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火星は“青い惑星”だったのか? 渓谷に残ったデルタが示す「北半球の海」

火星は“青い惑星”だったのか? 渓谷に残ったデルタが示す「北半球の海」

2026年01月14日 00:06

1)「火星に海はあったのか?」が“地形”で一歩前へ


火星の水をめぐる議論は長い。川の跡、粘土鉱物、氷の痕跡……“水が関与した”証拠は大量にある一方で、「海の存在」を決定的に言い切るのは難しかった。なぜなら、海を語るには“海岸線”のように分かりやすい輪郭が必要なのに、火星では風化・侵食・砂丘の覆いで、その輪郭が見えにくいからだ。


そんな中で登場したのが、スイス・ベルン大学を中心とする国際チームの新研究だ。火星最大の峡谷群バレス・マリネリス(赤道付近に延びる巨大地形)周辺で、地球の河口デルタに非常に似た地形が複数見つかり、「海(あるいは巨大な水域)へ川が流れ込んでいた」ことを示す“海岸線レベルの証拠”になり得るという。


2)主役は「SFD」——崖の前面堆積物が“河口”に見える理由

今回注目された地形は scarp-fronted deposits(SFD:崖の前面堆積物)。上面が比較的平坦で、末端に向かうと急に“崖のような前面”が立ち上がる。研究チームはこれを、川が堆積物(砂や礫)を運び、静かな水域へ流れ込むことで形成される「扇状デルタ(fan delta)」の痕跡だと解釈した。


ポイントは形だけではない。SFDの上面には放射状の水路網が見え、末端は下流側へふくらむ“扇状”の輪郭を持つ。さらに上面から前面へ切り替わる「折れ(break-in-slope)」が、デルタ地形でよく見られる特徴と整合する——こうした地形学・堆積学の積み上げで、「これは“河口の地形”だ」と主張している。


3)観測の武器:CaSSIS、HiRISE、CTX、そして標高モデル

この研究の強みは、観測データの組み合わせだ。ESAのExoMars Trace Gas Orbiterに搭載されたベルン大学主導のカメラ CaSSIS(カラー&ステレオ)に加え、NASAのMars Reconnaissance OrbiterのHiRISEやCTX、さらにHRSCやMOLAの地形データを統合し、ステレオ画像からデジタル標高モデル(DEM)を作って“地形を測っている”。


見た目が似ているだけなら反論は簡単だが、標高まで含めて議論できると話は変わる。デルタが「ある」だけでなく、「同じ高さにそろっている」ことが意味を持つからだ。


4)標高がそろう:-3750〜-3650mという“水位の手がかり”

論文の要旨で最も目を引くのはここだ。確認されたSFDは、バレス・マリネリスと北部低地を含む複数地点で、同じ標高帯(-3750〜-3650m)に分布するという。チームはこれを、海面(あるいは大規模水域の水位)がその高さで“高止まり(high-stand)”していた記録だとみなす。


火星の“海”仮説が揉める理由の一つは、想定する海岸線の高度が研究によって揺れやすいことだった。だが今回の主張は、(少なくともこの地域では)デルタ状堆積物が示す水位のレンジを具体的に提示している。海を語る議論が、「雰囲気」から「数値」へ寄ってきた感がある。


5)いつの海か:後期ヘスペリアン〜初期アマゾニアン

さらに論文は、これらのSFDが堆積した時代を「後期ヘスペリアン〜初期アマゾニアン」とする。火星史の中では、より乾燥へ向かっていくはずの時代観と重なるため、「その頃に“最大級の水域”が成立していたのはどういう条件か?」という新しい問いも生む。


6)「北半球の海」論争に、今回の研究が足したもの

Phys.orgやベルン大学の発表は、この結果を「火星はかつて“青い惑星”だった」と表現し、北半球を覆うほどの大きな海の可能性を強調する。さらに、その規模を地球の北極海に匹敵すると述べ、従来研究が“粗いデータや間接論”に依存していたのに対し、今回は高解像度画像に基づく“海岸線の証拠”だと位置付ける。


ここで大事なのは、「海があった/なかった」を単純に決着させるというより、海の存在を検証するための“チェックポイント(高度レンジ)”が増えたことだ。今後は別地域の地形・鉱物・年代推定が、この高度レンジと整合するかどうかが焦点になる。


7)それでも残る疑問:海なのか巨大湖なのか、そして“なぜ消えた”

もちろん注意点もある。デルタ状地形が示すのは「川が静かな水域へ流れ込んだ」ことだが、その水域が必ずしも全球規模の海とは限らない。巨大湖でも同様の地形はできる。論文・解説記事は“海岸線”としての解釈を押すが、地質の世界では代替仮説(別の堆積プロセス、地形改変の影響など)との比較が必ず続く。


そして最大の謎は、「もし海があったなら、なぜ消えたのか」。大気散逸、凍結、地下への浸透、鉱物への固定化……複数要因が絡むはずで、今回の成果はむしろその議論を“具体的な水位”つきで再燃させる。


8)生命の可能性:重要なのは「水がある」より「水が続く」

生命に関しても同じだ。大切なのは水が一瞬出現したことより、どれほど安定して存在し得たか。扇状デルタが形成されるには、少なくとも一定期間、流れる水と溜まる水が共存する必要がある。研究チームは次段階として、古い火星土壌の鉱物組成(風化のタイプ)を調べたいとしており、地形の証拠に“化学の証拠”が重なれば、当時の環境像は一気に立体的になるだろう。



SNSの反応(確認できた範囲)

※SNSはプラットフォーム側の表示制限などで、投稿本文やコメントを網羅的に確認できない場合があります。ここでは、こちらで内容を確認できた投稿・反応をもとに“傾向”としてまとめます。


X(旧Twitter):科学ニュースの定番ルートで拡散

Phys.org公式アカウントは「高解像度画像が古代の河川デルタを示し、かつて北半球を覆った巨大な海の証拠になる」といった趣旨で記事を投稿し、拡散の起点になっている。

 



また天文学系の発信アカウント(例:AAS Press Office)も、ベルン大学のリリースを共有している動きが見える。


LinkedIn:研究者コミュニティは「学際コラボ」と“祝福”が中心

筆頭著者Ignatius Argadestya氏は、論文掲載を報告する投稿で「物理と地質の視点が合流した学際チームワーク」を強調。コメント欄は祝福や称賛が多く、「学際対話が惑星史を解く」系の反応が目立つ(中にはジョーク混じりの称賛も)。


同じくLinkedInでは、記事内容を引用しながら「海岸線の証拠としての強さ」や「北極海級の規模」という“分かりやすい比喩”に反応する投稿も見られ、一般向けに噛み砕いて共有されている。 

https://www.linkedin.com/posts/stephaniesoquet_mars-was-once-a-blue-planet-ancient-river-activity-7416548814779654144-cxuN


参考記事

火星はかつて「青い惑星」だった:古代の川の三角州が広大な海洋の存在を示唆
出典: https://phys.org/news/2026-01-mars-blue-planet-ancient-river.html

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