeit-117-jaehrige-frau-ermoeglicht-forschern-tiefe-einblicke-in-das-geheimnis-gesunden-alterns.html

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