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日本の性教育は転換期:教委の7割が拡充を支持――海外モデルと比較して見える課題と可能性

日本の性教育は転換期:教委の7割が拡充を支持――海外モデルと比較して見える課題と可能性

2025年06月12日 22:57

1. 調査の概要と主な数字

  • 調査主体:朝日新聞社(2025年6月実施)

  • 対象:政令指定市・県庁所在地・東京23区の教育委員会(回答52)

  • 主要結果

    • 拡充の必要性を「大いに思う」「ある程度思う」:69%

    • 学習指導要領を超える内容を「認めたい」:50%

    • 具体的に扱いたいテーマ:性的同意、LGBTQ+、避妊最新情報、オンライン性暴力防止など asahi.com



2. 学習指導要領と現場のギャップ

日本の学習指導要領は「思春期の心身の変化」「受精・妊娠の仕組み」「性感染症予防」など生物学的事項を中心に組まれている。性的同意やジェンダー平等は学習指導要領本文には直接明記されておらず、教師の裁量に委ねられてきた。その結果、

  • 取り扱いの地域差:自治体で教材・外部講師派遣の有無が大きく異なる

  • 教員研修不足:専門研修を受けた保健体育教員は3割程度にとどまる

  • 保護者対応の負担:授業見せ合い運動や一部団体からの抗議で萎縮が起こる



3. 海外モデルとの比較

国・地域開始年齢カリキュラムの特徴主な成果
オランダ4歳感情表現・同意・多様性を年齢に応じて学ぶ「ラング・レーベ・ラーフ」教材10代の妊娠率・中絶率が世界最低水準 en.wikipedia.org
フィンランド7歳理科・保健科横断で継続指導。身体の変化とジェンダー平等を結びつける性暴力被害申告率の低下、LGBTQ+生徒の出席率改善
米ワシントン州5歳州法でCSEを義務化(2022年)。科学的正確性と包括性を法定性的同意理解度が全国平均を12ポイント上回る ospi.k12.wa.us





3-1 共通点

  • 年齢に応じたスパイラル型(繰り返し深化型)の構成

  • 同意・権利・多様性を中心に据え、行動スキルも指導

  • 教員向けガイドライン・研修制度が法律または行政規則で担保



3-2 日本との差異

  • 開始時期:日本は中学1年(12歳)から本格化し、小学校内容は限定的

  • 法的根拠:指導要領は告示規則だが包括性教育を義務づける法はない

  • 評価方法:海外は到達指標を設けるが、日本は定量評価が未整備



4. 拡充を求める背景

  1. オンライン環境の変化

    • 児童が不適切コンテンツに接触する平均年齢は11.2歳(警察庁2024年調査)

  2. 性暴力・同意の問題

    • 16〜18歳女性の18%が「同意のない性的行為を経験」と回答(NPO調査、2025年)

  3. ジェンダーギャップ指数

    • 日本は世界経済フォーラムの指数で125位。教育分野でも情報不足が指摘 unesco.org



5. 教育委員会の声と現場の試み

  • 宮崎市:助産師による授業で「性は自分らしく生きる力」と定義し、SNS相談窓口も設置

  • 札幌市:高1でデートDV、大学一年生で避妊最新技術を扱うパイロット授業

  • 神奈川県:LGBTQ+センターと連携し教員研修を必修に



6. 課題

課題詳細
教員研修教える側が最新医学・法制度を把握できていない。研修時間確保・専門資格が急務
保護者・地域の理解2000年代の「行き過ぎた性教育」批判の影響で、授業公開時に抗議が入るケースが残る
教材整備無償・科学的に正確・ジェンダー包摂的な教材が不足。翻訳資料依存も





7. 今後の方向性と提言

  1. 包括的性教育(CSE)の法制化

    • UNESCOの技術ガイダンスに沿った最低基準を設定 unesdoc.unesco.org

  2. 教員免許更新講習へのCSE必修化

  3. 第三者評価とエビデンス収集

  4. 地域格差是正のための財政措置

  5. 多言語・ユニバーサルデザイン教材の開発



8. まとめ

日本の教育委員会は性教育拡充の必要性を率直に認識し始めた。海外の成功例が示すのは、同意と多様性を中心に据えた包括的アプローチが、若者の健康と権利を守り、社会全体のジェンダー平等を促進するという事実だ。学習指導要領の改訂にとどまらず、法制度・教員研修・社会啓発を一体で進めることが、国際的な潮流と国内課題の両方に応える道となるだろう。




参考記事・資料一覧

  • 朝日新聞「性教育の拡充、教委の7割が『必要』指導要領以上『認めたい』も半数」(2025年6月12日) asahi.com

  • Washington State Office of Superintendent of Public Instruction “Comprehensive Sexual Health Education Implementation”(2024年改訂) ospi.k12.wa.us

  • UNESCO “Comprehensive Sexuality Education: For healthy, informed and empowered learners”(2024年12月版) unesco.org

  • UNESCO Global Status Report “The Journey towards Comprehensive Sexuality Education”(2022年) cdn.who.int

  • Wikipedia “Sex education – Netherlands” (最終更新 2025年5月) en.wikipedia.org

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