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消された4分間:「動画は消せても出来事は消せない」 — ロイター撤回が示した“編集と許諾”の臨界点

消された4分間:「動画は消せても出来事は消せない」 — ロイター撤回が示した“編集と許諾”の臨界点

2025年09月08日 00:35

「150年生存」ホットマイクと“キル通知”——ロイター動画撤回が映した、ライセンスと報道自由の綱引き

9月6日(日本時間)、通信社ロイターは、中国国営の中国中央電視台(CCTV)から「法的許諾の撤回」を通告されたとして、配信済みの4分間動画を自社サイトから削除し、顧客媒体に向けて“kill notice(キル通知)”を発行した。問題の動画には、北京での戦勝80周年軍事パレードの移動中、習近平国家主席とウラジーミル・プーチン露大統領が「人は150歳まで生きられるか」など長寿・不老に関する一節を語り合う“ホットマイク”音声が含まれていた。ロイターは「許諾がなくなったため撤回したが、編集の正確性には自信がある」と強調している。Reuters


何が起きたのか:時系列で整理

  • 9月3日(北京):CCTVのライブ配信の音声に、プーチン氏の通訳が「バイオテクノロジーは進歩している。人体の臓器は継続的に移植可能だ。ますます若返り、ついには不死も…」と話すフレーズが乗る。これに対し、習氏が「この世紀に人間は150歳まで生きると予測する人もいる」と応じる場面が聞き取れる。ロイターは当該シーンを含む記事を配信(その後、動画は撤回注記に修正)。Reuters

  • 9月5日(UTC):CCTVの法務担当者がロイターに書面で、契約条件の逸脱と**編集処理による「事実の誤解を招く表現」**を指摘。ロイターは動画を削除し、世界1,000超の放送局・媒体顧客にキル通知を出す。ただし「編集は正確」との立場を明示。Reuters

  • 9月6日:米国のメディア業界サイトや各国メディアが相次いで経緯を報じる。Talking Biz NewsAl JazeeraMediagazer


法律と倫理:ライセンスは“スイッチ”になり得る

今回の争点は二つある。第一に著作物(元映像)はCCTVに権利があるという点。報道目的でも、ライセンスに基づく二次利用であれば、権利者が許諾を撤回すれば配信継続は難しい。ロイターも「許可を失ったため」撤回したと述べる。第二に、編集の自由とライセンス条項の衝突だ。CCTV側は「編集処理が事実を歪めた」と主張するが、具体的な歪曲内容は明らかにしない。一方ロイターは「正確性に疑義なし」と真っ向から反論した。結果、法的リスク回避としての撤回と、編集内容の正当性の防衛という、相矛盾する二つの態度が同居する形になった。Reuters


なぜ拡散したのか:異例の“素の一言”

国家行事の生中継で、最高指導者の雑談レベルの肉声が拾われるのは稀だ。まして、長寿・不老・臓器移植といったテーマは、科学・倫理・地政学が交差しやすく、関心を呼ぶ。CCTVのライブ音声がAPやロイターなどにも供給されたことで、瞬時に世界中の放送・SNSで切り取られた。結果として、“撤回”の事実そのものが二次ニュース化し、さらに拡散を呼んだ。Reuters


SNSの受け止め:検閲批判、ライセンス擁護、皮肉

X(旧Twitter)上では、いくつかの論調が目立った。

 


  1. 検閲・情報統制への批判
     研究者や記者の一部は「世界に見せたくない現実を隠した」とし、**権利撤回を“後出しの統制”**と捉える反応を示した。例として、政策研究者のナデージュ・ロランは「本性を見られたくないのだろう」と皮肉交じりに言及。X (formerly Twitter)

  2. ライセンス遵守は当然
     「著作権者が許諾を取り下げれば、配信元は従うしかない」という契約実務派の見方もある。メディア法の観点からは、編集の自由≠権利制限の免罪符であり、撤回自体は“技術的”対応だとする指摘が見られた(ニューススレッドや要旨投稿)。X (formerly Twitter)

  3. 出来事そのものへの驚き・揶揄
     ニュース系アカウントは「不死」「150歳」といったワードのインパクトを強調し、ミーム化も進んだ。NEXTAや複数のOSINTアカウントが、中国側の要請でロイターが動画を削除と速報的に拡散。X (formerly Twitter)

  4. 事実経過の周知
     アジア取材の記者や観測者が、キル通知→削除のフローや、ロイターの「正確性は維持」の声明を淡々と紹介している。X (formerly Twitter)


通信社の「キル通知」がもたらす波紋

通信社が発行するキル通知は、既配信物の使用停止とアーカイブからの削除を顧客に求める強力な信号だ。放送局は法務リスクを避けるため、オンエア素材の差し替えや記事のリライトを迫られる。今回のように動画の著作権者=国家放送で、当該映像が政治的にセンシティブな場合、編集現場は**「ニュース価値」対「契約順守」の判断を秒単位で迫られる。Talking Biz NewsやMediagazerなど業界ウォッチは、こうしたサプライチェーンの脆弱性**を可視化する出来事として紹介した。Talking Biz NewsMediagazer


残る疑問:編集は“誤解を招いた”のか?

CCTV側は「編集処理が誤解を招く」と主張するが、具体的な誤読のポイントは開示されていない。仮に、

  • ①音声のトリミングによる文脈切断、

  • ②テロップ・ナレーションによる意味付け、

  • ③サムネイル・見出しの強調、
    などが問題視された可能性はある。しかし現時点で外部から検証できるのは、ロイターが編集の正確性を再点検したうえで「問題なし」と結論したという事実だけだ。よって、法的な撤回と編集の是非は別トラックで今後も議論が続くだろう。Reuters


グローバル報道への示唆

  • ライブ供給の“連鎖拡散”時代:一次配信(CCTV)→二次配信(ロイター/AP)→千超の顧客媒体という経路では、撤回の波及効果も爆発的だ。Reuters

  • 国家メディア×民間通信社:国家的意向と商業的契約が重なる場面で、報道の自由の議論は契約解釈へと矮小化されやすい。

  • アーカイブの信頼性:キル通知が増えれば、報道アーカイブの非連続性が生まれ、検証可能性が下がるリスクもある。

  • 視聴者の学び:今回の件は、「見えない編集工程」(権利・ライセンス・法務)を可視化し、ニュース消費者にメタ読解を促した出来事でもある。

参考記事

ロイター、中国のビデオを削除 許可が取り消されたため
出典: https://talkingbiznews.com/media-news/reuters-removes-china-video-after-permission-withdrawn/

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