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世界の鳥たちが警告する、地球の生態系が危機に瀕している理由 : スズメもフクロウも同じ役割だった? 世界規模の鳥類調査が突きつける現実

世界の鳥たちが警告する、地球の生態系が危機に瀕している理由 : スズメもフクロウも同じ役割だった? 世界規模の鳥類調査が突きつける現実

2025年11月28日 00:07

「鳥の数はまだ多いから大丈夫」ではない

「鳥が減っている」という話は、ここ数年でよく耳にするようになった。だが、多くの人はどこかで「とはいえ、まだいろんな鳥がいるし、自然は案外タフなんじゃないか」と思ってはいないだろうか。


11月26日に公開された新しい研究は、その“楽観”に冷や水を浴びせる内容だった。英インペリアル・カレッジ・ロンドンとケンブリッジ大学などの国際チームは、世界1200地点から集めた約3700種の鳥類データを解析し、土地利用の変化が生態系の“粘り強さ”そのものを削り取っていると報告したのだ。Phys.org


ここで焦点となったのは、単純な「種の数」ではない。研究者たちが見たのは、鳥たちが担う役割の多様性と、その予備の厚みだ。



鳥は「生態系サービス産業」の総合職

鳥はかわいいだけの存在ではない。

・花粉を運ぶ送粉業
・木の実を食べて種を遠くまで運ぶ運送業
・害虫を食べてくれる害虫駆除業
・動物の死骸を片付ける清掃業

…など、私たちの暮らしを陰で支える“生態系サービス産業”の総合職と言っていい。


研究チームは、各種の食性、体の大きさ、くちばしの形、翼の形といった情報を組み合わせ、「どんな仕事をしている鳥なのか」を定量的に整理した。Phys.org


そのうえで、自然林から大規模農地、都市部に至るまで、土地利用の異なるエリアごとに鳥のコミュニティを比較した。結果として見えてきたのは、人間の活動が進む場所ほど、役割の顔ぶれが極端に薄くなるという現実だった。



生態系の「保険」が解約されていく

自然度の高い森では、同じような役割を担う鳥が何種類も存在する。たとえば、種子散布を行うフルーツ好きの鳥が複数いれば、どれか一種が減っても、他の鳥が仕事を肩代わりできる。この“予備の働き手”のことを、研究では**機能的冗長性(functional redundancy)**と呼んでいる。Phys.org


ところが、農地への転換や都市化が進んだ場所では、この冗長性がごっそり抜け落ちていた。

・環境変化に強い数種の“タフな鳥”だけが生き残る
・それ以外の繊細な種は姿を消し、役割も一緒に消える
・残ったタフな鳥どうしの役割も似通ってしまう

つまり、「ある程度の種類数は残っているのに、役割の重なりがない」状態になっていたのである。Phys.org


これを人間社会に置き換えると、会社からベテラン社員やバックアップ要員がいなくなり、少数の社員が複数部署を兼務しているようなものだ。普段は何とか回っていても、新たなトラブルが起きた瞬間に、システム全体が止まってしまうリスクが高い。



コンピュータ上で「絶滅シミュレーション」を実施

研究チームは、こうした状態がどれほど危ういのかを確かめるため、コンピュータ上で絶滅シミュレーションも行った。Phys.org


鳥の種をランダムに“消していく”とき、

  • 自然度の高い地域では、かなりの種がいなくなっても、機能的な多様性はしぶとく維持される

  • しかし、すでに冗長性を失った地域では、少し種を減らしただけで、生態系サービスがガタッと崩れる

という結果が出た。


つまり、土地利用の変化は、生態系から“安全マージン”を切り取ってしまう行為だということだ。一見、鳥の種類数がそこそこ残っていても、すでにギリギリの綱渡りをしている可能性がある。



SNSで広がる3つのリアクション

このニュースが報じられると、SNS上でもさまざまな反応が広がった。ここでは、その傾向を大きく三つに整理してみたい(具体的な投稿は筆者が要約・再構成したものであり、特定の個人を指すものではない)。


1. 「鳥が減る=私たちの生活が危ない」という危機感

最も目立ったのは、「これって結局、人間社会の自業自得なのでは?」という声だ。

「鳥がいなくなったら、害虫が増えて農薬に頼るしかなくなる」
「森の再生が止まったら、気候変動も悪化する」

といった投稿が並び、鳥の問題を環境だけでなく、食料安全保障や健康リスクと結びつけて考える議論が増えている。


2. 「身近な風景の変化」への寂しさと怒り

また、「子どもの頃はもっと鳥の声がうるさいくらいだった」というノスタルジーを伴う投稿も多い。

「近所の田んぼが住宅地とソーラーパネルに変わってから、ツバメを見かけなくなった」
「緑地が駐車場になってから、朝のさえずりが消えた」

といった声は、日本を含む多くの地域で共通しており、土地利用の変化が“音の風景”まで変えていることを実感させる。


3. 「希望は残っている」というポジティブな提案型の声

一方で、暗い話題だけでは終わらせまいとする動きもある。

「里山の保全活動や、鳥が利用できる生け垣を残す農業を支援しよう」
「都市でもベランダ緑化や雨水マスの工夫で、鳥や昆虫の居場所を増やせる」

といった実践的なアイデアを共有するアカウントが増え、「#鳥のためにできること」といったハッシュタグで小さなアクションが提案されている。



「多様性」だけでは守れない時代へ

今回の研究は、「種数」がそれなりに残っていても安心とは言えないことを、データで示した点に大きな意義がある。Phys.org


従来の保全指標は、「どれだけ多くの種がいるか」を重視してきた。しかし、同じ数の種がいても、

  • 似たような食性・体格・行動パターンの鳥ばかりなら、機能的には単調

  • 少数でも役割の違いがはっきりしていれば、機能的には多彩


という違いがある。今回の研究は、まさにこの「機能的多様性」と「冗長性」を組み合わせて生態系の脆さを評価する新しい枠組みを示した。Phys.org


これは、政策立案にも大きなヒントを与える。たとえば、保護区を指定するときに、「レアな鳥がいるかどうか」だけでなく、「この地域が果たしている生態系サービスの種類と、その予備の厚み」をセットで考える必要が出てくる。



日本の風景に引き寄せて考える

日本でも、里山の放棄や大規模な宅地開発、単一作物の大規模農地化、メガソーラー設置など、土地利用の変化は加速している。

  • かつて雑木林と田んぼがモザイク状に広がっていた里山

  • 川沿いのヤナギ林や草地

  • 街中の小さな神社や寺の林

こうした“すき間の自然”は、多様な鳥たちにとって重要な拠点だった。しかし、それらが一度に大規模な住宅街や物流倉庫へと変わると、「鳥の種類が減る」だけでなく、「役割の偏り」が一気に進む恐れがある。


もし、種子散布を担う鳥が減れば、森の更新速度が落ち、気候変動緩和に貢献する森林の成長も鈍化する。害虫を食べる鳥が減れば、農薬使用量が増え、生態系への負荷とコストが跳ね上がる。これは、私たちの日常の価格や健康にも直結する問題だ。



私たちにできる「機能的多様性」を守る行動

では、一般の私たちに何ができるだろうか。

  1. 「単一ではなく、パッチワークの景観」を支持する
    大規模な一面の芝生よりも、在来種の低木や草花が混ざった緑地を残す計画を応援する。

  2. 身近な場所で“鳥の仕事場”を確保する
    ベランダや庭で実のなる木を植える、水たまりをつくれる鉢を置く、外灯を必要以上に明るくしない――それだけでも、都市の中に小さなオアシスが増える。

  3. 地域の保全活動や市民調査に参加する
    バードカウントや自然観察会は、研究者が機能的多様性を評価するための貴重なデータ源になる。

  4. 消費行動で土地利用にメッセージを送る
    森林認証材を使った製品や、環境配慮型の農産物を選ぶことは、「生態系の保険を守る」土地利用を後押しする投票行動だ。



鳥の声が聞こえる未来を選べるか

今回の研究は、「生物多様性は豊かなほどいい」という直感的なスローガンを、より精密なデータで裏打ちしたとも言える。Phys.org


  • どんな鳥が、どんな仕事をしているのか

  • その役割に予備がどれだけいるのか

  • そして、人間の土地利用がそれをどう削っているのか

これらを可視化することで、生態系と人間社会の関係性は、単なる“自然保護”の枠を超え、「インフラのリスク管理」の問題として浮かび上がってくる。


森でさえずる鳥の声が減ることは、景色の寂しさ以上の意味を持つ。それは、私たちの食卓や健康、気候の安定性を支える目に見えないネットワークが細くなりつつある、という警告だ。


SNSで交わされる危機感や希望の声は、まだ小さいかもしれない。しかし、それらが具体的な行動につながるかどうかが、「鳥の声が聞こえる未来」を選べるかどうかの分かれ道になる。


私たちが次に歩く公園、買い物で選ぶ商品、投票する政策。その一つひとつが、生態系の“保険”を守るか、それとも解約してしまうのかを決めている――今回の鳥類研究は、そんな現実を静かに、しかし鋭く突きつけている。



参考記事

世界的な鳥類調査が示す、生態系の回復力の低下
出典: https://phys.org/news/2025-11-global-bird-reveals-declining-ecosystem.html

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