メインコンテンツにスキップ
ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア ロゴ
  • 記事一覧
  • 🗒️ 新規登録
  • 🔑 ログイン
    • English
    • 中文
    • Español
    • Français
    • 한국어
    • Deutsch
    • ภาษาไทย
    • हिंदी
クッキーの使用について

当サイトでは、サービスの向上とユーザー体験の最適化のためにクッキーを使用しています。 プライバシーポリシー および クッキーポリシー をご確認ください。

クッキー設定

クッキーの使用について詳細な設定を行うことができます。

必須クッキー

サイトの基本機能に必要なクッキーです。これらは無効にできません。

分析クッキー

サイトの使用状況を分析し、サービス向上に役立てるためのクッキーです。

マーケティングクッキー

パーソナライズされた広告を表示するためのクッキーです。

機能クッキー

ユーザー設定や言語選択などの機能を提供するクッキーです。

“男女ともに義務”という選択 ─ 連邦軍は“女性を必要としている” : 平等は“負担の分かち合い”で証明できるか

“男女ともに義務”という選択 ─ 連邦軍は“女性を必要としている” : 平等は“負担の分かち合い”で証明できるか

2025年09月04日 00:25

導入──「男女ともに、ただし軍事だけではない」

ドイツ連邦議会の軍監察官(Wehrbeauftragter)ヘニング・オッテ(CDU)が、「男性だけでなく女性にも適用される“1年の義務的な奉仕(Pflichtdienst)”」を提唱した。奉仕の場は軍に限らず、救急・消防などの“ブルーライト”組織、文化、スポーツ、ボランティア領域まで広げる構想だという。背景には「社会の結束を取り戻す」という政治的目標と、「連邦軍には女性がもっと必要だ」という人員確保の現実がある。aktiencheck.destern.deDIE ZEIT


いま、この議論が再燃する理由

2011年に徴兵制は停止されたが(制度自体は憲法上は存置)、ウクライナ侵攻以降、欧州の安全保障環境は一変した。2024年以降、ピストリウス国防相は選抜型の新・兵役モデル(まず男性にアンケート送付、女性は任意回答)を打ち出し、2025年からの実装を目指している。オッテの“男女ともに義務奉仕”は、この「自発+選抜」路線をさらに一歩進める野心的な提案といえる。ビルト


キーパーソン:ヘニング・オッテとは

オッテは2025年5月に連邦議会で新たな軍監察官に選出され、6月に宣誓就任した。長年の国防分野の実務経験を持つCDU政治家で、装備・人員の両面から連邦軍の基盤強化を主張してきた。今回の「義務奉仕」発言も、その延長線上にある。Deutscher Bundestag


最難関は“憲法の壁”

現行のドイツ基本法(憲法)12a条は、**「男性は兵役に就くよう義務付け得る」一方、「女性を武器を持つ軍務に義務付けることはできない」**と定める。女性は志願により戦闘職種にも就けるが、義務付けには憲法改正が要る。つまり「男女ともに義務奉仕」を法的に筋道立てるには、軍務に限らずとも(たとえば“義務的・社会奉仕”として設計する場合でも)憲法設計の綿密な見直しが避けられない。gesetze-im-internet.dedejure.orgVerfassungsblog


世論と政治の温度差

直近の世論では、徴兵制(広義の義務奉仕)の復帰に一定の支持がある。2025年6月の調査では、**「男女ともに義務」**を支持する層が少なからず存在する一方、完全自発を望む声も根強い。年齢が上がるほど復帰支持が強まる傾向も示された。政治的には、中道右派(CDU/CSU)を中心に議論が加速する一方、左派は強く反対しており、改憲のハードルは高い。DIE WELT


オッテ案の“現実解”──軍務だけに閉じない設計

オッテが強調するのは、軍務に限らない選択肢だ。救急・消防、文化、スポーツ、地域ボランティアなど、多様な現場で「1年の義務奉仕」を履行するという考え方である。これは、従来の“兵役か代替役務か”の二項対立を超え、社会的レジリエンスの総和を高める設計に近い。人材の適性配分と地域の人手不足緩和にも資する可能性がある。stern.de


それでも残る課題:装備・施設・インクルージョン

女性比率を高めると言っても、現場はすぐには追いつかない。防弾装備・被服・宿営設備・衛生設備など、ジェンダーに配慮した環境整備は依然として改善途上だ。過去の議論でも、この装備・インフラ格差が女性の参加を阻むボトルネックとして指摘されてきた。**量(人員)だけでなく質(環境)**への投資が伴わなければ、義務奉仕は理念倒れになりかねない。ビルト


SNSの反応を読み解く

X(旧Twitter)などでは、次のような論点が渦巻いた。

 


  • 「平等なら当然」派:男性だけを義務化するのは不公平。やるなら男女ともに。主要紙の論説投稿やニュース投稿の引用拡散でこの論点が目立った。X (formerly Twitter)

  • 「自由の侵害」派:国家による強制は自由主義に反する。ボランタリーの魅力向上や賃金・教育連携などインセンティブ先行を求める声。ニュース共有ポストのスレッドでも散見。X (formerly Twitter)

  • 「現実重視」派:女性比率拡大は賛成だが、まず装備・施設・ハラスメント対策の実効性が先、という慎重論。既報の課題列挙が繰り返し参照された。ビルト

  • 「政治の駆け引き」視点:右派からは“平時の自発+有事の選抜”を評価、左派からは“事実上の徴兵復活”と批判。関連報道を起点に論争が拡散。ビルトDIE ZEIT

(注:SNS投稿は速報性が高く、一部はニュースリンクの引用や論評。代表的な論点を抽出した。)


もし導入するなら:政策設計のチェックリスト

  1. 法制設計:憲法12a条の整合性(改憲の要否と範囲)。“軍務限定”ではなく“広義の社会奉仕”としての根拠づけ。gesetze-im-internet.deVerfassungsblog

  2. 選抜と公平:学業・介護・健康など免除・延期規定の明確化。地域間・所得間の負担偏在をどう避けるか。

  3. 配属アルゴリズム:適性診断と本人希望の反映。ブルーライト/医療/教育/福祉/行政支援など、多様なポスト設計。

  4. インセンティブ:学費減免、職業訓練、年金ポイント、資格付与など“生涯リターン”の可視化。ピストリウス案が想定する“選抜型+誘因”の強化版として再設計。ビルト

  5. 職場環境:装備・設備・安全配慮・セクハラ対策の徹底。女性参加を阻む物理・文化的バリアの除去。ビルト

  6. コミュニケーション:国としての“なぜ今なのか”の説明責任。安全保障・社会連帯・若者の成長機会という複合目的を誠実に語る。


結論──“強制”ではなく“義務の意味”を問う

オッテの提案は、単なる“徴兵復活”論ではなく、社会の分断を修復し、公共部門の人手不足を補う“社会契約の再設計”という挑発的な問いかけでもある。鍵を握るのは、自由の尊重と公平な負担の実装、それを支えるだけの制度と現場の準備だ。最終的にドイツが選ぶのは、軍務の再義務化か、広義の社会奉仕か、あるいは現状の“自発+選抜”の磨き上げか。いずれにせよ、次の一歩は憲法と政策設計のテーブルの上で決まる。DIE ZEITgesetze-im-internet.de


参考記事

国防担当官、女性にも義務的な兵役を求める
出典: https://www.aktiencheck.de/news/Artikel-Wehrbeauftragter_will_Pflichtdienst_fuer_Frauen-18974311

Powered by Froala Editor

← 記事一覧に戻る

お問い合わせ |  利用規約 |  プライバシーポリシー |  クッキーポリシー |  クッキー設定

© Copyright ukiyo journal - 日本と世界をつなぐ新しいニュースメディア All rights reserved.