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新学期に増える「ネット逃避」――子どもの心のSOSを見逃さないために

新学期に増える「ネット逃避」――子どもの心のSOSを見逃さないために

2025年09月11日 15:02

1. ネット逃避とは何か――“依存”と“回避的コーピング”の違い

ネット逃避は、現実のストレスや不安をやわらげるために、SNS・動画・ゲーム・チャットなどに“避難”する行動を指します。研究では補償的インターネット利用(Compensatory Internet Use)という概念が提案され、つらさの原因(いじめ、不安、孤独、学業負担など)に手当が届かないとき、ネットが気分調整や居場所の役割を果たす、と説明されます。

重要なのは、画面時間そのものよりも、「何から逃げているのか」「ネットがどんな役割を代替しているのか」を掘り下げることです。 サイエンスダイレクト+2ACM Digital Library+2

  • “依存”と断定する前に

    • 一時的な“避難所”として機能している場合もある。

    • ただし常態化して登校回避や日中の活動低下を招くなら、回避的コーピングが固定化しているサイン。



2. なぜ新学期に増える? 日本の季節性と文化的要因

  • 季節性の強さ:日本では夏休み明けの8月末〜9月、さらに1月など節目に児童生徒の自殺が相対的に多い傾向が、公的分析で長年指摘されています。2024年は小中高生の自殺者数が過去最多水準に達し、2025年も国は9月10〜16日の「自殺予防週間」で集中的な啓発と相談体制の拡充を実施しています。 厚生労働省+2厚生労働省+2

  • 不登校の歴史的増加:2023年度の小中学校の不登校は346,482人で過去最多。長期欠席の中で不登校の比率が上がり続け、低年齢化も示唆されています。 文部科学省

  • 文化・制度的要因

    • 「学年一斉スタート」「同調圧力」「部活動・校則」「内向きの学級集団」など、対人関係の再起動が一気に来る。

    • 生活リズムのズレ(夜型化)と塾・課題の再負荷が重なり、朝の起床困難→遅刻→欠席→罪悪感→ネット逃避のループに入りやすい。



3. 日本 × 海外の比較(UK=EBSA、US=School Refusal)

英国:EBSA(Emotionally Based School Avoidance)

  • “怠け”ではなく“感情由来の回避”として制度的に位置づけ、自治体や教育心理チームが段階的復帰(時間割の調整、安心できる場所の確保、学業要求の一時軽減)を支援。

  • 具体的なEBSAガイダンス/ツールキットを公開し、学校・家庭・医療が同じモデルで連携できるよう設計。 mksendlocaloffer.co.uk+2cambslearntogether.co.uk+2



米国:School Refusal(登校拒否)

  • 小児科・児童精神科の評価と学校との即時連携を重視。

  • **「長く休むほど復帰は難しい」**という前提で、不安症へのCBTや保護者コーチング、分割登校などを組み合わせる。 HealthyChildren.org+2aap.org+2



共通点と相違

  • 共通:“なぜ学校がしんどいのか”を環境要因まで含めて可視化し、段階的に戻す。

  • 相違:日本は学級・部活の一体感が強く役立つ半面、合わないと逃げ場が少ない。英国は自治体ガイドで学校側の柔軟な時間割・安心基地づくりが進み、米国は医療・学校連携が迅速。



4. 家庭でできる早期サインの見立て(チェックリスト)

以下が**“ネット逃避が強くなっている時のサイン”**です。3つ以上当てはまるなら要対処。


  • 入眠困難・昼夜逆転(ベッドでの長時間視聴/チャット)。

  • 朝の強い腹痛・頭痛(医療的鑑別も要)。

  • オンラインでは饒舌、オフラインでは沈黙。

  • 「返信はできるが、課題や登校の話は避ける」。

  • 好きな活動への関心が低下(コンサート・推し活・ゲームの“喜び”が鈍る)。

  • “既読だけ”が増える/通知を極端に切る。

  • “月曜”や“始業式”など特定日への強い不安。



5. 今日からできる対処(24時間・72時間・2週間プラン)

まず24時間(安全確保と感情の受け止め)

  1. 評価:「命の危険」の有無(自傷衝動・希死念慮)。赤信号なら即相談へ(後述)。

  2. 感情の言語化:事実問答より気持ちに焦点(例:「今日いちばんつらかったのは?」)。

  3. ネットの“役割”を聞く:逃げ場?つながり?情報収集?

  4. 睡眠の土台:今夜はベッドからデバイスを出す、「充電はリビング」。

  5. 明日の“最少成功”:保健室登校/短時間参加/担任へ欠席連絡の共同文章作成など。



次の72時間(ミニ計画と学校連絡)

  • 学校へ共有:担任・養護教諭・スクールカウンセラーに、症状・朝の困難・ネット状況を簡潔に共有。

  • “ドア半開き”の復帰:遅刻OK、2時間だけ在校、安全基地(図書室等)など段階的に。

  • デジタル時間は“合意”で調律:

    • 先に用件(連絡・課題)→あとに娯楽。

    • 平日は就寝90分前のクールダウン、通話はスピーカーで短時間。

    • ルールは**“共同で書き出す”**(家族契約)。



2週間(原因への手当)

  • 人間関係の再設計:席替え・グループ替え・“安全な仲間”の確保。

  • 学業負荷の調整:提出物の猶予、評価方法の弾力化。

  • 専門支援:不安症・起立性調節障害・ADHD/ASD等の併存も視野に医療につなぐ。

  • メディア・リテラシー:“釣りタイトル”“完璧比較”への抵抗力を、一緒に分解して学ぶ。欧州の調査でも年長化で親の懸念が増す一方、対話的な見守りがバランスを保つ鍵とされる。 www.ofcom.org.uk+1



6. 学校と地域での連携――“一緒に作る”分散型支援

  • 学校:安心基地(保健室・図書室・別室)/段階的時間割/“成功体験”の設計。

  • 自治体・NPO:LINE相談、チャイルドラインなど低しきい値の窓口を活用。 中央金融機関+1

  • 医療:身体疾患の鑑別→不安症や睡眠リズム障害のケア→CBTや家族支援。米国小児科学会も学校との即時連携を推奨。 HealthyChildren.org

  • 海外の実践:英国のEBSAツールキットは、トリガーの棚卸しと復帰ステップを共通言語で整理でき、日本の学校でも応用しやすい。 cambslearntogether.co.uk



7. デジタルとの健全な距離の取り方(実装レシピ)

  • “時間”より“文脈”

    • つらさ→ネット→一時緩和のループを共同観察し、「代わりの落ち着き方」(温シャワー、ストレッチ、5分呼吸アプリ、紙メモ)を並走導入。

  • 家庭のベーシック設定

    • 寝室ノーデバイス/就寝90分前は通知オフ/充電は共用スペース。

    • 家族の見本:保護者自身の画面時間を可視化(週1レビュー)。

  • 技術の力を借りる

    • 端末のスクリーンタイム/Family Linkで「ダウンタイム」「アプリ上限」「休憩時間」を合意の上で設定。

  • メディア・ダイエット

    • 比較を煽る“完璧フィード”を意図的に減らし、創作・自然・運動の置換活動を増やす。

  • 国際的視点

    • UNICEFは**“機会と安全の両立”、恐怖訴求ではなく権利ベースのガバナンス**を提唱。教育×技術×保護を同時に設計する。 ユニセフ+1

  • 画面時間の情報源

    • 医学界も“年齢別の目安”だけでなく睡眠・活動・対面交流の総合バランスを重視する方向にアップデート。 aacap.org



8. “赤信号”の見分け方と今すぐの相談先(日本)

赤信号サイン:

  • 自傷・希死念慮をほのめかす/消える・死にたい等の投稿

  • 睡眠が極端に崩れ、食事・衛生も低下

  • いじめ・性被害の示唆、金銭トラブル(投げ銭・課金・画像要求)

  • 24時間以上、家族とのコミュニケーションが途絶える



今すぐ相談できる公式窓口(子ども本人も可)

  • 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(なやみ言おう)――年中無休・無料。 文部科学省+1

  • チャイルドライン(18歳まで/電話・チャット)――丁寧に話を聞いてくれる窓口。 チャイルドライン®+1

  • 親子のための相談LINE(こども家庭庁/匿名相談可)。 中央金融機関

  • 厚労省「まもろうよ こころ」SNS相談まとめページ。 厚生労働省


※命の危険が迫る場合は、ためらわずに119または最寄りの医療機関へ。



9. まとめ:ネットは敵ではない。苦しさの“翻訳機”として使う

  • ネット逃避は「問題の原因を隠す症状」であり、善悪二元論では解けません。

  • 新学期の不安が強まりやすい日本の季節性と学校文化をふまえ、EBSA/School Refusalの枠組みを取り入れて段階的復帰を設計しましょう。

  • 対話・睡眠・学校連携・低しきい値の相談を“同時並行”で回すのが最短ルート。ネットは敵ではなく、SOSを可視化する道具にもなります。

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