メインコンテンツにスキップ
ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア ロゴ
  • 記事一覧
  • 🗒️ 新規登録
  • 🔑 ログイン
    • English
    • 中文
    • Español
    • Français
    • 한국어
    • Deutsch
    • ภาษาไทย
    • हिंदी
クッキーの使用について

当サイトでは、サービスの向上とユーザー体験の最適化のためにクッキーを使用しています。 プライバシーポリシー および クッキーポリシー をご確認ください。

クッキー設定

クッキーの使用について詳細な設定を行うことができます。

必須クッキー

サイトの基本機能に必要なクッキーです。これらは無効にできません。

分析クッキー

サイトの使用状況を分析し、サービス向上に役立てるためのクッキーです。

マーケティングクッキー

パーソナライズされた広告を表示するためのクッキーです。

機能クッキー

ユーザー設定や言語選択などの機能を提供するクッキーです。

ミーム化する過激言説の拡散方程式 : “冗談だから”は免罪符か — 日常に紛れる極端コンテンツの広がり方

ミーム化する過激言説の拡散方程式 : “冗談だから”は免罪符か — 日常に紛れる極端コンテンツの広がり方

2025年09月07日 10:57

ハッシュタグとユーモアが“極端”を日常に溶かす——「HYPE空間」が示す拡散の新機構

要点

  • 陰謀論や憎悪表現は、いまや「ミーム」「冗談」「日常ポスト」と混ざり合い、曖昧さのまま拡散する。

  • ハッシュタグの“束ね貼り”が、互いに無関係な陰謀論を接続し、アルゴリズムの風に乗せて可視化を加速する。

  • 伝統メディアの扱い方次第で、極端な発信者が正当性を“借用”してしまう危険がある。Phys.org


1. 研究が描いた現在地:「ハイブリッド化」と“HYPE空間”

コペンハーゲン大学の研究チームは、極端なオンライン言説が「陰謀論」「個人的不満」「ポップカルチャー断片」「ユーモア」などを混在させるハイブリッド化を指摘する。彼らはこれをHYPE(Hybridized Prefatory Extremism)空間と名づけ、(1)アクター、(2)実践、(3)コンテンツの3領域が重なって生まれる参加型の場として定式化した。従来の「純粋なイデオロギー vs. 過激な手法」という物差しでは掬いきれない、前口上(prefatory)的で探索的な極端性が社会接続される回路だ。Københavns Universitets ForskningsportalResearchGate


この見取り図は、Phys.orgが9月5日(2025年)付で紹介した要旨とも重なる。記事は、SNS上の過激コンテンツがミームや日常ポスト、ハッシュタグと混ざり合い、判別を難しくしていることを具体例で示す。Phys.org



2. ハッシュタグは“橋”になる:#flatearth と仲間たち

調査では、Instagramで**#flatearthを検索すると、#chemtrails、#thegreatreplacement、#COVID、#redpillといった、性質も起源も異なるタグが束ねて貼られ、相互に交通しうる“タグ・クラスター”が形成される実情が観察された。投稿自体は陰謀論と無関係でも、興味の連想で関連タグを底面に敷き、エンゲージメントを稼ぐ“拡散ロジック”が働く。これはファッション・インフルエンサーが露出を最大化する手管と同型**で、過激表現だけの専売特許ではない。Phys.org


タグが橋になると、元々過激思想に関心のない閲覧者にも断片が流入し、接触の閾値が下がる。HYPE空間の危うさは、ここにある。Phys.orgKøbenhavns Universitets Forskningsportal



3. ユーモアという潤滑油:笑いは拡散の“緩衝”か“加速”か

ハイブリッド化の核にあるのがユーモアだ。冗談・皮肉・メタ的ネタ化は、攻撃性を可視的に弱めつつ、受け手の防御を“穿つ”。別研究では、誤情報を否定する側が**33%の割合でユーモアを使い、誤情報拡散側の8%**を上回ったという観察もある(ツイート分析)。ユーモアは反論の武器にもなれば、過激発信の“逃げ道”にもなる両義の媒体だ。EurekAlert!



4. オフラインに滲む:デンマークの二つの事例

  • 元保健相マグヌス・ホイニケ氏が学校で「Murderer!(殺人者!)」と罵倒された事件。ワクチン陰謀論がSNSで拡張され、日常の場へ流れ出した一例だ。Phys.org

  • 彫刻家アスケ・クライルガードと「授乳する男性像」を巡る米国発の陰謀論的連想(小児性愛・悪魔崇拝)に巻き込まれ、一時国外退避を余儀なくされた件。アートが“タグ回路”に乗り、政治的物語に取り込まれた。Phys.org


5. メディアは「共犯」になりうる:権威の借用問題

研究チームは、テレビや新聞が“両論併記”の名のもとに、陰謀論者をスタジオに招くことで、結果的に権威の借用を許す危険を指摘する。露出はフォロワーへの最良の素材となり、切り抜きや再拡散を通じてHYPE空間の燃料になる。報じない選択ではなく、どう報じるかの再設計が問われる。Phys.org



6. SNSの“地声”:オンライン反応のトーンを読む

本件に直接紐づくSNS反応を横断的に眺めると、以下の3系統に大別できる。

  1. 共感・あるある派
    「プロパガンダや偽情報は昔からあったが、SNSで見過ごせない洪水になった」という一般利用者の体感的議論。過激化への懸念と、アルゴリズムの増幅を指す声が目立つ。Reddit

  2. 表現の自由・過剰規制懸念派
    “ユーモアや皮肉を萎縮させる副作用”を心配し、プラットフォームやメディアの介入に慎重論を投げる系譜。HYPE概念を「極端の前段」として広く取りすぎると、グレーを締め上げかねないという問題提起だ。※本稿は理念対立を紹介するにとどめる。

  3. 対抗的ユーモア派
    誤情報への応答として、ミーム化やパロディで打ち返す実践。先行観察でも、反駁側のほうがユーモアを使いがちという傾向が報告されている。EurekAlert!


補足:上記は具体投稿の引用ではなく、公開スレッドや掲示板の議論・研究の知見から抽出した傾向の整理である。



7. 何を“設計”し直すべきか——実務的提言

プラットフォーム

  • 「タグ・クラスター」による連想拡散の見える化(関連タグの“距離”をUIで提示)。

  • 「冗談」「文脈」「皮肉」を機械判定で一足飛びに捌かず、人間レビューが介入しやすいフラグ階層を用意。

  • 再生産(リポスト・リミックス)が何代目かを明示し、責任の連鎖を可視化。

メディア

  • スタジオ登場や単独インタビューは再拡散設計(クリップ不可/遅延公開/反証リンク埋め込み)とセットで。

  • 「可視化だけで権威は付与される」という前提で番組制作を再設計する。Phys.org

教育・市民

  • “タグ束ね”と見出し力学をメディア・リテラシーの教材に。

  • ユーモアによる緩衝/加速の両義性を学ぶ(自分の“笑い”が、何を正当化し、誰を排除するか)。EurekAlert!


8. 結語:グレーのまま広がるものに、グレーのまま向き合う

HYPE空間が示すのは、白黒で裁けないものが白黒より速く広がる時代だという事実である。規制か放任かの二分法を超え、拡散設計と可視化の倫理を社会側が積み上げるしかない。研究は、そのための概念と言葉を私たちに与えている。Phys.orgKøbenhavns Universitets Forskningsportalコペンハーゲン大学ニュース


参考記事

ソーシャルメディアで極端なコンテンツを拡散するためにハッシュタグとユーモアがどのように使われているか
出典: https://phys.org/news/2025-09-hashtags-humor-extreme-content-social.html

Powered by Froala Editor

← 記事一覧に戻る

お問い合わせ |  利用規約 |  プライバシーポリシー |  クッキーポリシー |  クッキー設定

© Copyright ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア All rights reserved.